時空を超えて Beyond Time and Space

人生の断片から Fragmentary Notes in My Life 
   桑原靖夫のブログ

オックスフォードの夏(2)

2005年09月05日 | 雑記帳の欄外
    地球温暖化の実態は、我々が予想しているよりはるかに深刻なのかもしれません。ハリケーンの災害に遭われたニューオリンズの方々には、心から同情します。そして、イギリスの夏がこれほど暑いとは。 

  過去にも1年以上居住したこともあり、アメリカと並んでなじみのある国なのですが、この暑さは初めての経験です。日中日射しの強いところに出ると、湿度は低いがじりじりと焼けるような暑さです。それでも、オックスフォードのシテイ・センターのあたりは、観光客を含めて渋谷・新宿並みの雑踏といってよいほど、混雑をきわめています。  

  コレッジを見物する観光客も数多いのですが、昔と違って見学料をとったり、ガイドのある団体ツアーだけしか見物を認めないという有名コレッジも増えてきました。見学自体を認めないコレッジもあります。確かに、静かな研究・勉学の場をぶしつけな見知らぬ観光客によって妨げられるのは、当事者の学生や大学側にとっては迷惑なことでしょう。それでも、一人4ポンドもとるコレッジもあり、見学料収入がかなり財源に寄与しているところもあるようです。そして、あの「ハリーポッター」ブームの影響もありありです。  

  現在、滞在している北部のサマータウンのあたりは、この暑さもあって軽井沢や蓼科さながら、避暑地のような趣を呈しています。整った住宅地にスーパーマーケット、いくつかの有名ブランド店なども含めて、日常生活に必要な物はほとんどすべて、シティセンターまで足を運ばなくとも入手できます。センターまで徒歩ではきついのですが、バスも数分おきに来るので苦になりません。  

  この地域に居住している人々は、やはり全体に高所得者、そして高齢者が目立ちます。美しい住宅の間には、高齢者用の介護ホームなどもあります。時々出かけるマークス・アンド・スペンサーの店の一角などには、ティーコーナーがあり、高齢な人たちがティー・カップを前に知人と話しながら、何時間?も過ごしている光景も見られます。  

  サマータウンは、道路沿いの並木も美しく、全体に緑も多く、気温もシティセンターのあたりと比較するとかなり穏やかな感じがします。  日中の酷暑も6時頃から急速に和らぎ、風のある日は時に寒く感じるほどです。9月5-6日は、この地域の大きな催し事であるSt. Giles’ Fairがあり、2万人といわれる観光客でごった返しました。教会のある中心部は、昼頃から縁日のように数え切れないほど多数の露店が出店し、観覧車や木馬など、いつ設置したのかと思われほど多数の遊戯施設がほとんど一夜にして出現しました。その規模は豊島園クラスか、それを上回る驚くべきものです。子供ばかりか大人も楽しそうに集まってきています。観光客だけでも2万人といわれています。文字通り、カーニヴァルのような状況になりました。オックスフォードの夏もそろそろ終わり、秋が駆け足でやってきています。
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