いろはにほへと

ぼちぼち、休みながらも続けていければいいな。

春はあけぼの

2021-03-23 06:15:00 | 日記
春はあけぼの。
夏は夜。
秋は夕暮れ。
冬はつとめて。

覚えたよね。昔昔。

あの頃は単純に、清少納言はこんな感じが好きだったんだって思ってたけれど、これって、全部、朝方とか夕暮れから夜だよね。

今思うと平安貴族の女性は、ただただ、夕暮れから朝にかけて情緒的に生きていたんだとも思える。

昼日中、気持ちのいい青空の下で白い雲を見上げることは少なかったんじゃないだろうか。

春。厳しい寒さが和らいできた頃。
通ってくる男を見送りに、羽織もの一枚で外が見えるところまで行ける季節になった。長い寒い冬が終わり、久しぶりに見る明け方の空。
男と離れ難き時を過ごしているうちに、共にその美しさに佇む時もあるだろう。2人で見る明け方の空は格別だろう。

あるいは、男が去った後、愛おしさの余韻覚めやらぬまま、1人、夜が明けつつある静謐の時を眺めている。そんな時も幸せに満たされた時間ではないか。

そう思ってみると、

春はあけぼの。ようよう白くなりぬる山ぎは、少し明かりて、紫だちたる雲の白くたなびきたる。

って、確かに、いいよなぁーって思う😁

トイレに起きるのもめんどくさい。寒い寒いと布団に潜る生活では「春あけぼの」なんて言ってらんない😅

「春眠暁を覚えず」の方がしっくりくる。寒さも和らいで、ようやく、ぐっすり眠れるようになった。このまどろみを楽しみたいよーってとこかな(笑)

昔の日本家屋は、夏仕様にできているから冬は寒そうだものね。春が来て布団から出るのが楽になるのが、どんなに嬉しかったろう。

それなら、男なんて来なくても、春の暖かさにつられて、トイレに起きた時に、そのまま、しらじらと明けていく空と山を眺めていたのだろうか?自分1人で見つけた宝物みたいに、感動していたのかも…。

神戸の北区に住んでいた頃、夜の暗さと山のシルエット⛰は、確かに美しかった。

大阪北摂に越して来た時、末娘が、「どうして、こっちは、夜なのにいつまでも暗くならないの?」と聞いてきた。

元々、こっち生まれでこっちで育った私は、「暗くなってるやん」と思ったけれど、考えてみると、確かに、裏六甲の夜は、漆黒だった。その中に僅かに人が生きる場所を分けてもらっているような、そんな感じだった。あの頃は…。

清少納言もあんな感じの夜明けを見たんだろうな。

誕生日の早朝の徒然。

今日で還暦。人生一巡り。
私は、また、自由になった(笑)



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