GAIA所員のひとり言

建築設計事務所の一所員の、建築はもちろん、社会の様々なことについてのひとり言。

着物を右前に着る理由☆

2009-12-03 19:14:58 | Weblog
最近「着付け」を習いはじめました^^
日本に生まれたからにはせっかくなら着物を自分で着れるようになりたいなと思っています♪

さて、着物といえば、洋服との大きな違いに合わせの方向が違うことにあると思います。
洋服ですと、男性は左前、女性は右前になっていますよね。
しかし、着物の場合は男女共に右前
になっています!

※右前とは左身頃を上にして着付けること

 

では、なぜ、着物は右前に着られるようになったのでしょう?


これは、719年(養老3年)から始まったと考えられています。

719年『続日本紀』元正天皇2月3日の条に
『初メテ天下ノ百姓ヲシテ襟ヲ右ニ令ム』
との詔勅がみられ、これ以後日本では着物を右前に着るようになったようです。

それまでは、左前の習慣もありました。
奈良県にある高松塚古墳の壁画にある女子群像を見てみてください。
  ←画像:「高松古墳」wikipediaより
高松塚古墳が藤原京期(694年~710年)に築造された終末期古墳です。
つまり、719年以前の記録となるわけですが、こちらの女性の着物は左前になっていますよね。

では、「右前にせよ!」という詔勅がなぜ発布されたのでしょうか。

いくつか諸説がありますが、その1つが中国の習慣を倣ったものということです。
その当時の中国の古代王朝では、野蛮としていた中国東北部や辺境の地に住む遊牧民たちが左前で着ていたことに一線を画するために「右前」を用いており、それを倣ったとされます。

また、日本は刀社会であったからという説もあります。
日本人の多くが右利きであることから、戦において左腰に差した刀を一瞬にして、着物に引っかからないように抜くために考えられたのが、右前に着るとい考えであったということです。確かに刀の柄が着物に引っかからないようにするには右前にする方が賢いですよね☆

日本人の多くが右利きであることから、右前であれば右手を使い、懐に入れた小物などをすぐに出し入れできる点でも非常に合理的といえます。
 
 

右前、右前と強調してきましたが、現代は刀を使うわけではないのだから別にかまわないじゃない!と思う方もいらっしゃるかもしれません。
しかし、生きているうちは左前に着てはいけません。
というのは、死者を葬る際に行う「逆さごと」の慣習により生きている時の「右前」を逆さにするために、死者には「左前」に着付けるという約束事のようなものがあります。
そのことから、これを生前に行うことは非常に縁起が悪いとされているのです。
ですから、右前・左前には十分お気をつけください!!!
 
 
着付けをしながら着物を通して日本の文化について学ぶことがたくさんあります。
楽しい豆知識がたくさんあるのでまたご紹介しますね。
 
着物が自分で着れるようになれば、着物がもっと身近なものになると思います。
周りでも着れる友達が増えてきているので、みんなで着物着てお出かけできるようにがんばりたいです☆☆
tomo
 
 

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