奈良県橿原市久米町に久米寺(くめでら)があります。
霊禅山久米寺は真言宗御室派の古刹で、正式には霊禅山東塔院久米寺と称します。久米仙人の伝説で知られています。推古天皇の勅願により、用明天皇の皇子・聖徳太子の弟である来目皇子(くめのおうじ)によって飛鳥時代の594年に建立されたといわれています。
創建のきっかけは、七歳の時に眼病を患った来目皇子が、この地で治癒祈願し全快した御礼だったとされ、本尊の薬師如来像にお願いすると眼病に霊験があるとされています。本堂には本尊薬師如来坐像を安置し、観音堂には久米仙人坐像が安置されています。
延暦年間(782-805)に久米寺を詣でた空海は塔の中で大日経を感得し、密教の妙機を知り、唐に渡って修行しました。帰国後、空海は真言宗を開いたので、この寺は真言宗発祥の地といわれています。多宝塔は国の重要文化財に指定されています。
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