ニュージーランド移住記録:みたび

移住は帰らなくてもいい終わりのない旅。人生そのものも旅。そして気づき始めたあの世への旅。旅と夢限定ブログ

ハワイ5回目行:ペギー・チュン 心で描く

2022年04月27日 | ハワイ:マウイ島

2019年11月の5回目のハワイ


西マウイ編を終える前に、
心に残ったことを綴ります。


ハワイで最も愛される画家の
1人ペギー・チュンが患った
筋萎縮性側索硬化症(ALS)と
は、手足や喉・舌などの筋肉
が徐々に痩せて機能が失われ
ていく病気です。問題は脳か
ら筋肉への指令が伝達されな
くなることで、筋肉自体は病
んでいないのに動けなくなる
ことで機能しなくなるそう。
そして治療薬がありません。


「車いすの天才科学者」とい
われた宇宙物理学者の故ステ
ィーブン・ホーキング博士が
この病と長年闘い続けていた
ので、発症から死に至るまで
通常数年とは知りませんでし
た。博士は享年76歳でした。


ALSは10万人に1.5~3人が発
症するといわれる非常に稀な
難病で、まず遺伝しないと言
われています。しかし、ペギ
ーは2002年に56歳でALSと診
断されるまでに、祖父、母、
双子のボビーをALSで失って
おり、自分が今後どうなって
いくのかが判っていました。


「やることはごまんとあるわ」
と、ペギーはすぐに人工呼吸
器の装着を決めました。装着
は寿命を延ばす可能性がある
一方で、辛い闘病も長引くこ
とになり、装着を選ぶか選ば
ないかは需要な選択でした。


ALSは筋肉が失われる反面、
感覚、視力、聴力、内臓など
の機能は保たれることが一般
的なんだそうで、ペギーは持
てる時間を精いっぱい創作
に充てることを選びました。


1年後の2003年、ペギーは右
手の自由を失うと、すぐに左
手で描くことを習得します。
しかし、それさえ2004年まで
で、その後は筆をくわえて描
きました。筆をくわえた満面
の笑顔のポートレートはその
頃に撮影されたのでしょう。

(※写真はコチラより)


懸命に生き、創作を続けるペ
ギーを病魔は容赦なく襲いま
す。全身が麻痺して筆が使え
なくなるとコンピューターの
視線入力で描き続けました。


それもできなくなると、板に
描かれたコマンドに視線を送
り、画学生がコマンド通りに
「右上から左下」といった具
合に代筆を行い、共同作業で
創作を続けていったのです。


同じ方法でペギーはアルファ
ベットをひとつひとつ目で追
いながら意思を伝えました。


最後は彼女の鼻に絵具を載せ
ケアギバーたちが紙を動かし
て描くというノーズペインテ
ィングまで試されました。


「結局のところ、絵は手で描
くものではなく心で描くもの」

ペギーは自分の言葉どおり心
で描くことを実践しました。


(つづく)


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