今日は南アメリカのボリビアから小学校教員、校長、教育委員会の方々
計12名が関大にこられた。私はこの方たちに、久保田先生とTTで10:00-16:30まで
「教育工学演習」を行った。
プログラムは講義やワークショップなど参加型を取り入れた研修にした。
まぁ、講義はちょっと緊張して、しどろもどろになっていたが、ワークショップは
順調だったと思う。
以下は研修に関するメモです。ボリビアの教育を知りたい人に活用して
もらいたいと思います。
050126 ボリビアへの研修
●KJ法を活用したワークショップのまとめ
ラパス行政チーム
・教育にいろんな人が参加するようになってきた。
・多文化教育がおこなわれている。36民族の共存を目指して、異なった文化を尊重し強制することを教えている。そのため教職課程のある大学にも異文化理解教育をどう教えるかについての教育が実施されている。
コチャバンバ行政チーム
・校長先生が民主的に選ばれるようになった。
・教師が自分たちの経験や知識を共有していこうとしている。教育技術導入の反省会を企画している。
・先生、こどものニーズをキャッチし、総合的な学習のように科目の枠を超えてTTをおこなったりしている。
・総合の結果、生徒が自分で学ぶようになってきている。
・新しい評価、観点が導入され、こどもは自分の評価をすることができる。ポートフォリオなども実践している。ただ、子供が自分の評価、自分の達成度や到達度を知るために実践しているわけではない。最後には最終評価のようなものが行われる。
・親が新しい評価方法を理解できない。
校長先生チーム
・地方にある学校の子供たちをモデルに考えました。
・異文化理解を実践している。
・父兄への働きかけを行っている。
・学習過程におくようになり、より実践的なものをできるようになった。
・ボリビアでは共通のカリキュラムがあります。
・いまは以前よりさらに多くのものを先生が教えるようになった。
・学校はカトリック(宗教)が建てる。教員の給与などは国から支給で運営している。半官半民のような形。
・親は学校へ来ても「たかが先生だろう」という見方をして、子供を叱ったなど文句を言ったりする。
・先生は専門職というほどの給与体系になっていない。毎月90ドルしかもらっていない。
・一つの教室に47人ほどいる。
・カリキュラムの内容よりももっと人間の価値を高めるという教育をすることを目指したい
現職の先生チーム
・校内研修制度について、8つのプロジェクト校でしている
・授業案を作成して、授業を企画できるということ、TTで授業を進められるということ、子供たちの反応を考えた授業ができるということ
・現職教員研修がスタートしたということ
・学校の環境、クラスの環境に応じて企画をしていける
・TTの場合、低学年中学年高学年というくくりで学年が上がる。学年ごとで先生がチームを組んでここなう。
・先生との間で協調関係ができる。柔軟に学んでいける。
・自分のことを話せずに閉じこもりがちである。
・現場の教員にとって大きな問題として展示物ができない。
・展示ができない
まとめ
・教育改革には先生・校長・行政の3者がどう協力し合うのかということが大切
・問題を共有するということ、方向性を共有することが重要です
・教育改革に関しては、3者とも好意的に受け止めていると思いましたがどうでしょうか?
・10年間の教育改革の評価段階になってきている。いろんな意見を統合して新しい段階に入ろうとしている。現場の先生は教育改革の評価に関してあまりいい評価をしていない。けれど行政に関してはポジティブに考えている人が多い。
・(校長)たしかに行政面に関しては良くなった。いろんな役割を担う人事が行われた。しかしカリキュラムや教授面に関しては予算が増えていない。
・(行政)いや、行政面が悪い。教育は良くなっている。構成主義がはいったこともあり、教育は良くなった。ただ、行政はうまくいっていない。外国から専門家を呼んできてたった3時間働いてもらうために15000ドル払うとか。しかし、現場の先生も問題を持っている。先生自身が自己を高めるようにしないといけない。けれど、教育改革というと拒否反応を示してしまう。
・(校長)教育改革でTTができるようになった、学びの中心を子供に置くようになったのはいいと思う。けれど、学校運営をふくめて行政が押し付ける傾向がある。
・(久保田)教育に関するメリットデメリットと教育改革に対するメリットとデメリットが一緒になってしまっている。これを分けて考えるべき。
●研修に対する反省
・ポートフォリオなども実践しているのであれば、教育方法の立て方について伝えた方が良かったか?
・KJ法、具体的に文章で書くようにする。発表時「ボリビアの現在の教育についての良いところ・悪いところ」について発表するという形をとったほうが良い。
・教師がサポートするという授業ばかりを紹介しすぎたか。もっと科目におけるICTの活用を紹介しても良かったかも。先生の準備やサポートをどのようにしているのかをもっと伝えた方が良かった。
・ボリビアについての教育実践をもっと知っておきたかった。
・最初の講義の部分で、参加型をもっと取り入れるべきであった。また、CCAについて理解を深めていない段階であったにもかかわらず、講義に取り込んだのには無理があった。無理のないようにもっと準備に時間をかけるべきであった。
●所感
・適材適所の配置ではなく政治的な力が働いて人事が行われている。親が新しい評価手法を納得しない。→教育方法ももちろんであるが、コミュニティ改革をするほうがよいかもしれない。親へのアカウンタビリティ
・これは教育工学演習だから、教育手法やICTを活かした実践について紹介をするべきだとされている。新しい手法や実践を紹介することは新しい視点の獲得や教育改革のきっかけとして意味があると思うが、ボリビアで活かすことができなければ意味がない。コミュニティの問題を解決する必要があることを強く感じる。けれど、これは日本も同じか?
計12名が関大にこられた。私はこの方たちに、久保田先生とTTで10:00-16:30まで
「教育工学演習」を行った。
プログラムは講義やワークショップなど参加型を取り入れた研修にした。
まぁ、講義はちょっと緊張して、しどろもどろになっていたが、ワークショップは
順調だったと思う。
以下は研修に関するメモです。ボリビアの教育を知りたい人に活用して
もらいたいと思います。
050126 ボリビアへの研修
●KJ法を活用したワークショップのまとめ
ラパス行政チーム
・教育にいろんな人が参加するようになってきた。
・多文化教育がおこなわれている。36民族の共存を目指して、異なった文化を尊重し強制することを教えている。そのため教職課程のある大学にも異文化理解教育をどう教えるかについての教育が実施されている。
コチャバンバ行政チーム
・校長先生が民主的に選ばれるようになった。
・教師が自分たちの経験や知識を共有していこうとしている。教育技術導入の反省会を企画している。
・先生、こどものニーズをキャッチし、総合的な学習のように科目の枠を超えてTTをおこなったりしている。
・総合の結果、生徒が自分で学ぶようになってきている。
・新しい評価、観点が導入され、こどもは自分の評価をすることができる。ポートフォリオなども実践している。ただ、子供が自分の評価、自分の達成度や到達度を知るために実践しているわけではない。最後には最終評価のようなものが行われる。
・親が新しい評価方法を理解できない。
校長先生チーム
・地方にある学校の子供たちをモデルに考えました。
・異文化理解を実践している。
・父兄への働きかけを行っている。
・学習過程におくようになり、より実践的なものをできるようになった。
・ボリビアでは共通のカリキュラムがあります。
・いまは以前よりさらに多くのものを先生が教えるようになった。
・学校はカトリック(宗教)が建てる。教員の給与などは国から支給で運営している。半官半民のような形。
・親は学校へ来ても「たかが先生だろう」という見方をして、子供を叱ったなど文句を言ったりする。
・先生は専門職というほどの給与体系になっていない。毎月90ドルしかもらっていない。
・一つの教室に47人ほどいる。
・カリキュラムの内容よりももっと人間の価値を高めるという教育をすることを目指したい
現職の先生チーム
・校内研修制度について、8つのプロジェクト校でしている
・授業案を作成して、授業を企画できるということ、TTで授業を進められるということ、子供たちの反応を考えた授業ができるということ
・現職教員研修がスタートしたということ
・学校の環境、クラスの環境に応じて企画をしていける
・TTの場合、低学年中学年高学年というくくりで学年が上がる。学年ごとで先生がチームを組んでここなう。
・先生との間で協調関係ができる。柔軟に学んでいける。
・自分のことを話せずに閉じこもりがちである。
・現場の教員にとって大きな問題として展示物ができない。
・展示ができない
まとめ
・教育改革には先生・校長・行政の3者がどう協力し合うのかということが大切
・問題を共有するということ、方向性を共有することが重要です
・教育改革に関しては、3者とも好意的に受け止めていると思いましたがどうでしょうか?
・10年間の教育改革の評価段階になってきている。いろんな意見を統合して新しい段階に入ろうとしている。現場の先生は教育改革の評価に関してあまりいい評価をしていない。けれど行政に関してはポジティブに考えている人が多い。
・(校長)たしかに行政面に関しては良くなった。いろんな役割を担う人事が行われた。しかしカリキュラムや教授面に関しては予算が増えていない。
・(行政)いや、行政面が悪い。教育は良くなっている。構成主義がはいったこともあり、教育は良くなった。ただ、行政はうまくいっていない。外国から専門家を呼んできてたった3時間働いてもらうために15000ドル払うとか。しかし、現場の先生も問題を持っている。先生自身が自己を高めるようにしないといけない。けれど、教育改革というと拒否反応を示してしまう。
・(校長)教育改革でTTができるようになった、学びの中心を子供に置くようになったのはいいと思う。けれど、学校運営をふくめて行政が押し付ける傾向がある。
・(久保田)教育に関するメリットデメリットと教育改革に対するメリットとデメリットが一緒になってしまっている。これを分けて考えるべき。
●研修に対する反省
・ポートフォリオなども実践しているのであれば、教育方法の立て方について伝えた方が良かったか?
・KJ法、具体的に文章で書くようにする。発表時「ボリビアの現在の教育についての良いところ・悪いところ」について発表するという形をとったほうが良い。
・教師がサポートするという授業ばかりを紹介しすぎたか。もっと科目におけるICTの活用を紹介しても良かったかも。先生の準備やサポートをどのようにしているのかをもっと伝えた方が良かった。
・ボリビアについての教育実践をもっと知っておきたかった。
・最初の講義の部分で、参加型をもっと取り入れるべきであった。また、CCAについて理解を深めていない段階であったにもかかわらず、講義に取り込んだのには無理があった。無理のないようにもっと準備に時間をかけるべきであった。
●所感
・適材適所の配置ではなく政治的な力が働いて人事が行われている。親が新しい評価手法を納得しない。→教育方法ももちろんであるが、コミュニティ改革をするほうがよいかもしれない。親へのアカウンタビリティ
・これは教育工学演習だから、教育手法やICTを活かした実践について紹介をするべきだとされている。新しい手法や実践を紹介することは新しい視点の獲得や教育改革のきっかけとして意味があると思うが、ボリビアで活かすことができなければ意味がない。コミュニティの問題を解決する必要があることを強く感じる。けれど、これは日本も同じか?