モモンガの全身骨格標本を作製しました。
剥製と比べると滑空時の骨格の状態がよく分かります。
モモンガはニホンリスやムササビと同じリス科に属しています。
この科は前足の指が4本しかないという特徴があり(親指が退化してない)、骨格をみるとそのことがよく分かります。
モモンガの前足手首近く(手根骨)からは、針状突起と呼ばれる長い軟骨が伸びています。
この構造は滑空時のみ外側に広がり、マントのような皮膜の表面積を大きくするのに役立っています。
もちろんムササビにもある構造です。
紙飛行機を想像してほしいのですが、翼が横に広いものと翼が短く縦長のものとでは、全く飛び方が違っています。
横に広いものはふんわりと飛び、縦長のものは鋭く飛びます。
よく分からない人は今すぐ作ってみてください。
どうやらモモンガもムササビもうまく滑空するためには、どうしても体全体を横長に近づけたかったようです。
そのため、なるべく皮膜を横に広げるよう進化してきたのでしょう。(Y)
写真左:モモンガの剥製と骨格標本
写真右:右前足の骨格