戸建住宅の空き巣ねらいの侵入方法 第一位が「ガラス割り」。そこで、防犯対策に熱心なお客様は、窓まわりに対する防犯性能を求められます。
「ここは、外部からの侵入が気になるから網入りガラスにしておいて。」
そんな風におっしゃる方も少なくはありません。私もこれまでたくさんの方と接する中で何度も耳にしてきました。厄介なのはお客様だけではなく、住宅に携わる営業マンにもこの考え方をしている方がたくさん居るという点です。思い込みは本当に怖い。
「じゃあ、ここの窓は、網入りガラスにさせてもらいますね。これだと防犯性能も高まるし。」
(え~?!網入りガラスは防犯のためのものじゃないですよぉ~!!!)
お客様が相手の場合、その考え方が間違っているということは、説明すれば納得して頂けます。しかし、長年この業界で実績を積んだ営業マンともなるとこれがなかなか一筋縄ではいきません。
網入りガラスは、ガラスに金網(ワイヤー)を封入したガラスで、火災時のガラスの飛散防止を目的としたガラスです。
見た目は金網が入っていてガラスが厚い分、強度があるように思われがちですがガラスに異物が入っている分、同厚程度のフロート板ガラスよりも強度が劣ります。サイトによっては、『網入りガラスは、普通の板ガラスに比較して網材・線材が挿入されているため、心理的抵抗感を与える効果があります』という表現がありましたが、侵入する泥棒もプロなわけですから、私たちよりこれらの知識は高いはずです。
割れたガラスは前述のように飛散防止の特性があります。床に落ちにくく、音が少ないため、空き巣にとっては好都合だとも考えられます。
「でも、網が貼ってあるんだから、ガラスが割れたって侵入できないでしょ?」
そんな質問を受けたこともあります。でも、実物の網入りガラスを確認してみてください。どうでしょうか。とっても細いことに気づいて頂けると思います。この金網、見た目の通り簡単に切ることができます。
「じゃあ、強化ガラスは?それともペアガラス??」
どちらも間違いです。強化ガラスは、板ガラスを約700度まで加熱した後、ガラス表面に空気を吹きつけ、均一に急激に冷やす事により生成されるガラス板です。一般的なガラス(フロート板ガラス)に比べると3~5倍程度の強度がありますが、決して割れないというわけではありません。圧縮層を超えて割れが進行すると、内部には逆に引っ張りの力が存在するため、ガラス全体が瞬時に破砕します。車などに用いられていることは、みなさんも良くご存知でしょう。一般のガラスが割れた場合、ガラスは鋭利な刃先となり、人体を傷つける恐れがありますが、強化ガラスはガラス全面が粒状になるので安全です。しかし、この特徴が防犯面では問題となります。また、強化ガラスは現場での穴あき加工などができず、工場で必要な加工を完了する必要があるという特徴もあります。
ペアガラス(=複層ガラス)は、断熱対策に有効なガラスです。2枚の板ガラス間に乾燥した空気層を設けて断熱性能を向上させ、部屋の内外の温度差が原因となる結露などを減少させます。実はペアガラスとは旭ガラスが商標登録をした複層ガラスの商品名。TOTOのウォシュレット、SONYのウォークマンなどと同様に、商品名が広く有名になりました。
こちらももちろん、防犯性能は期待できません。
防犯対策をしたいなら・・・
「防犯合わせガラス」を選んでください。
防犯ガラスは、2枚の板ガラスの間に強靱な特殊樹脂膜をはさみ、加熱・圧縮したガラスです。はさみ込んである「特殊樹脂膜」による耐貫通性にすぐれ、防犯性能を発揮します。
私は以前に参加した展示会で、このガラスを割る様子を見たことがあります。男性が金槌を使って渾身の力で叩いてもヒビは入りますが、割れることはありません。
空き巣狙いの約7割が侵入に5分以上かかるとあきらめるというデータがあります。
少しでも、侵入までの時間をかせぐこと。これが、空き巣からご自宅を守る鍵です。網入りガラス、強化ガラス、ましてや複層ガラスではなく、防犯対策には「防犯合わせガラス」を選びましょう。
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