シロ猫ピッピの「おいら物語」

生死をさまようガン闘病中に人間の言葉がわかるようになったシロ猫ピッピの物語。ニュージーランドからお送りしています!

Vol.0216■ホリデー猫

2007-01-09 | 近所の猫
こうしてみると、ストリートファイターなんて呼ばれてたころがずっと前みたいに思えるな。
丸くなったって?どういう意味だ?寝るときゃ、いつも丸いぜ。
あのころの話はこっちで。
==============================

連れ合いと子どもがキャンプで遠くまで寝に行ってるころ、うちには四つ足がいっぱいいた。
おいらとアニキだけじゃない、あと2匹。
アイツらがシィンとタビって呼んでるヤツらだ。

シィンは隣の家の四つ足で、おいらたちが引っ越して来るまではここを自分ちだと思ってたらしい、とんでもない子ネコだ。
最初は自分ちに帰って来るみたいに、フツーに家に入ってきて、何度もアニキやおいらとやり合った。
特にアニキはすっごく怒ってたぜ。

(こいつがシィン。今、2歳なんだと。若いんだ。
ホントに毎日来るぜ→)

それでもアイツが水をあげたりするもんだから、よくサンデッキに上がって来る。
魚を喰ったことがないみたいで、おいらたちのご飯は喰わない。
ヘンなヤツだ。おいらたちが喰わない肉ばっか喰ってんだろう。

もう1匹はクロ猫だけど、足の先だけ白い、タビだ。
タビは二本足が足につけてる靴下とかいうのの仲間らしい。おいらにはどれが靴下でどれがタビだかわかりゃしないけど。とにかく、白いとこがタビに見えるからタビなんだと。

(←すっごくデカいタビ。
「ピッピの1.5倍はありそうだから体重10キロ近くあるわね」

ってアイツが言ってた。どうりでよく喰うわけだ、よその四つ足のものを!)

もともとシィンは毎日、タビもときどき庭に来てた。
でも、ここんとこヤツらはずっと庭にいた。ゴロゴロ昼寝までしてやがる。おいらが通っても起きなかったりね。おいおい、ちったぁ、緊張しろって。そういうおいらもトイレに行ってすぐに帰ってきたりするんだけど。昼間の庭はけっこう暑いから、家のソファーの方が涼しくていいんだ。

なんでヤツらが庭にいるかっていうと、アイツがいるからだ。
アイツが濡らした服を乾かしに行ったり、ゴミを捨てに行ったりすると、サーっと出てくる。
ニャ~~~(シィン)
ニャーーー(タビ)
2匹でアイツを挟んで前と後、横と横でいっしょに鳴いたりする。

アイツは喜んじゃって、
「あらぁ、シィンくん、タビちゃ~ん」
とか言って、ナデナデしてる。おいおい、そんなヤツらにするヒマあんならおいらにしてくれよ!
水をあげたり、カリカリをあげたりもする。大喰いのタビなんか、なんだって、いっくらだって喰うぜ!あーあ、そんなことするからヤツらはますます帰らない。メーワクな話だよな~。

なんでアイツがいるといいのかっていうと、ヤツらの家の二本足がどっか行っていないからなんだ。
家に帰ればカリカリはあるけど、ナデナデしてくれるヤツがいないのさ。だからヒマなんだ。
特にシィンはいっつも水を飲みたがってた。
「ホリデー猫なのねぇ。さびしい?」
とアイツが言ってた。ホリデーネコ?二本足がどっか行ってる四つ足ってことなんだろう。
ふ~ん。

でも、かわいそうだなんて思わないぜ、四つ足だからね。
家に入ろうとすれば徹底的に追い出すさ。まっ、庭はちょっと大目に見るか。ちょっとだけだぜ。
(つづく)


最新の画像もっと見る