水沢司法書士・行政書士事務所

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遺言書の作成という仕事

2009年10月15日 | Weblog
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遺言書作成の仕事、というと語弊があります。

あくまでも我々は、遺言書の作成のお手伝いをすることです。
我々が文章を起案し本人の同意を得るものではなく、本人から何をどうしたいのかを一つ聞き出し文書化するという作業です。

この仕事は、手続的にはそう難しいものではありませんが、広い意味ではなかなか難しい仕事です。

「自分の死後のことを他人に話す」

遺言を残す本人にとっては、
自分が死んだ後のことを話さなければいけない、ということはかなりしんどい作業だと思います。

遺言書を作る気で事務所に来られたんだから、という前提で事務的に粛々と話を進めるとどうもうまくいきません。

かといって、「色々あるでしょうからゆっくり考えて、思いついたらまたきてください」等と本人の自主性に任せれば、そのまま連絡がなくなる、ということが多々あります。

現在のところ、遺言書の作成に関しては、こちらから本人の自宅に行って、自宅で話を聞くというのが一番良い手段のような気がしています。

高齢者の方が遺言をする場合、これも結構大変な作業です。
あちこち話が脱線します。かと言って、その中に重要なキーワードが隠されていることもありますから、ご家族が制止する中、時間をかけて熱心に脱線話を聞くことにもなります。

そして一番困るのが、本人の口から聞き文書化したものを読み聞かせると、初めて聞いたような素振りをされることです。
何度も読み聞かせているのに、いざ公証人から文書を読み上げられると、

え?

という。

そんな状況なら、そもそも遺言能力がないんじゃないかと思われるかもしれませんが、元々本人の口から出てきた内容を文書化したものですから、「初めて聞く内容じゃが、うむそのとおりぢゃ。なぜ知っている」、ということになります。

また、身近に親類がいない方の場合、公正証書遺言に必要な書類がなかなか揃いません。
たとえば、印鑑証明書です。戸籍などは職務上取得が認められていますので依頼を受ければこちらで揃えることができます。

しかし、印鑑証明書の場合、司法書士登録証をちらつかせ「職務上必要だ!」といっても他人の印鑑証明書を取得することはできません(そんなことは言いませんが・・)。
印鑑証明書の交付には、印鑑カードが必要なのです。
一方で印鑑カードさえあれば誰でも取得できます。委任状も本人確認も必要ありません。
では足腰が弱く役所に取りに行けない、身内もいない、そういう場合、誰が印鑑証明書を取りに行くのか?
この点は非常に抵抗があるところです。

さて、先日の話。
公証人に会う当日までに印鑑証明書を用意しておくよう本人に頼んでいました。

前日になり印鑑証明書のことを聞いたところ、本人はすっかり忘れていた、と。

最悪本人の自宅に伺い、印鑑カードを預かって市役所に取りに行かなければなりません。

印鑑カードはもってるかの問いに、「どこかにあるはずだ。」
ということなので家中を探してもらい、1時間後再び電話をかけると、
「昭和56年の古いものはあった。」

昭和56年の印鑑証明書?そんなものが通用するわけがない。
印鑑カードのことを聞くと、「そんなものはもっていない」
実印は?と聞くと、「三文判ならある」と。
さあ大変だ。

古い印鑑証明書があるということは実印登録はしているはずだ。
しかしその実印がない。いったん廃印して改印か?
市役所のホームページをみると、本人が窓口に出頭し、写真付きの公的身分証明書を提示すれば即日登録できる、ような?

最悪介護タクシーを呼んで本人に出頭してもらうほかない。しかし写真付の公的証明書をもっているだろうか?

等と最悪の事態を想定して本人の自宅を訪れると。

本人が「昭和56年の古いもの」といっていたのは、「印鑑証明書」ではなく、
昭和56年に発行された「印鑑登録証(手帳)」なるもの。

そうです、印鑑カードが交付される前は、この「印鑑登録証(手帳)」なんです。
「三文判」といっていたのも実印登録した「実印」で、
「こんな三文判を実印なんていえない」という趣旨のようで・・。

いや、ほんと大変です。

遺言もそうですが、最近は成年後見の分野に、弁護士や行政書士、社会保険労務士、税理士等も熱心に動き始めているようです。

新人の司法書士も、「成年後見をやりたくて」という人が結構いるようです。

しかしながら、、、、ほかの士業のことは知りませんが、司法書士に限って言えば、、、なかなか成年後見のみを業務としてやっていくの難しいんじゃないかな~と思います。

報酬を受ける以上、「ボランティア」ではありませんが、
正直、社会奉仕的意味合いがものすごく強い仕事、だと思います。
先日裁判所に報酬付与申し立てをした件、自分がもし単純にこの仕事を受けたらこれくらいは請求するだろうなと頭で描いていた金額の3分の1の金額しか裁判所は認めてくれませんでした。

とくに、これから弁護士が増え、その弁護士が成年後見分野に積極的に関わってくるということになると、法定後見に関して言えば、裁判所は、
お金のある人は、弁護士に、
お金がない人は、○○士に、
その中間は、司法書士に、
という区分をしてくるでしょう。
現にその予兆は随所にみられているような気がします。


とまあ、なんとなく湿っぽい話に・・・。
よほど報酬付与審判の額が答えたらしい・・・。



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