第3章「糖でもたらす毒を、空腹という薬でとり除く」の「❷肝硬変や肝臓がんを引き起こす脂肪肝という恐怖」を要約します。
① 肝臓は胃腸以上にダメージを受けている
糖質を摂り過ぎると、エネルギーとして使い切ることができず、余分な糖質はどんどん中性脂肪に変わっていく。さらに、運動不足や加齢による基礎代謝が低下でエネルギー消費量が減ったりすると、脂肪に変わる糖質はますます増え、必要以上の脂肪が肝臓にたまっていく。その結果、肝臓に異常な量(肝細胞の30%以上)の脂肪が蓄積され「脂肪肝」になる。
② 増え続ける、糖の摂り過ぎによる脂肪肝
現代では、日本人の4人に1人が脂肪肝と。かっては、アルコールが原因と思われていたが、近年は糖質や糖質の摂り過ぎによる脂肪肝になる人が増えている。脂肪肝になると、過剰に増えた脂肪が脂肪が肝細胞に蓄積し、細胞膜の浸透性が高くなったり、肝細胞が壊れたりするため、肝臓の細胞の中の酵素が血液中に流れ出てしまい、血中のGOT、GPTなどの数値が上昇する。また、脂肪肝には、肝炎を発症しやすいという特徴がある。
特に、脂肪肝が進行すると、NASH(=非アルコール性脂肪性肝炎)を引き起こす。これは、肝臓に炎症が起こり、線維化が進む病気である。線維化した肝臓は硬くなってさらに機能が低下し、肝硬変や肝臓がんになる恐れがある。さらに、脂肪肝の人は、インシュリンが効きにくくなりため、血糖値が下がりにくく、糖尿病の発症リスクが高くなる。