2019年11月の5回目のハワイ
西マウイ編
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心に残ったことを綴ります。
ハワイで最も愛される画家の
1人ペギー・チュンが患った
筋萎縮性側索硬化症(ALS)と
は、手足や喉・舌などの筋肉
が徐々に痩せて機能が失われ
ていく病気です。問題は脳か
ら筋肉への指令が伝達されな
くなることで、筋肉自体は病
んでいないのに動けなくなる
ことで機能しなくなるそう。
そして治療薬がありません。
「車いすの天才科学者」とい
われた宇宙物理学者の故ステ
ィーブン・ホーキング博士が
この病と長年闘い続けていた
ので、発症から死に至るまで
通常数年とは知りませんでし
た。博士は享年76歳でした。
ALSは10万人に1.5~3人が発
症するといわれる非常に稀な
難病で、まず遺伝しないと言
われています。しかし、ペギ
ーは2002年に56歳でALSと診
断されるまでに、祖父、母、
双子のボビーをALSで失って
おり、自分が今後どうなって
いくのかが判っていました。
「やることはごまんとあるわ」
と、ペギーはすぐに人工呼吸
器の装着を決めました。装着
は寿命を延ばす可能性がある
一方で、辛い闘病も長引くこ
とになり、装着を選ぶか選ば
ないかは需要な選択でした。
ALSは筋肉が失われる反面、
感覚、視力、聴力、内臓など
の機能は保たれることが一般
的なんだそうで、ペギーは持
てる時間を精いっぱい創作
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に充てることを選びました。
1年後の2003年、ペギーは右
手の自由を失うと、すぐに左
手で描くことを習得します。
しかし、それさえ2004年まで
で、その後は筆をくわえて描
きました。筆をくわえた満面
の笑顔のポートレートはその
頃に撮影されたのでしょう。
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(※写真はコチラより)
懸命に生き、創作を続けるペ
ギーを病魔は容赦なく襲いま
す。全身が麻痺して筆が使え
なくなるとコンピューターの
視線入力で描き続けました。
それもできなくなると、板に
描かれたコマンドに視線を送
り、画学生がコマンド通りに
「右上から左下」といった具
合に代筆を行い、共同作業で
創作を続けていったのです。
同じ方法でペギーはアルファ
ベットをひとつひとつ目で追
いながら意思を伝えました。
最後は彼女の鼻に絵具を載せ
ケアギバーたちが紙を動かし
て描くというノーズペインテ
ィング
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「結局のところ、絵は手で描
くものではなく心で描くもの」
ペギーは自分の言葉どおり心
で描くことを実践しました。
(つづく)