ニュージーランド移住記録:みたび

移住は帰らなくてもいい終わりのない旅。人生そのものも旅。そして気づき始めたあの世への旅。旅と夢限定ブログ

ダニーデン行:変わりゆく港町

2019年10月22日 | 南島:ダニーデン

ビクトリア時代さながらの
ポートチャーマーズの街から



すぐそばの高台へ

人目をはばかるような山肌に


レディーソーンシャクナゲ園があります。



ここはかつて採石場でした。

(※1800年代)


地元でポートチャーマーズ
ブルーストーンと呼ばれた
玄武石は19世紀に建設された
一帯の石造りの建物に広く
使用され、白とグレーの
独特のダニーデン建築に
なくてはならない存在でした。


その代表がダニーデン駅舎

チャコールグレーに見える石です。


ポートチャーマーズ海事博物館や



チックスホテルも。



採掘場は1920年代に閉鎖され、
その後はゴミ捨て場などになり
荒れに荒れていたそうですが、
国内最長の33年間市長だった
ジョン・ソーンの妻にして自身も
市長だったレディーソーンの
提案で1998年からシャクナゲ園に
造り変える活動が始まりました。



ロッククライミングをしている人も



10~11月が見頃のようでしたが

まだちょっと早かった印象。


花を見に来たつもりでしたが
高台なので景色が素晴らしい

ポートチャーマーズが一望のもとに。


木材の一大輸出基地



1863年にはポートチャーマーズは
国内最大の港として賑わい、
1872年にドックが完成。

建設に使われたブルーストーンは
馬車で港まで運ばれました。


1872年にはダニーデンへの鉄道開通。
1875年にはユニオン蒸気汽船創業。
ユニオンは第一次世界大戦まで
世界屈指の海運会社だったそうです。


たまたま前年2016年に行った
ギズボーンで、USSCo バー&ビストロ
というて店で食事をしていました。

USSCo こそユニオン蒸気汽船
の略称で、支店のあったビルが
今でもギズボーンに残っています。


1882年にはここからイギリスへ
初の冷凍肉の輸出が始まり、
NZの冷凍肉輸出の歴史が開始。

最初の航海は98日かかったそう。


1880年代は冷凍肉、羊毛、小麦の
輸出が盛んな頃でこの蒸気船の数



1909年に再建された新ドックに
最初に入渠したのはユニオンの
「マヘノ」でした。

この1年後に私たちは「マヘノ」
をこの目で見ていましたが、
この話はまたいつか


1914年のユニオンのドックの様子



1914年には第一次大戦の志願兵
2,000人がエジプトに向けて出兵。
ポートチャーマーズからも428人
が戦地に赴き、60人は帰らぬ人に。



1950年代のポートチャーマーズ



高台に採石場跡が見えます。



港は埋め立てが進み、山は緑に



ユニオンは1975年に100年の歴史に
幕を閉じ、ドック跡地は埋め立てて
コンテナターミナルとなりました。



長老派教会の大きさと鉄道跡に

かつての栄華の残影が残ります。


今は木材の積出港として



周辺の林業を支えています。



ほとんどが中国へ行くのか?



19世紀

汽車も走っています。


現在

変わりゆく港町




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