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インテリアコーディネーターのブログ。
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3月8日 ピカソの版画と陶芸展へ行く

2007-03-08 | 美術館・展覧会
なんだか無性に絵が見たくて、国立国際美術館へ行ってきました。
国立国際美術館といえば、その建物自体にもとても興味のあった場所。
一度、行ってみよう。と考えてはいたものの、「大阪」というとそれなりに頑張らないといけないわけで・・・。

ところが、ここのところ、プライベートな時間がなかなか持てない状態になると、ほんのスキマを利用してしまおう。という珍しく行動的な私が見え隠れ。

毎週日曜日の午前中に受講している講座の授業を終え、昼食を済ませた午後3時。重いテキストたちはさっさと駅のロッカーに詰め込み、目指すは美術館・・・。
勢いで電車に乗ってしまったものの、「JR福島駅から徒歩10分」という情報しかない状態。自他ともに認める方向音痴だけれど、こういう時、妙に強くなってしまいます。(日本語通じるから・・・なんとかなる♪)って。

福島に着いたら、迷うことなく駅員さんの元へ。そして道を尋ねました。
駅員さんは、地図を見せて、説明してくれますが、方向音痴の私にとって、地図が読めれば苦労はないわけで・・・。地図を見せられてもサッパリ意味不明だけれど、とにかく「真っ直ぐ行って、左の方向」という言葉だけをたよりに、左を見ながら真っ直ぐ歩いてみました。

たしか、特徴のある建物だから、左さえ見ていれば、何かしらぶつかるだろう。
そんな風に歩き始めると、遠くの方に何やら不思議なものが見えてきました。

「駅から徒歩10分」。不動産会社であるハチセに勤めて10年目になる私は、もちろんこの「10分」がアテにならないことくらい良く知っているハズなのですが、どうしても素直に信じてしまい、毎回(うそつき~!!!)と心の中で叫ばなくてはなりません。
暖かくて、気持ちの良い気候だから良かったものの、帰宅後は足のあちこちが水ぶくれになっていました。


  
さて、何はともあれ、辿り着いたのは、4時を少しまわったところでした。
受付で、「ピカソが見たいんですけど。」というと、「ピカソの版画と陶芸展(入館料420円)」に対し、全館見られる「大阪コレクションズ(入館料1,000円)」をすすめられました。
大阪コレクションズでは、版画ではないピカソの絵も展示されていたそうなのですが「たった1枚」だということもあり、「ピカソの版画と陶芸展」だけを鑑賞することに。

基本的に興味のない絵は素通りしてしまうので、見るのは早い方だと思うのですが、私の選択は大正解でした。5時の閉館まで約45分ありましたが、正直足りなかったくらいです。

あれ・・・(汗)

改めてパンフレットを見ながら、どの作品が良かったか。という話をしようかと考えていたのですが・・・。私、どうやら全館見てしまったようです。
どうりで、時間が足りなかったわけです。(笑)

最初の展示スペースでは、ピカソの絵がたった1枚しかありませんでした。
しかもそれは「ポスターのある風景」という油彩で、比較的正統派な作品。私の好きなタッチではありませんでした。

そこで目に留まったのが、デュシャンの「L.H.O.O.Q.」。

私が、この絵に出会うのは3度目です。
毎回、「え?!何で?!(モナリザが・・・)」と思い、近づいてみて、(な~んだ。髭付きかぁ。)ということになるわけですが、この時は少し違いました。
絵に近づくと、何やらメモを取っている人が一人・・・。
よほど気に入った絵以外、その解説を読むなんてことは一切ありませんが、ついついその人につられて読んでみました。とても興味深い内容だったので、ここに紹介します。

20世紀初頭におこった反芸術運動であるダダイズムの典型。
タイトルはデュシャンが終生テーマとしたエロティシズム問題と関連する猥雑な地口となっている。続けて発音すると英語の「LOOK」となり、作品への注視を呼びかける言葉となるが、文字を個別にフランス語で発音すると「彼女の尻は熱い」という意になる。


解説を読むと、この作品の時代背景がすごく良く見えてきて、どうしてこの様な作品が未だに展示されているのか。人を惹きつけるのか。がわかるような気がしました。

それから、私のチケットでは本来見ることができないはずの作品を見てしまったことに全く気付いていない私は、納得いくピカソに出会えず、悲しい思いを抱えたまま、エスカレーターを上りました。

すると・・・。目の前には、「Picasso」という文字。
ここで、やっと私の大好きなタッチのピカソに出会うことができました。(本来はここしか見れないんですけど 笑)

ヴァロリス

画像はありませんが、Ф42cmの銀製のお皿「大きな魚」という作品が、私は好きでした。この作品は初めて見たのですが、また違ったピカソを知ってしまったような、とても得した気分になりました。

そして、いつものように、ピカソのポストカード(今回、展示はなかったものばかりですが、私の好きなタッチのものたち)を購入して、外に出ました。(と、いうより閉館のため、追い出された・・・という感じでしたが。)
    
本当に、中身の濃い時間を過ごしました。それから、建物の周囲をうろうろして、再び、京都へ。今度はゆっくり来たいですね。