水沢司法書士・行政書士事務所

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被後見人が相続人である場合の遺産分割協議

2017年06月22日 | Weblog

成年後見人が、売主の成年後見人である場合は、その成年後見人が売買に関する所有権移転登記手続等をすることはタブーとされている。
報酬の二重取りになりかねないということらしいが。
そもそも、売買に基づく所有権移転登記費用は、買主が負担するのが一般的なんだけども。
まあ、その点は深く考えずに、このケースでは、他の司法書士に登記手続きを依頼することになる。

では、売主が住所移転している場合の住所移転登記は?
成年後見人がやっても問題はないと思われるものの、私の場合は、所有権移転登記のついでに他の司法書士にやってもらいます。

しかしそうなると、その司法書士は、「ああこの司法書士は、登記ができない後見専門野郎なんだな」と見下してくるようです。
一般の方と同様に、一つ一つご丁寧に説明した登記に必要な書類のご案内文書が送られてきます。
「送るまでもないと思うけど、一応形式的に・・」と断ってくる司法書士もいますが。


成年後見人が、買主の成年後見人である場合も同様かと思いますが、まあ、そのような場面は滅多にないでしょう。

では、相続登記の場合はどうか。
被後見人が相続人の一人である場合、成年後見人が被後見人に代わって、他の相続人と遺産分割協議をすることに関しては何ら問題はない。
それに伴い、被後見人が不動産を相続する場合はどうか。

当たり前のことだが、通常の登記事件として相続登記の報酬を自分が自分に請求しそれを受け取ると、そりゃあいけませんよ、ということになる。
それこそ、報酬の二重取りになりかねない。

しかし、その相続登記を成年後見人である司法書士が申請することは、特に問題にならないようである。
今まで何件かやってるが、裁判所よりお咎めを受けたことはない。もちろん、勝手に報酬を受け取ることはせず、
相続登記をしたから、その分の報酬は上乗せしてくださいと報酬付与審判の申し立てをすることになる。

では、遺産分割協議に伴い、他の相続人が登記名義を取得する場合はどうか。
Xが死亡し、AとBが相続人である場合に、Aの成年後見人が、登記名義を取得するBの代理人となって相続登記を申請することは、不可ですか?
どうですか?

1.通常の登記事件として、成年後見人がBから委任を受け、報酬もBからもらう。

2.成年後見人がBから委任を受けることは差し支えないが、その報酬は、成年後見業務の一環とし報酬付与審判によってもらう。

3.そもそも成年後見人がBから委任を受けることがおかしいので、他の司法書士に依頼するようBに伝える。


3の場合、一般の方は、「はあ?なんだこいつ」と思うでしょうね・・。
「あんた司法書士じゃないの?」「怪しいやつだな」
と、Bさんは後見人に対し不信感を抱くようになるかもしれません。

そこで、Bさんから依頼を受ける前に、裁判所に上申書を出しました。
123、さあどれ?と。

そのこたえは









1でした。


立川支部の話なので、他の管轄では対応が違うかもしれません。

念のため、事前にお伺いを立てたほうが良いと思います。