水沢司法書士・行政書士事務所

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債務の整理?

2006年02月14日 | Weblog
 先日八王子市役所から東京司法書士会三多摩支会の無料法律相談を紹介され、そこから私の事務所を紹介され、債務整理の相談に見えられた方がいた。

 相談内容としては、サラ金などからの借入が800万円を超え、さらに住宅ローンが3000万円強というものだが、苦労して手に入れた住宅だけは手放したくないというもの。
 最近この住宅ローン絡みの債務整理の相談が多い。

 三多摩支会の無料法律相談は私も相談員として時々行っているが、わずか30分(だったと思う)程度の相談時間のため、重要な部分を聞き出せないまま相談時間が終了してしまうことはよくあること。

 この方の場合、そこでの相談結果は、住宅を手放さなくても債務を整理できる個人再生手続を取れるかもしれない、ということだった。

 もしかしたら住宅を手放さなくても良いかも知れないと期待してうちの事務所に相談に見えられたが、約2時間じっくりと事情を聴取してみると、どうやら雲行きが怪しい。

 住宅がその方と子供の共有名義となっており、その息子も住宅ローンを組んでいるとのこと。
 住宅にどのような担保が設定されているかは分からない。
 まあそれは登記簿謄本を取ればいいだけの話で問題ないとしたが、驚くことに、その子供が現在刑務所に収監されているということだった。
 当然収入もなく息子分のローンは半年以上滞納しているとのこと。
 登記簿を見てみないと分からないが、恐らく個人再生は不可、破産しかないだろうと回答し、取りあえずお帰りいただく。
 
 翌日法務局で住宅の登記簿謄本を取得してみる。
 子供との共有は間違いない、しかし、順位1番(あ)でその方を債務者とする国民生活金融公庫の抵当権、同順位(い)で子供を債務者とする国民生活金融公庫の抵当権が設定されていた。

 普通であれば、その方と子供共に個人再生を申し立てれば、おそらく双方とも認可決定が出るだろう。
 弁護士さんを頼むだけの資力があれば頼むに超したことはないが、この程度なら本人申立でも十分対応できる。
 しかし、なんと言っても子供は刑務所にいて無収入。無収入の人間が個人再生手続を取れるはずがない。子供は破産するしかない。
 仮に、その方について個人再生の認可が下り、順位1番(あ)の抵当権の実行が回避されたとしても、子供を債務者とする順位1番(い)抵当権が実行されてしまう。
 個人再生は不可能だった。

 取りあえず子供の債務整理はしばらく放っておき、その方のみ破産を申し立て、競売によって住宅を手放すという方法もあったが、この場合は、やはり弁護士を選任し、その方と子供双方の代理人となって同時に処理して貰う方が賢明と考え弁護士を紹介することになった。
 
 しかし、いくらかの着手金も持っていないとのこと。着手金を払えずに知り合いの弁護士さんを紹介するのは躊躇われ、やむを得ず弁護士会多摩支会の法律相談を紹介し、そちらに行って貰うことになってしまった。
 市役所→司法書士会→司法書士事務所→弁護士会→弁護士事務所、、、

 しばらくして、その方から、とてもスッキリした様子で電話連絡があり、相談を受けてくれた弁護士さんが子供の件と一緒に引き受けてくれることになったとのこと。

 しかし、その弁護士さんは世田谷の事務所らしい・・・。
 おまけに子供の料金と併せて90万円+成功報酬という条件だったらしい・・・。 さらにおまけに着手金25万円を持ってこないと受任してくれないらしい・・。

 きゅきゅきゅ、、、、?
 本件の場合、かなり特殊な事件なので、仕方が無いのかも知れないが、、、仕方がないのか???