なだれ込み研究所の一日

物語作家を目指すもの書きが、ふとしたことから変な事務所で働くことに!
日々なだれ込んでくる人や仕事、モノやコト観察記。

寡黙なカヤッキング

2006-05-28 21:18:37 | スローライフ
カヤッキング初体験。気田川4㎞の川下りを、なんとかおぼれずに無事すませることができた。そう、正直に告白すれば「無事すませることができた」というホッとした心境である。

なぜか朝から緊張感で寡黙になり、顔色が悪いと指摘され、川下りの説明を聞いていたときには真剣に逃げ出そうと思った。でも、誰一人として逃げ出そうとしないし、ここで逃げたら「へなちょこ野郎」に成り下がってしまう、でも命は大事、まだひと花もふた花も咲かせたい……、心の中はけっこう葛藤があったのである。

いざ川へ。
川に入ったとたん、まわりの音が消えた。聞こえるのは波の音だけである。パドルを動かし、ときには流れに身をまかせ、激流(私にとっては激流だった!)に翻弄されながらも、なんとか講師の上野さんのあとに着いていった。
途中、一番先頭になってしまったときには怖かった。
「一番前って気持ちいいじゃん」
S藤さんに言われたが、私は前に誰も見えないのは心細いし不安なのである。それは川でも道でも生き方でも。
そう考えると、日頃「孤独が好き」とかエラソーなことを言っているのは、孤独でないベースがあってのことなのだと痛感する。結局のところ、「やわ」なのである。……といっても、川下りをしているとき、そんな悠長なことを考える余裕はない。まわりの風景を楽しむ余裕もなかった。
それにしても川は不思議だ。思いがけないところで流れを作る。先が読めないから、どこへ行くかわからないから、怖いと思うのかもしれない。

でも、ゴールが見えてくると、もう終わってしまうのが惜しいようなもっと遊んでいたいような気持ちになった。流れに自ら乗り出すことにもチャレンジした。岸近くの止まっているところでは、大きく深呼吸もできた。まあ、結局のところ、楽しかったというわけだ。

川の上では寡黙だった私も、陸に上がり、いざパソコンに前に座れば饒舌になる。
子どもの頃、後先考えず、一日中遊び回ってヘトヘトになった、そんな心地よい疲労感がある。

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4 コメント

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討ち貫かれました (八)
2006-05-30 11:22:45
寡黙なカヤッキングの隣で、楽しくて口が閉じなかった私です。

宣伝文句の"自然に遊ばせてもらうクワイエットスポーツ"ってモノの楽しさにハートを討ち貫かれました。

もともと水遊びが好きな私は、(恥ずかしながら)20年程は、水上スキーやジェットスキーで水面と闘うように遊んできましたが、カヤッキングは流れに逆らわず身を任せて…はまるでイルカのサーフィンみたいでした。
イルカというより (管理人)
2006-05-30 22:17:06
八さん、ようこそなだれ込み研究所へ。ちゃんとブログ、見ていてくれたのですね。(感心、感心)

さて、自然に遊ばせてもらうクワイエットスポーツを、饒舌に楽しみ尽くしたその姿勢にまず脱帽。目の前で「沈」したときには、私の方があわてふためきました。その姿は、イルカというよりラッコちゃんみたいでしたよ。

島ぞうりと宇宙 (タパさん)
2006-05-31 10:12:24
テン・テン・天気が良くてカヌー日和でした。

川が流れる大きな庭でたくさんの子供たちが、一所懸命遊んでいました。・・・なんか園長先生気分でした。

おひげを生やした年長組、女の子を川へ押し倒すいじめっ子、自分から水に飛び込みげらげら笑う○●さんたち

でも川から上がると別人に変身・・・みんな大人に戻っちゃった。

アレ?なぜ自分だけ大人に戻れないんだ???

島ぞうりを履いてロケットに乗って宙(そら)へ旅立つ夢を見ました。ついた星では、みんな色とりどりのぞうりを頭にかぶっていました。やっぱ・あったんだ・・・島ぞうり虫★・・!

手に負えない大人たち (管理人)
2006-06-01 23:21:46
タパさん、ようこそなだれ込み研究所へ。カヤッキングには、大人を子どもに変えてしまう魔法があるようです。心が妙に浮き立ち、水に飛び込んでげらげら笑ったり、スキップしたりしたくなります。

……でも、このやんちゃな大人たち、ほんとの子どもよりも始末が悪い。今思えば、私もかなりはしゃいでいて、「始末の悪い大人たち」の一人??

でも、楽しかった~!