松羽目です。
「勧進帳」です。
今月は演舞場でもやっていますが、こちらは“松竹大歌舞伎”の巡業です。
松本幸四郎丈の弁慶。
23日(木)勤労感謝の日 秋田県小坂町:康楽館で“松本幸四郎 弁慶”900回目の上演を迎えます。
「勧進帳」のクライマックスと言えば、最後の幕外での見得から飛び六方での引っ込み。
物語の最後に弁慶と富樫が互いに思いを入れて見合います。チョーンと柝が鳴って、定式幕が閉まります。富樫は幕に隠れてしまい、弁慶のみが花道の七三(しちさんと言って、花道を十分割して、舞台から三つ目くらいのところ)に残ります。
弁慶役者の見せ所。富樫への感謝とか、義経への想いとか、いろんな感情を凝縮させて最後の大見得を切ります。そして飛び六方を踏んで花道を去っていきます。この間台詞は一言もありません。役者と鳴り物と附けうちとで絶妙の間を作り出します。
この時、何気なく定式幕が閉まっています。
幕引き係(大道具さん)が、幕の端を後ろへ引っ張って連子窓を見せて、下座の鳴り物を聞かせます。
定式幕のない会館では緞帳でやることがほとんどなのですが、緞帳でやると下座の鳴り物が聞こえにくいんですね。
そこで今回の巡業ではそのような会館にも、持ち込みの仮設の定式幕を吊りこんでいます。
これが結構、手間のかかる作業で、カーテンレールをバトンに取り付けるのですが、会館ごとに条件が違うので、毎回仕込み方が違ってきます。
終演後はすばやく撤収して移動しなければいけません。
各会館の担当者の方、ご協力ありがとうございます。
でも、音的にも、見た目にもやはり「勧進帳」には定式幕が一番ですね。
これから観る方はどうぞ定式幕もご堪能くださいまし。
『幕外になる時、定式幕は一旦閉めてから下座を見せますが、何故一旦閉めるのでしょうか?何故直接幕外の位置に行かないのでしょうか?』随分合理的な考えだなとは思うのですが、o-douguさんとしてはどうお考えになりますか?
地元にはないはず・・そういうことだったんですね。
大道具さん、おつかれさまでしたm(__)m
“お芝居”はここでおしまーい。(幕をしっかり閉める)
あとは“役者”をたっぷりとご堪能くださーい。(下座を見せる)
と言う感じかな。カーテンコールに近い感じもするけど、ちょっと違うかな。
あとは、直接幕外の位置に幕を持っていくと、幕の形が悪くなりますね。これは理屈ではなくて見た目の“おさまり”が悪いということです。逆に“おさまり”がつけばそれでもいいのかもしれませんね。
お答えとしてはこんなところでしょうか。頼りなげな答えですが、どなたかご教示ください。
歌舞伎は好きですが、住んでいるところと家庭の事情で実際に観に行くのは年に5、6回が限度です。
大道具のことや決まり事など、コチラのブログで教えていただきたいなと思います。
昨日は新橋演舞場の昼の部を観てきました。
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もし良かったら私のトコものぞいて見て下さい。
歌舞伎以外のこともあって種々雑多なページですが(汗)