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変革の長い道のり――新たな絆を求めて 第13回信州岩波講座2011開講される

2011年09月02日 | 信州岩波講座


 2011年信州岩波講座が始まった。8月7日の講座1は樋口恵子さんと上野千鶴子さん、聴講者は800人強で、8割以上が女性でした。先ずはじめに樋口さんは、「大介護時代の女と男」と題して(79歳という年齢を感じさせない歯切れのよい力強い口調で)「今は大介護時代、2000年に介護保険法が施行され大きく変わったしかし、当時考えていた介護より2~4倍増えている。新聞の死亡広告を見ても90歳代になってきている。平均寿命が伸び家族介護に大きく変化が出ている。一人暮らし老人、二人暮らし老人、高齢者と未婚の息子の世帯が全体の70%にもなりつつある。家族での介護力が低下している。昔は親の介護で、子供がタライ回しすることもあったが、親の長生きと少子化で高齢化した子供が親を介護することや、妻と夫の両方の親を介護することも出てきた。(1)介護は人間以外にない行動で人間の証明だ。(2)この介護をどこに(妻だけ、施設、夫)位置づけるかで品格が決まる。(3)介護する人が幸せでないと、介護される人は幸せでない。家族だけではどうしようもない時代に来ている。「無縁社会」ではない支援のある有援社会(やがて有縁社会)を作っていく必要がある」と話されました。
 次の上野千鶴子さんは、「おひとりさまを最期まで支えるネットワークづくり」と題して、介護に関する施設をスクリーンに映しながら、超高齢化時代における施設を説明、自分自身がお一人様ということもあって「在宅一人死は、ひとさまが支えてくれれば可能で孤独死とは言わない。(1)24時間の巡回訪問介護、(2)訪問看護医療、(3)医師の三点セットがあれば単身でも死んでいける。いろいろ介護や看護付きの施設があるけど、自分の居宅があればそこで介護サービスを選んで受けるのが一番いい。昔は施設入所は、家族がいない人が主、今は家族がほとんどいる。家族は、もっと施設を作ってくれと言うが、本当は本人は自宅にいたい。今、子供が少ない、結婚が一生ものでない(離婚も多い)長生きで子供に先立たれることもある、家族持ちでない人も多いという中で、家族や親族に代わる支援、お一人様を支える人のつながりが大切」と結ばれました。
 第二部の対談は、上野さんが進行しながらも、樋口さんの独り舞台のようで、上野さんが話の方向を修正したり、お一人様の上野さんとは違った、娘を持つ樋口さんは、「私が介護を受けるようになったら、ちゃんと面倒見なさい、お世話になった、あのご夫婦(子供がない方)もね」としっかり言いつけている。だって、苦労して育てたんだもの、当り前よ」「中年よ妻子を抱け、老年よお金を抱けでなくちゃ」。 
 上野さんはあくまで、「介護はお一人様仕様にしてほしい」介護の内容充実の為には、保険の本人負担や税も増やして、お金のあるお年寄りはお金を出せばいい」と。
 時間をオーバーしての対談で、終了後の舞台裏でお二人が「楽しかった!」と言っていたことは印象的でした。(ishiki)

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