釜石の日々

岩手県釜石市に移り住んで16年8ヶ月が過ぎ、三陸沿岸部の自然の豊かさに感動する毎日。

エボラ出血熱

2014-08-07 19:20:56 | 社会
今日の釜石は朝は25度であったが、昼には35度まで上がり、内陸より5度も高くなった。風にもさすがに熱気があり、昼休みに少し歩いただけで汗が出て来た。職場の裏山では日中ミンミンゼミがしきりに鳴き、ヒグラシと違って、余計に暑さを感じさせられた。この気温のためなのか今日はウグイスの声は聞こえて来なかった。夕方近くになり、夏の勢いのある雨が降り出し、一気に気温を下げてくれ、雷も鳴ったが、涼しい風が吹くようになった。そんな中でセミもヒグラシに代わったようだ。 世界保健機関(WHO)は昨日、西アフリカで感染が拡大しているエボラ出血熱による死者数が932人に達したと発表した。専門家による緊急委員会の会合をスイスのジュネーブで開き、緊急事態宣言の必要性や、試験段階にある治療薬の利用などについて検討を始めている。ロイター通信によれば緊急医療援助団体「国境なき医師団(MSF)」のウォルター・ロレンツィWalter Lorenzi氏は「今回の流行は過去に例がなく、制御不能だ」と述べている。過去のエボラ出血熱の大量感染はコンゴ民主共和国やガボン、南スーダンなどアフリカ中部が中心で、今年2月から始まった感染ではアフリカ中部のナイジェリアで1名の死亡が出ている他はすべてリベリア、シエラレオネ、ギニアの西アフリカの3カ国であり、住民には、この病気の知識が十分に行き届いていない。患者が防護服姿の医療関係者に連れて行かれ死亡する事例が相次いだため、隔離が死につながるという誤った恐怖感が膨らみ、家族らが患者を隠すケースが目立つと言う。また、過去の大量感染では農村部が中心であったが、今回は各国の首都にまで広がり、混乱が増幅されており、感染拡大で人手が足りないために遺体の収容が遅れて、リベリアの首都モンロビアやシエラレオネの首都フリータウンなどでは、路上で倒れて死亡したまま放置されている遺体までがあると言う。15以上の出血熱と呼ばれる病気があるが、中でもエボラ出血熱、マールブルグ熱、ラッサ熱、クリミア・コンゴ出血熱の4つのウイルス性出血熱は特に重篤な症状を来たすため4大出血熱と呼ばれ、エボラ出血熱のウイルスはその中でも最強のウイルスであり、致死率は50~90%と言われ、現在治療法も確立されていない。このため米国では国防上の問題として今月5日、国防総省内に専門チームを設置したことを明らかにされている。実際、エボラ出血熱に感染した米国人2人がリベリアで感染して米国に帰国している。米国人医師のKent Brantly氏と宣教師のNancy Writebolさんの二人で、いずれも米国ノースカロライナ州のキリスト教系救援団体Samaritan's Purseからリベリアに派遣されて感染し、急遽米国から、バイオテクノロジー企業のMapp Biopharmaceuticalが開発した実験薬ZMappが、先月31日の朝にリベリアに届けられ、投与されてからは順調に回復して来たため、帰国となった。同企業はスタッフ9人規模の小さな製薬会社であるが、米国国立衛生研究所(NIH)と国防脅威削減局(DTRA)の支援を受けて2012年からエボラ出血熱治療薬ZMappの開発を行なって来た。タバコとネズミから抽出したエボラ抗体を混合して作った一種の「抗体カクテル」で、人体を対象とした臨床試験がまだ行われておらず安全性が検証されていなかったが、本人の同意を得て、投与された。エボラ出血熱による犠牲者数は年間で何十万と言う人が亡くなるマラリアやコレラに比べてずっと少ないが、確立された治療薬がないため、感染すると致死率が極めて高いことで脅威となっている。原因宿主はコウモリであることが知られ、ゴリラやチンパンジーなどの類人猿に感染し、それらを食べる習慣を持った中部アフリカの農村部で発見され、1976年にウイルスも初めて確認されている。チンパンジーはこのエボラ出血熱や密猟のために激減しており、絶滅が危惧されるまでになっている。
職場の近所の八重の木槿(むくげ)