６月下旬に２件の自己破産申立（うち１件は少額管財）、そして先日同じ日に３件の自己破産申立（すべて少額管財）を行いました。
少額管財事件となったのは、すべて関連事件です。
去年の１０月に介入通知を出してから、申立までに実に９ヶ月間かかりました。
これから管財人との打合せ、債権者集会が始まるので、まだまだこれからの事件ですが、何はともあれ一つの区切りがついてホッとしたところです。
実は今回の申立は、平成１８年１２月に１件自己破産を申し立てて以来の申立となりました。
１９年度に１件も破産申立がなかった理由として、
①自己破産しなくてはならないような事情がある件がなかった（民事再生や任意整理で十分）、
②浪費やギャンブルの程度があまりにも強すぎて弁護士に依頼すべき事件と判断したこと、が考えられます。
さて、今回なぜ９ヶ月もかかったのか。
ただ徒に放置していたのではなく、
①４人が４人とも多額の過払金返還請求権が存在することが分かり、それを回収するのに多くの時間を必要とした。
②管財事件となる事件のため、事情が複雑だった。
過払金は４人で１６件、額は１０００万円を超えていました。
もっと早く弁護士や司法書士に依頼していれば、自宅競売も避けられたのではないかと思います。
さて、１年半振りの自己破産の申立で、変わった点がありました。
今年４月から、司法書士が関与する自己破産について、裁判所から、
実に９２項目にも及ぶ
『破産申立てチェックリスト」
なるものを渡され、事前に司法書士が各項目をチェックして申立書類と一緒に提出しなければならなくなった、ことです。
今回の申立にあたって、同業者からその噂をきき、事前にそのチェックリストを見てはいたのですが、結構な量です。
一見してやる気が失せるものですが、内容を見てみると、
「確定申告書などに生命保険料控除の記載はないか」
「給与明細書に持株会の控除の記載がないか」
など、当然チェックすべきことを羅列したにすぎず、そのチェックリストによって、司法書士のやるべき作業が増えるというものではありません。
一つ一つチェックしなければならないという作業自体は確かに面倒ではありますが。
東京地裁の本庁では、事実上司法書士関与の本人申立が閉め出されている、ということで、本来本庁に申し立てるべき事件が、支部である八王子地裁へ持ち込まれ、八王子地裁の処理件数が増えているそうです。
中にはろくろく資産をチェックせず持ち込まれる事件がある、みたいです。
そんな事情から、同業者と話したとき、
「八王子地裁でも、事実上の司法書士締め出し？」
なんてことも話に出ましたが、
いざ受付にチェックリストを添えて申し立てすると、
以前は１・２時間は平気で待たされていたのに、３０分程度で申立受理票を渡され
るようになりました。
チェックリストの冒頭には、こう書かれています。
「このチェックリストは、申立書等の作成にあたり、書類作成者（司法書士）がこれを使用して債務者との打合せをし、各項目をチェックすることにより、申立書等を正確に作成する便宜を図るためのものです。正確なチェック及び申立書等の作成は、同時に、簡易・迅速な審査・開始決定に役立つことになります。各チェック項目は、申立書等を作成する際に、最低限チェックして頂きたいものを列挙したものですので、申立書完成時には、必要な項目のすべてにチェックがされているようお願いします。」
まさに書かれているとおりで、司法書士の閉め出しなどではなく、
むしろ、チェックした司法書士を信用して、手続を簡易・迅速なものにするという考えの表れで、歓迎すべきことのような、気が・・・します、たぶん。