NPO・999ブログ    本を読んで 考える力を養おう

「自分のできることを できる時に できる処で」
市民的知性の地平を拓くNPOふおらむ集団999

ありがとう! 今年のカンパ金36,928円

2012年09月24日 | 古本市場
信州岩波講座開催日に開かれました「第6回古本市場」が終了しました。
カンパ金は、講座Ⅰ10,092円、講座Ⅱ16,800円、講座Ⅲ10,036円、合計36,928円でした。

提供されたカンパは、昨年と同様、被災地の皆さんに本を提供したいと考えています。

会場へ良書を持参してくださった方、活動を知って送ってくださった方など、たくさんの本のご提供ありがとうございました。
また、開演の前や休憩の寸暇に、古本をお求めいただきました皆さま方のご協力に感謝申し上げます。


第14回信州岩波講座が終わる

2012年09月20日 | 信州岩波講座
 第14回信州岩波講座2012 講座Ⅲ 浜矩子氏と中野剛志氏が持論を展開!

 本年最終となる講座Ⅲは9月8日、約400人の聴講者を迎えて行われました。聴講者数は3講座ともほぼ同じでしたが、聴講者の顔ぶれは講座によって微妙に異なり、講座Ⅲでは50代の男性の姿が多く見受けられました。


 最初に浜矩子さんによる講演。4つのキーワード―――「ファウスト病」「コリント人への手紙」「シェアからシェアへ」「均一性から多様性へ」について、それぞれ15分ずつ時間正確に語られました。表情、語調を少しも変えることなく話の途中に“知的ユーモア”をチラリと交える。これがまたいい。
 「テレビと同じ独特の顔、声、髪の毛。内容も専門的知識があり、聞く価値があった」(70代男性)。「<終わりは始まり>の意味が良く分かりました。包摂性、多様性ある理想郷の考え方、自分の尺度、軸として持ち続けたい」(50代男性)など、理路整然とした話の内容に満足の声が多数寄せられました。


 続いて中野剛志さん、現在の「経済情勢」について、数字やグラフを画像に示しながらわかり易く解説しました。「デフレは自殺者を増やすたいへん怖いもの。このデフレ状態を脱却するには需要を増やすしかなく、今こそ公共投資を積極的に行わなければならない。緊縮財政、消費増税、TPPへの参加―――政府のやろうとしていることはみなインフレ対策ばかり。これではますますデフレを加速させてしまう」と歯切れよい口調で力説。
 聴講者からは、「中野さんが特に良かった。経済対策を政治的主張にしている政治家たちや、自分たち国民の経済への不勉強さが大変問題なのだと感じた」(40代男性)。「中野さんの明快な説明で、現在の日本の置かれている立場もよく分かりました」(50代女性)。「中野さんのお話で失われた20年の原因がよくわかりました。何としても政治を変えることが大事だと思います」(70代男性)、などの声が寄せられました。

 講師二人に対する期待は、講演後の「質問票」の数にも表れ、1時間ではとても回答しきれないほど集まりました。「対談」では、それぞれの考えを述べることで「質問票」に答えるということにしましたが、期待が高かったせいか「対談の時間をもっと長くしてほしかった」との声も数人から聞かれました。

 最後は、信濃毎日新聞社主筆:中馬清福氏による、本講座全体を通しての総括と、節目となる次年度への期待を語っていただき、会場からも大きな拍手がわき起こりました。

信州岩波講座2012・講座Ⅱ池澤夏樹氏の熱演「文明の渚」を語る

2012年09月04日 | 信州岩波講座




肌を突き刺すような強い日差しが照りつける8月26日、池澤夏樹氏を迎えて講座Ⅱが開催されました。聴講者は約400人、講座Ⅰとほぼ同数でした。

まずメセナジュニアオーケストラによるウエルカム演奏。さわやかな響きとなって聴講者の心をほぐしてくれました。そして池澤氏が登壇、『文明の渚』と題して講演。終始一貫たんたんと落ち着きのある声で、3.11後の被災地での体験と考えを述べられました。決して力むことなく、途中で声を荒らげることもない――それがかえって聴いている者の集中度を高め、まるで一つの楽器の音色に集中するかのようにホール内は静まりかえっていました。

後半は、聴講者からの質問に池澤氏が答えるというかたちで進められました。進行役は、信濃毎日新聞社文化部記者の畑谷史代さん。池澤氏の〈見方・考え方〉をより深く知ることができました。

〈アンケートより〉

池澤さんの講演、とても良かったです。テーマ、3.11のとらえ方、日本の姿、日本とは…を考えさせられました。とてもわかりやすい口調で聞きやすかった。3.11の状況は、どの場面でも涙が込み上げてきます。特に原発は反対です。(中野市60代女性)

スタッフをされている皆様、とても感謝しています。震災後、何ができるかと考えながら暮らしてきましたが、改めて見直して、できることをしたいと思いました。(小諸市50代女性)

3.11というと、とかく原発のことで頭が一杯になりがちだけれど、あの震災の大部分である地震・津波への言及がたくさんあり、改めて考えさせられた。ところどころ日本の戦争、オキナワetc…のことも引き合いに出され、様々な問題の多面性と共にそれぞれがつながった問題を抱えていることが良く伝わってきて、レジュメにある「国家論」の部分、もう少し聞きたかった。先日の田中氏の講演とも重なる点が多い講演だったと思う。(須坂市40代以上女性)

最終の講座Ⅲは9月8日、「経済社会のビジョンを描く」をテーマに浜矩子氏、中野剛志氏による講演と対談です。
「TPPへの参加で日本は良くなるのか」「デフレ下における国の政策に誤りはないか」「増税しなければ本当にギリシャのようになってしまうのか」等々。『グローバル恐慌』(浜氏)、『グローバル恐慌の真相』(中野氏)の著者お二人による熱い講演と対談が期待されます。

哲学カフェ2012「白熱討論」沸騰!

2012年09月04日 | 哲学カフェ
ワークショップ「震災・原発報道とメディアの役割」真夏の開催

8月25日、土曜の昼下がり。和歌山から石井晃さん、東京から鈴木孝雄さん、地元の増田正昭さんをコメンテーターに迎えてのフリートーキングが行われました。

紀伊民報編集局長の石井さんは、昨年9月6日付朝日新聞社説の台風報道について、「寝ぼけるな、といいたい。いま現地が求めているのは救助であり救援だ。その優先順位も分からず、小手先の提案や行政批判で何かを語った気分になっている。その傲慢さが腹立たしい。被災者を思いやり、心を通わせようとする姿勢がないのが情けない。では、私たちはなにをなすべきか。続きは明日に。」と、2日連続で担当するコラムに新聞人として怒りの声を上げました。(詳細は著書「水鉄砲抄」に記載)
 
鈴木さんは3・11以後、日本人のどこかが壊れた。記者会見は“国民に開かれた窓”なのに、健全な報道が行われていない。新聞はなぜ死者を映さないのかなど、メディアに対する憂うつを。

信毎で社説とコラムを担当する増田さんは、読まれないページ№1の社説が、ネット社会になり読まれるようになってきた。34万人が避難生活を送っている被災地の現状などについて、できるだけ現地に足を運び読者に伝えたいとした。

栄村で「復興への歩み」(A4、8pを週2回割で発行)を発刊している松尾真さんと加藤彰紀さんからは、メディアから忘れられた存在になっている村の現状について報告。

言いたいことを言う冊子として8年前から発刊している「たぁくらたぁ」では原発問題を特集。野池元基編集長は、文科省が測定する放射能モニタリングのデマ情報について発言。

コーヒータイムの後、参加者の自由討論。「メルトダウン」を講談社から出版したのはアエラの記者で、なぜ本紙に書かなかったのか?国民投票の是非とくに「脱原発」の国民投票の話が出て、それは「脱原発」には賛成する人が多いかもしれないが、国民投票という直接的に賛否を問う形で実施するのは、日本の民主主義にとってきわめて危険である、例えば憲法改正とか再軍備とかに道を開きかねないと懸念した発言があった。地域の限られた問題を扱う「住民投票」と「国民投票」の違いやマスメディアの役割など・・・。

「あれ、おかしいなと疑問に思っていた新聞やテレビ報道について、現場で活躍している方たちから生の声を聞くことができ、勉強する場になりました」(参加の主婦)という声も寄せられました。