今回は南青山にある「根津美術館」のご紹介。
3年半に及ぶ改築を経て今年2009年10月7日に新装開館した根津美術館に行ってきました♪
新装開館した根津美術館の設計を手掛けたのは建築家・隈研吾氏。美術館でいうとサントリー美術館の設計も手掛けられた方です。
根津美術館は表参道という都会の喧騒を忘れさせてくれるような、しっとりとした日本家屋を思わせるような佇まい。
特に効果的なのは、正面ゲートから建物入口に入るまでに続く竹林を思わせる廊下です。そこを抜ける間に都会の騒がしいビル郡から自然の静かな空間へ心を移すことができます。
←昼と夜
日本庭園が備え付けられており、そこに広がる自然と建物の調和もとても美しいです。
根津美術館とは、東武鉄道をはじめ、関東で多くの鉄道を経営したことから“鉄道王”と呼ばれ、東京電力や日清製粉などの経営にもかかわった根津財閥の創始者・初代根津嘉一郎氏により、
この度新装開館されたことで展示面積は改装前の約1.6倍に広がり、各展示室では企画展示を筆頭に、書画、彫刻、青銅器、工芸、茶道具等、根津氏の収集による多岐ジャンルに渡る東洋古美術品が、約8万個のLEDライトを駆使して美しく展示されています。
さて、美術館では、現在、企画展「根津青山の茶の湯」が催されています。
青山(せいざん)と号した根津嘉一郎氏。大正7年秋に茶の湯の世界へのデビューして以来、昭和14年の歳暮茶会まで様々な茶席を持ち、その中でも特に歳暮茶会を好んだことより実業家茶人の間では「歳暮茶博士」と称されていたそうです。
青山こと根津嘉一郎氏の収集品を通じて、お茶への心を感じることができます。
企画展のほかに常設展も設置されています。
その中でわたしは「古代中国の青銅器」の展示に興味を持ちました。
そこには、この美術館の観覧券にも印刷されている「双羊尊」というものや、 饕餮(とうてつ)文が記された青銅器が並んでいます。
←観覧券 ←画像:根津美術館HPより
「双羊尊」とは、2匹の羊が合体し口の開いた器、盛酒器をを背に乗せているものです。その合体したところにも饕餮のような文が見受けられます。
饕餮とは、器の中央に、或いは器の角に奇妙な顔のようなものが綺麗な線対称を為して彫られている、左右対称の奇妙な顔の模様です。
饕餮は中国神話の怪物、体は牛か羊で、曲がった角、虎の牙、人の爪、人の顔などを持つといわれています。饕餮の「饕」は財産を貪る、「餮」は食物を貪るの意があります。何でも食べる猛獣、というイメージから転じて、魔を喰らう、という考えが生まれ、後代には魔除けの意味を持つようになり、殷・周代に青銅器の装飾として用いられました。
その模様は、注意してみていないとただの渦巻きにしか見えないのですが、じ~っと見てみると、確かにたくさんの顔が浮き上がってきます!!!すごいっ☆
非常に興味深い作品です。
根津美術館は建物を楽しめ、景色を楽しめ、展示品を楽しめる、3倍以上に楽しめる魅力的な美術館です。
ぜひみなさまを足を運ばれてみてください☆
tomo
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