釜石の日々

岩手県釜石市に移り住んで16年8ヶ月が過ぎ、三陸沿岸部の自然の豊かさに感動する毎日。

深刻な社会情勢

2017-10-10 19:15:27 | 社会
毎日生活している目の前の現実は、世界や日本の社会情勢の中にある。しかし、目の前のことだけを見ていると、その社会情勢を忘れてしまう。現在の社会情勢で忘れてはならないのは、今月行われる選挙などではない。日本を含む世界の経済国が全て膨大な負債を抱えていること。北朝鮮やシリア、イラン、ロシア、カタールなどの欧米と対立的な国の存在があること。一見すると、日本とははるかかけ離れたことのように見えるこれらが、日本の現状に大きく影響する。特に、北朝鮮と世界の膨大な債務は最も危惧される。米国時間の5日夜、トランプ大統領は米軍指導者との夕食会が「Calm Before the Storm(嵐の前の静けさ)」を意味するかもしれないと、不可解な発言をした。翌日、その意味を尋ねた記者に、大統領は「You’ll find out(今に分かる)」とだけ答えている。様々な憶測が飛び交っているが、北朝鮮との軍事的衝突が最も疑われている。北朝鮮との平和的交渉を模索するレックス・ティラーソン国務長官と大統領の間の軋轢から、大統領は軍事的解決を考えている可能性がある。大統領は11月に日本、韓国・中国を訪問予定だ。これが北朝鮮攻撃のための会談である可能性もある。ジョンズ・ホプキンス大学の研究者たちは、大学の第38回並列プロジェクトが発表した新しい研究報告書で、ソウルと東京に核爆弾が投下された場合、210万人の死者と770万人の負傷者を出すとしている。報告書では、ソウルと東京の被害地図も示されている。また、北朝鮮高官は有事には日本の原発を攻撃することも金正恩委員長が考えていることを表明している。米国は1980年には、政府総債務と個人債務は3兆ドルをわずかに上回った程度であったが、現在では41兆ドルを超えている。世帯当たりでは、1980年の世帯平均所得の79%に対し、現在は平均世帯所得の584%にもなっている。米国の主要株価や債券も史上最高である。株の時価総額は30兆ドルに迫る。会計に計上されないデリバティブは600兆ドルとも言われる。日本同様に米国中央銀行であるFRBは4.5兆ドルの金融緩和(通貨増刷)を行なっている。欧州ではドイツ銀行が75兆ドルものデリバティブを保有し、EUの中央銀行ECBは4.4兆ドルの金融緩和を行なっている。スペインやイタリアの銀行危機も抱えている。中国では民間部門が巨額の負債を抱え、住宅価格は世帯所得の20倍まで高騰している。日本も日本銀行が500兆円近い金融緩和により、株価や債券を高騰させている。政府債務は毎年、30〜40兆円増加し、1300兆円に迫っている。中央銀行によって作り出された株や債券などの資産価格の前代未聞の高騰は明らかなバブルであり、バブルの崩壊は世界経済を破壊するに十分な破壊力を持ってしまっている。1929年の世界恐慌をはるかに上回る恐慌となる。その時、負債を抱えた政府や通貨を増刷し過ぎた中央銀行が打つ手は限られる。米国のFRBが今、金融引き締めに拘る理由もそこにある。円は暴落し、輸入物価が高騰し、生活必需品の不足に見舞われるだろう。経済の回復には10年を要するかも知れない。
秋明菊