ニュージーランド移住記録:日記「さいらん日和」

2004年に香港からニュージーランドに移住した西蘭(さいらん)一家。子育て終了、仕事もリタイア。好きに生きる記録です。

ホームロス

2013-10-19 | 家&庭関係
今日の日経電子版のこの記事
マイホーム 買った瞬間、価値ゼロへまっしぐら


頭の中で電球点きまくりの納得度


なぜ日本の家は「買ったその日から減価償却が始まる」のか?
なぜ日本の家は築20年ほどで上物の価値がゼロになるのか?


という普段から感じていた疑問に、ドンぴしゃり答えてくれています。


>欧米など他の先進国では、中古住宅の価値が一律に下落
>していくといった常識はなく、むしろ逆である

これは一応「他の先進国」に住む身として日々実感していることで、
NZの家は今のところ、「買ったその日から値上がりする」状態です。
(※ついでに言えば、ほとんどの新興国でも状況は同じでしょう)


築20年など新しい方で、築100年を越える家も珍しくありません。

戦前から開けていた地区は、世界大恐慌でバブルが弾けるまでに
建てられた1920年代の家が多く、順に築100年を迎えます。


NZでも最も高級な住宅街とされる東オークランドの
ノーザンスロープ
(北斜面、北半球の南斜面に相当)



海に面し、日当たり良好、都心まで数十分という利便性
そして何よりも、これ以上土地がないという
最強4点セットの理由で、半永久的に価値が保証されています
(※火山が爆発して根本的に地形でも変らない限り)


>建物については、築20年や25年で価値がゼロになるなど誰も
>考えておらず、所有者は建物を大事にし、必要に応じて点検や補修、
>リフォームなどを行うことで価値の維持ないしは向上に努める。



全くその通り
大恐慌直前に建てられた家など、当時の贅を尽くした豪華さ
今や失われてしまったクラフツマンシップの粋を集めたもので
それはそれは素晴らしい家が多いです。
築100年でも1億円どころか数億円で取引されることが多いのです。


この脈絡で言えば、築20年は新しい方で、新建材が多用された家は
①耐久性がない
②建材や工法の関係で補修・リフォームがしにくい
③建築当時の建築技術や建材の基準の問題で雨漏り物件が多い
などの問題や、
④宅地面積が狭い
という特徴もあり、こうしたタウンハウスと呼ばれる物件は
「新しさ重視派」と「敬遠派」
に見方が分かれています。


物件と立地を見誤らなければ、今のところは
「買ったその日から値上がりする」
のでこの国の貯蓄率は低く、頭金が貯まったら全力で家を買います。


貯金より借金(=住宅ローン)の方が資産形成の効率がいいのです。
さらに預金の利息は課税対象ですが、家の売却益は非課税です

(※売却益の非課税化は所得格差の拡大という問題も孕んでいますが)


こんな美味しい話ってある~
という感じですが、香港は利息もキャピタルゲインも非課税でした。
(※上には上があるもんだ


この話は前にメルマガにしているのでご興味があったらどうぞ。
Vol.0538   ~キウイ・キリギリス~


我が家はシンガポール、香港、日本、NZで家を購入した経験があり、
記事の通り、
日本以外は全て値上がりしました。
シンガポールと香港の売却益は、今の家の原資になりました。


日本のマンションだけは新築、駅から5分、三井不動産開発でしたが、
多分もう半値以下でしょう
(※市場価格を調べるのも哀しいほど・・・・)


日本でも中古住宅市場がより整備され、住宅の値持ちがよくなり、
何よりも「20年で使い捨て」のフードロスならぬホームロスが
解消されるよう社会が変わっていくといいなぁと思います。


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