面河山岳博物館へようこそ!

石鎚山系と久万高原の自然、博物館の活動などを紹介するブログ

面河渓谷から石鎚へ

2008-09-26 11:25:30 | 自然

9月23日、早朝から面河ルート(面河道)で石鎚山に登ってきました。
面河渓谷の奥にある登山口は標高700m。山頂との標高差はなんと1,300m!うへ~。
登り始めはどうなることやら、と思っていましたが、のんびり歩けばなんとかなるもの。
結局、土小屋まで7時間ほどかかりましたが、モミ・ツガ林からブナ林、そしてシラベ林へと変わっていく植生や秋の草花を観察しながらの楽しい行程でした。

このルート、見所はたくさんありますが、何といっても素晴らしいのが愛大小屋を抜けてから眼前に広がるシラベ林です。

シラベ林は中部山岳地帯に分布の中心をもつ亜高山帯の森で、四国では石鎚山と剣山の上部にしか見られません。
2万年ほど前の最終氷河期には中四国の山地に広く分布していましたが、その後の温暖化により、寒冷な高所にだけ取り残されたのです。
そのため「氷河期の依存植物」ともいわれています。
広大なササ原の急斜面にしがみつくように生えるシラベの木。冬には一面が雪に覆われ、埋もれてしまうのでしょう。
巨木になったり美しい花が咲いたりという派手さはありませんが、かれらには独特の美しさを感じずにはいられません。

Sirabe