釜石の日々

岩手県釜石市に移り住んで16年8ヶ月が過ぎ、三陸沿岸部の自然の豊かさに感動する毎日。

ふと温泉のことを考えた

2009-04-27 07:05:29 | 文化
日本三古泉というのがある。道後温泉・有馬温泉・白浜温泉の三つの温泉を言うらしい。いずれも西日本にあって最古泉を争っているそうだが文献的には道後温泉の伊予国風土記逸文にみる景行天皇行幸(71~130) が最も古いということになるようだ。ただ伊予国風土記逸文も江戸時代の成立だし景行天皇行幸というのも疑問がある。各地の風土記に景行天皇はよく出て来る人物ではたしてそのまま受け取ってよいものか史実的に疑問が多い人物なのだ。ただ有馬温泉や白浜温泉は近畿であるところからもどちらかというとやはり道後温泉の方が古いのではないかと思われる。温泉は北は北海道から南は九州、沖縄まで火山列島日本のどこにでもある。岩手県にもたくさんの温泉があるが残念ながら釜石はじめ沿岸部には本格的な温泉がない。地図上では釜石にも温泉があることになっているが実際は廃業してしまっている。お湯は出るようだからもったいない気もするが。家人は非常に温泉が好きだが自分ではあまり好きな方ではない。ただ温泉も立派な建物ではなくごく自然に近い環境にある温泉は好きである。群馬県の宝川温泉の汪泉閣の川を目の前にした大きな露天風呂や北海道知床の幾つかの自然のままの露天風呂などはのんびりと温泉に浸っていられる。昨年の春先に花巻の街外れにある新湯本温泉の美翠館へ行き、人がほとんどいなくて小さめだが露天風呂を一人で味わえたのは久しぶりに気分がよかった。春の暖かい日射しに春の空気を感じながらのんびりと時間を気にせずちょうど良い湯温にのぼせることもなくたっぷりと温泉気分を味わえた。花もそうだが温泉も人が大勢いればのんびりもしていられない。ただ道後温泉は湯上がりに窓を開け放した大広間でのんびりと足を伸ばしてお茶等を飲んでいられるので人が多くても気持ちがよかった。


庭に咲いたシラネアオイ