人形と動物の文学論

人形表象による内面表現を切り口に、新しい文学論の構築を目指す。研究と日常、わんことの生活、そしてブックレビュー。

小旅行

2015-09-23 11:48:55 | 日記
9月18日(金)の夜から3泊で、ちょっとした旅行に行ってきました。東京都内。
目的は主に次の3つ。
①9月18日(金)19時~ 於:東京堂書店本店
白水社創立百周年記念・ユルスナール三部作〈世界の迷路〉完結記念
訳者対談:小倉孝誠さん×堀江敏幸さん
②9月19日(土)13時30分~ 於:お茶の水女子大
物語研究会2015年9月例会
③9月20日(日)19時~ 於:parabolica-bis
吉田良&中川多理/対談 物語の中の少女『O嬢の物語』と『死の泉』

ツイッター上で仲の良い何人かの友だちにも会ってきましたし、ちょっと実家暮らしがしんどくなってましたので、色々と…。
ふだん学会に行くときなども、ほんとにぎりぎりのスケジュールで行って帰ってくるしかできないので、久々に遊んできた、という感じ。疲れたけど楽しかったです。

1日目:

昼頃に家を出ました。1時前の電車に乗るつもりが、地図などをプリントアウトするのに意外と手間取り間に合わず。
1本遅らせて2時前の電車に乗ることにしました。で、家の近くにタクシー乗り場があるのですが、たまたま停まっていなかったので、駅まで歩くことにしたら…見事に靴擦れを作ってしまいました(泣)。駅のコンビニで絆創膏を買って応急処置。
新幹線を下りた途端東京駅がすごい人で、大手町まで歩いて地下鉄に乗ったのですが、ふだんの倍以上時間がかかった気がします。
で、10~15分前には東京堂に着く予定だったのですが、もうほんとうに19時のぎりぎりに到着。
本も少し見たかったし、可愛い文房具をたくさん置いてあったので、あれも時間があれば見たかったなあ…

ユルスナールの〈世界の迷路〉三部作は、ほんとにずっと待っていて、漸く翻訳が完結したというのですごく楽しみにしていました。三作目をごくごく最近読み終えたばかり。これについてはまたいずれ、きちんとしたレヴューを書くつもりですが、とりあえずは対談の感想。
面白かったですね、小倉さんの話が上手くてびっくりしました。びっくり、というのも変ですが。
フリートーク的なとりとめのない感じで進んでいくのですが、それでも全然退屈しないんですよね。私研究者なものだから、内容をがっちり固めて、話の上手な人はたくさん知っていますが、こういうとりとめのない感じの話を面白くできる、というのはまた別の技術?才能が必要だなあ…と。
翻訳した人でないと分からないこと、1作目、2作目と明らかに3作目の文体が違う、など、を聞けたのもよかったです。
確かに3作目は読んでいて早く先が読みたい、という気分になったのですが、ユルスナールってそういう作家じゃないんですよね。たいていは読み進めるのが惜しい感じがするような。
で、翻訳者の堀江さんは、訳していてユルスナールが高齢で健康上の大きな問題を抱えていて、「時間が足りない」というのをものすごく感じて、息苦しくなって気分が悪くなって体調を崩されたんだそうです。
私が「先が読みたい」と感じたのは、そういう、ユルスナールの「時間が足りない」「早く書きたい」という文体だったのだなあ…と。

対談は21時前に終わり、その後某氏と会食。ワイン飲みました。

この日は今年買った白のチュールスカートを初めてはきました。全身だとこんな感じ↓。ちょっと高めの位置から撮っているので、顔が大きく、脚が短そうに写ってますが、そんなことはないです。


2日目:
9時前に起床し、水を全然買ってないことに気づいたので、とりあえずお水とブランチを手に入れるためにホテル近くのコンビニへ。おむすびを二つと、冷え性知らずさんのショウガスープを購入。ついでに絆創膏も買い足して、補強のためにサージカルテープも買いました。さあ、これでたくさん歩けるぞ。
物語研究会は13時半からなので、のんびり準備して出発します。
ちょっと時間があったので、資生堂パーラーでデザート食べていきました。私の胃腸は消化力が強くないので少し悩んだのですが、わざわざ資生堂パーラー来てアイスっていうのもなあ…と思い、かと言ってパフェなんて絶対食べきれないのでと、選んだ壺ポットのチーズケーキが結構大物で。一人で行くもんじゃないですね。
物語研究会は実ははじめてで、入会もしていなかったのだけれど、それを言うとなんだかみんなに驚かれてしまった…。とっくのむかしに会員だと思っていたんだそうです…あれ?
まあ確かにはじめての割りにふつうにたくさん発言してしまったのだけれど…(←初々しさがないよな、もう)。
この日の発表は、『源氏物語』におけるあるセンテンスが、和歌なのかどうか、というものと、『源氏物語』の薫と浮舟の語りにおける「規範化」に関するもの。物語研究会の例会は1年間のテーマを決めてそのテーマに関する発表を1本と、テーマ関係ない自由発表の2本行うスタイルのようですが、1本目は自由発表、2本目はテーマ発表です。
発表終了後、次年度のテーマに関する話し合い。
懇親会に出て、その後また某氏と某氏と会食。巡礼道で山に迷い込み遭難した話を、詳しく聞きました。
この日は白っぽいワンピ+茶色のカーデだったのですが、この日の写真だけないです。
この日着てたワンピは、前に着てたときに写真撮ってもらったことがあるので、まあいいや。

3日目:

この日はお目当ての対談が19時~だったので、その前に展示を見るにしても、かなりのんびりできます。2日連続で遅くまで人と飲んでいたので、かなり疲れていましたが…。
昼頃ホテルを出て、ワッフルのお店でブランチ。

その後、こちら↓の展示も見に行きました。

井桁裕子さんの人形展。ずっと気になっていた人形作家さんです。
こじんまりしたギャラリーで、毎日作家さんご本人が訪れているらしく、お客さんもお知り合いのような方がほとんど、な感じでした。
メインの展示が二分脊椎症・先天性畸形・側湾症のコンテンポラリーダンサーである森田かずよさんという方をモデルにした大きな人形(本人よりは頭一つ分くらい小さいサイズなんだそうです)。その人形の周りに、50センチくらいなのかな?の小さめの人形、体の形を知るために作った半身像やトルソーなど。それに焼き物の作品(流れのある形を作って、そこに小さな顔のついている焼き物の作品)がいくつか。
大きな人形、とは言いましたが、あくまでも人形としては大きな、というくらいのサイズで、何メートルもあるような巨大な作品とかそういうサイズではありません。ものすごく大きなものを作れば、挑発的な意味や批評性が出てくると思うが、そういう風にはしたくなかった、森田さんという方はほんとに小柄で華奢で、でも筋肉はついていてすごく鋭くて…というようなことを井桁さんが仰っていたのですが、モデルの方の身体に対する愛情をすごく感じました。

19時からのparabolica-bis(『夜想』の展示室)での対談は、「物語の中の少女Ⅱ」という展示に関わるイヴェント。
吉田良×中川多理対談で、司会:今野裕一、だったのですが、いきなり今野さんが(司会)「ノープランです」と宣言したものだから、なんだか吉田さんが仕切っている感じに…。でも何となくお話はまとまりました。
「物語の中の少女」というのは、小説や物語に題材をとったお人形や絵、コラージュの展示です。
物語や小説を題材にして人形を作るということ、解釈、それからメディアの違い。むかし澁澤龍彦等流行っていた頃に作るのと、今作るとまた別のものになる。今は展示や特集など仕掛けようとしても何か嫌ぁな感じで全然広がっていかないからどうしたらいいか、などなど。吉田良氏がむかし作った布の人形(『ロリータ』をイメージしたものと、『O嬢の物語』をイメージしたもの)を持ってきていただいていて、今の球体関節人形とは違う雰囲気でしたが、細工が細かくて、眼福でした。

対談が終わったのが21時過ぎていましたので、実はこの日は泊まらずに夜行バスで帰ろうかとも思っていたのですが、夜行バスだとアウトでしたね。1泊増やしてよかったです。

21日の9時ごろ起き、10時ごろにホテルをチェックアウトして、実家に戻ったのが14時半くらい。
のすけちゃんが大歓迎してくれましたが、なんだか私の不在が長かったせいか、いじけているというか、待ちくたびれているというか、ちょっとしょんぼりした雰囲気も。私の不在中も、わんこがいろいろやらかしていたようです。

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