ニュージーランド移住記録:日記「さいらん日和」

2004年に香港からニュージーランドに移住した西蘭(さいらん)一家。子育て終了、仕事もリタイア。好きに生きる記録です。

クライストチャーチ行:カンタベリー博物館とその周辺

2013-01-14 | 旅行
カンタベリー博物館は震災後半年ほど閉館していましたが、

完全に復旧していました。


ここは各種市内観光バスの発着場所にもなっていて、何度も行きました。

片時もスマホを手放さない善(15歳)は常に、うつむき少年


隣のアートセンターは一大修理中で、

明暗を分けました。


同じネオゴシックの建物なのに博物館は軽症だったようです。



正面の別の建物はこの通り。

被害があったのかどうか、という感じで普通に営業していました。



西洋人が入植してくる前のマオリの生活の展示。

今までみた博物館の展示の中では一番リアルでした。
(骨格からして西洋人ではなく凝ってます


これも髪質や仕留めた獲物がニュージーランド・ピジョンなのまで、

リアル


焼き鳥になっているのも、

ニュージーランド・ピジョンかも


この鳥は羽の美しさもあって、

こんな敷物にまでなっていました 
何もムダにしなかったマオリ、エラし!とも言えますが


そんなシリアスなところに、

サンタがちょこん


絶滅した飛べない巨鳥モアを狙う姿の後ろにも、



サンタがちょこん



クリスマス前の大サービス
上野の国立博物館や大英博物館じゃ考えられない
でも、ウケました。


これもNZの博物館ではよくある、古い町並みの再現。

お店に入ったら、本当に買い物ができそうな感じ。


これは入植者の初期の家

こんな屋根だけのような建築方法は初めてみました


屋根は二カウ(マオリが屋根を葺く植物)かな?

西洋文化とマオリ文化のステキなコラボ


2階部分はこんなに美しくて繊細な構造。

地震で壊れなくてよかった~


ここは服飾が展示されています。

天井の造りと相まって優美な雰囲気。


この小花柄がプリントされたコットン・ドレスは、

推定1785年のもの

「そんな時代に繊維にプリントできたの

と驚いてしまいましたが、日本でも浮世絵を刷ってた頃だから、
そんなに驚くべきことではない?


解説によれば、インド製のプリント地は1660年代から家具や普段着に
取り入れられ、その鮮やかな色と柄が人気だったんだそうです。
スゴいな、インド(←違っ


これは確か戦前に作られた女性用のフライトスーツ

デザインしたのも女性だったはずで、襟元のファーがオサレ
(あっ、実生活では『毛皮反対』の立場ですが)
これは今では紳士服メーカーになってしまった、ハレンスタイン製。


超デーハーな燕尾服

上流っぽいけど、柔な存在で、


Tシャツ+短パン+ジャンダルの今のキウイ・ファッションとは

別世界


上の2着はビンテージですが、

一緒に並んでいたこれはジョー・トールというデザイナーの2006年作。


「パシフィック・クロッシング」と題された、

西洋文化と太平洋文化のクロスオーバー
刺繍はNZの国花コーファイ
ボタンはNZで1957年に鋳造された6ペンス・コインだそうです。


刺繍といい、バティックの色合いといい、ざっくりした素材感といい、
実にパシフィックな感じでとても気に入った作品。
凝っていても貴族のものではない、ウェアラブルアートなのがいいです。


でも、一番ドキューンときたのが、この1着。

19世紀に入植してきた労働者階級の新郎の服装
オフシルエットの黒ジャケにコットンのベスト。
そしてオフホワイトのコーデュロイのパンツ


オッサレーーー
当時はこんなものしか手に入らなかったんでしょうけれど、
コーデュロイで結婚なんて、ステキすぎ
今ならオッシャー上級者にしかできない離れ業?
(とか、結婚式しなかったヒトに言われたくない


一番ウケたのはこれ

善が見つけたマッドフィッシュ

カンタベリーは今回の地震で大きな被害が出たように、沼地が多数あり、
なんと地中で生きるマッドフィッシュという魚がいたんだそうです!



入植したイギリス人たちがジャガイモを育て、収穫しようとしたら、
ひと掘りで、
フィッシュ&チップスになっちゃった


カンタベリー博物館すぐ傍のクライストチャーチ・アートギャラリー

今は保険が掛けられない状態で、すべての展示物を収納して閉館中。
保険会社が新規の保険を引き受けないのは復興の大きな足かせの一つ。
市政府のビルも無保険のままなはず。



などなど、アートな一角をぶらぶらしていると、




もしかして、ここは

まだ香港に住んでいた2002年に旅行できた時に泊ったB&Bでした!


マオリ語の名前が思い出せず、
「あのB&Bはどこだったんだろう?」
と思いながら観光をしていた矢先の再会。


ほとんど被害がなかったのか、直した後なのか、とてもキレイでした。

当時8歳直前だった温が1晩でハリーポッターを1冊読んでしまった宿。
あの2階の出窓で必死で読んでいた姿が目に浮かぶようです。

(詳しくはメルマガ「ブルースプリング・レポートVol.19:ハリポタ世代」で)


カンタベリー博物館の裏は広大なクライストチャーチ植物園

木々も花々も美しい、散策にはもってこいの場所。


でもものすごーく暑かったので、入れるものなら入りたかった、

この噴水


さらに行くと、こんなにクラッシックな建物のレストランに遭遇。



中庭はカフェになっていたので、まず一杯。



観光客ならフラフラ~っと入っちゃいそうな、

ステキなエントランス


アウトドアが気持ちのいい季節+場所

場所柄お庭もステキでした。


席が空くと、

この通り


人懐っこいのはこれにとどまらず、

席の真隣には、トリの巣(多分スズメ)


2mもないオリーブの木で、触ろうと思えば触れる高さ

こんなところに巣をかけるなんて、どれだけ人懐っこいの?
というか職住一体じゃなくて、食住一体??


キュレーターズ

本当にかつては学芸員用の建物だったんでしょうか?


アートなこの一角が少しでも早く元の状態に戻りますように。


(つづく)

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