NPO・999ブログ    本を読んで 考える力を養おう

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最近読んだ本から

2019年07月17日 | 臥龍つぶやき
『フケ声がいやなら「声筋」を鍛えなさい』(晶文社)  

「健康寿命」に関心が高まり、さまざまな健康情報が溢れる昨今、これもそんな風潮に便乗した一冊かというとそうではない。著者の渡邊雄介さんは、山王病院東京ボイスセンター長という肩書をもつ音声言語医学の専門医である。コーラスグループに入っている妻が、指導者の勧めで買ってきたのだが、長年「声」をつかう仕事に携わってきた身として、勉強になるのでは、という期待から手にとってみた。
 帯には「健康や長寿のカギは『声』と『声筋』が握っている」と書かれている。「声筋」とは耳慣れない言葉だが、声帯の動きに関わる筋肉(群)だという。健康のためにウオーキングなどさまざまな運動を日課にしている人は多いが、声のトレーニングまでしている人は少ないだろう。日々の暮らしの中で声を出す機会(時間)が減ってきたと感じてはいても、声の変化に気付き、それを健康と結びつけて考える人はそう多くないのではないか。しかし、声は健康や長寿とも密接に関わっているというのだ。「声筋」を鍛えるためのエクササイズについても多くの紙幅が割かれているのが嬉しい。
 
蛇足。「あの人は良い声だ」というような言われ方をするが、絶対的なものではなく、好みの要素が大きい。NHK世論調査風に言えば「人柄が信頼できないから」声を聞くのも嫌だということもある。私にとって、毎日のようにテレビに登場するAb、Sgといった人の声がまさにそれだ。傲慢さや不誠実さが声に表れている。(M/K)
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第20回記念信州岩波講座2018Ⅲ 9/23 前川喜平氏・小島慶子氏

2018年10月22日 | 信州岩波講座
教育は「個人の尊厳」と「多様性の広がり」こそ
前川さんと小島さん 共鳴する思い


マイノリティーに寄り添う多文化共生社会へ

 2018信州岩波講座の締めくくりとなる本講座Ⅲは9月23日、須坂市メセナホールで元文部科学省事務次官の前川喜平さん(63)と、エッセイストの小島慶子さん(46)が「学ぶ」を共通テーマに講演しました。異なる人生体験を重ねあわせ、ひと味ちがう<明日の教育>を語り合い、詰めかけた約1000人の聴講者を鼓舞して盛り上がりました。

 講演テーマは、前川さんが「生きることと学ぶこと-個人の尊厳から考える」。小島さんは学びが世界を変えていく-日豪往復で見えたこと」。明治150年と戦後73年の歴史を「くにのかたち」「憲法」の視点から、パラレルに検証した前2回の講座の総括として「教育」のあり方を問うねらいです。


 前川さんは冒頭「教育は両刃の剣」として戦前の国家本位から、戦後の個人主体に転換した歴史の反省をたどり「日本国憲法による“生きる権利”と“学ぶ自由”は密接不可分のかかわり」と強調しました。


 小島さんは生まれ育ったオーストラリアに移住し、自分が日本に出稼ぎするライフスタイルを披露。現地での立場は“ことばが不自由な経済弱者のマイノリティー”としながら「居場所が変われば自分が変わる…これって自由だなと実感できた」と、ユニークな視点を示しました。


 前川さんは40年近くにわたり国家行政の中枢に身を置き、戦後教育を主導してきた立場。他方、小島さんは放送界に携わり、子育ての拠点を海外に転じた実体験をメディアから発信。対照的な半生の歩みです。
 しかし、講演のなかで前川さんは「子ども時代は引っ込み思案で不登校も」。小島さんも「軽度の注意欠陥多動性障害(ADHD)だとわかった」。必ずしも<フツー>ではなかった学校生活を明かしました。
 対談は<個人の尊重>から<多様性の広がり>へと、教育に託す思いが共鳴し合う場面となりました。不登校や夜間中学、障害を抱える子どもたち、増える“移民”などのマイノリティーにどう寄り添うか…<多文化共生社会>の問いかけが会場の問題関心をかきたてました。
 話し終えて、二人がもらしたのは信州岩波講座にかかわる深い思いです。前川さんは「お役所では幹部が好きな雑誌を自由に買って読めました。私は一貫して岩波の『世界』でした」。小島さんは「オーストラリアに移住する前、国内で子育てするなら長野(軽井沢)かな、と考えたことがありました」。
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第20回記念信州岩波講座2018 講座Ⅱは樋口陽一氏と中島岳志氏、講演と対談

2018年09月26日 | 信州岩波講座
樋口陽一氏(東京大学名誉教授) 「戦後日本」を「保守」することの意味
中島岳志氏(東京工業大学教授) 死者の立憲主義

保守すべき「戦後」とは…死者と共に立憲の志を
─ 樋口さんと中島さん 深掘り対論 ─

歴史に照らし「ことば」の捉え直し
 2018信州岩波講座の本講座Ⅱは9月15日、須坂市メセナホールで東大名誉教授の樋口陽一さん(84)と東京工業大学教授の中島岳志さん(43)が登場しました。深い学識と気鋭の論客による、時代に対する危機感あふれる講演で盛り上がり、会場から多く寄せられた質問をもとにした“老若対論”の活況で締めくくりました。
 この日の講演テーマは、樋口さんが「『戦後日本』を『保守』することの意味」、中島さんは「死者の立憲主義」。


 <保守><立憲>に限らず、日ごろメディアにあふれ、私たちが使っている民主、自由、主権、伝統、革命、民意といった言葉は、──見バラバラ状態に映ります。どんな歴史のなかに生まれたか、どんな結びつきがあるのか──お二人はそれぞれの専門分野の立場から、明治維新からの150年、日本国憲法の戦後の文脈のなかに、あらためて言葉をつなぎ直し、めざすべき<くにのかたち>の方向をわかりやすく話していただきました。
 とくに、樋口さんは、戦後の自由の意味には「制約されるべきでない“心の自由”」と「制約されるべき“カネ(経済)の自由”」の両面があり、いまの課題に通じるダブルスタンダードに向かい合う必要がある、と鋭く指摘。


 また、中島さんは東日本大震災を外国で知ったことと、編集者の友人を亡くした体験をもとに、なにが大事で伝えていくべきか──「死者の志」とともに生きることではないか」と語りかけ、根っこにある“研究者の発意”をのぞかせました。


 講演を控え、お二人は興味深いエピソードを披露しました。敗戦時、仙台で学生だった樋口さんは同級の作家、故井上ひさしさん、1年先輩の俳優、同菅原文太さんを追憶し「自由な校風で戦時中でもゲートルを巻くのを強制されなかった。未成年でお酒も飲んだ」。
 中島さんは「3歳になる息子が“大相撲オタク”で御嶽海ファン。なんにも教えないのに戦前力士のしこ名まで漢字で読める。勝負を挑まれるのが体にこたえる」。
 戦後日本の初心や、親から子への継承といった、いずれも講演本番の内容につながっていく印象深い“秘話”でした。

 日程を終えたお二人は、20回を迎えた岩波講座について、地元CATVのインタビューなどに「知人、友人が多く講師となってきた節目に招かれ、うれしい気持ちで話すことができました」(樋口さん)、「どなたも席を離れず、涙をぬぐう方もおり感銘しました。30回、40回と続いてほしい」(中島さん)と語っていました。
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第20回記念 信州岩波講座2018 トップに丹羽宇一郎氏 熱っぽく

2018年09月18日 | 信州岩波講座
元中国大使 丹羽宇一郎氏 
    「日本の国是と未来の姿」



“ハプニング”重なり 会場湧きたつ
 信州岩波講座2018本講座が9月8日、須坂市メセナホールで開幕しました。「今、くにのかたちは-歴史と向き合う」を基本テーマとする節目の第20回。
 皮切りには「日本の国是と未来の姿」のテーマで、元中国大使の丹羽宇一郎氏が登場。「安全保障とは憲法の平和を守り自由貿易のもとで生活を発展させること。それが<国是>。防衛(軍事)の方向とは違うのに、今は本道を歩んではいない。何のために生きるかを問い、自分の声を挙げて」と熱っぽく訴え、約470人の聴講者に共感が広がりました。
 今回は緊張感のなかハプニングに始まり、ハプニングに終わる活気にあふれた会場となりました。
 あらかじめパワーポイントで中国指導部の顔ぶれが並ぶ資料を用意して臨んだ丹羽さん。冒頭、なにか会場の雰囲気が琴線にふれたかのように「教育熱心な土地柄で話すことを楽しみに来ました。資料を使うのをやめ、違った話題で話したい」と驚かせました。
 約1時間半の講演のなか、丹羽さんは抑えきれない思いがあふれ出すかのような場面が見られました。

▽歴史には後になって悔やんでも、もはや戻れないターニングポイントがある。だからいったじゃないか、とこの世を去るわけにはいかない。
▽戦争の体験を語る人びとが少なくなっていく。残虐な実態、国は国民を助けてくれたりはしない真実が若者には伝わらない。ゲームの世界と同じと思い、殺す殺される人間が見えていない。
▽日本の未来、くにのかたちをどうするか-革命的、ベストな道はない。10年、20年の先を考えるベターチョイスとして進むしかない。考えが左、右だからと選択することではない。
▽政治のトップは「声なき声」を100%自分の支持と受けとめる。勇気を出して、できる範囲で自分の声を出さないと。



「じっと座っていては、世界は変わらない」
 講演を終えたところで、またハプニングが起きました。今回はすぐ帰京する急ぎの日程のため、会場との質疑応答は予定されていませんでした。しかし、控室に引き揚げる途中「岩波講座は会場から質問がたくさん寄せられるのが定番です」と伝えると「それならぜひ聴いて応えたい」と再登壇してくれました。
 さっそく会場から「中国大使退任」と「いま個人が成すべき具体的なこと」の質問2点が出され「私はカネや名誉でなく日中関係のためにいうべきをいうが基本。政治の方で使いにくくなったのでは…。官僚の役割を大事にせず、政治が動きすぎた面も」と率直な感想。また「じっと座っていては世界は変わらない。勇気を出してはがき1枚でも発信することが大事」と奮起を促しました。
 丹羽さんの著書の末尾には「印税は著者の意向に寄付されます」と記されています。贈り先は会長を務める日中友好協会と、かつて会長だった国連食糧計画協会。前者は中国からの留学生向け奨学金、後者はアフリカの子どもたち向け食糧支援です。行動する知の人らしい現地体験に基づく「個人が成すべきこと」としています。
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「高校生編」の挑戦!夏川草介さんを招いて200人が聴講

2018年09月17日 | 高校生編
8月25日 信州岩波講座~高校生編 
講師は『神様のカルテ』著者 夏川草介氏
「本は友だち 少年の日々、読書の日々」




 この夏、信州須坂の高校生たちの数年越しの夢がかないました!
 8月最後の土曜日に行われた「信州岩波講座・高校生編」に、須坂の高校生が会いたい作家3年連続第1位(信州岩波講座・高校生編運営委員会内で行ってきたアンケートの結果)の夏川草介さん(医師・小説家)(長野県在住)にお越しいただくことができたのです。
 「神様のカルテ」の主人公に作者の姿を重ねるかたは多いことでしょう。「本は友だち 少年の日々、読書の日々」と題して、ご自身の読書遍歴を真正面から語られた夏川草介先生は、そのイメージに勝る読書家でした! 絵本との出会い、はじめて徹夜で読んだ本、濫読ぶりは漱石にとどまらず、朗々たる『山月記』の暗唱には会場全体で聞きほれました。
 一流の講師から一生の宝物になるお話が聞ける信州岩波講座。須坂市の高校に通うすべての若者に聴講して巣立っていってほしいと願っています。けれども、「高校生編」は、高校生たちに根づいてはじめて活字文化のすばらしさを伝える場になるのです。「自分たちの講座」。彼ら自身がそう思えなければ、高校生から高校生へ伝えていく力は発揮されません。
 ご講演のあと、運営委員会でつくった夏川先生にまつわるクイズに会場全体で挑戦していただき、夏川先生から正解を答えていただく時間を持ちました。これは運営委員にとっても大きな挑戦でした。夏休みを返上して準備をすすめ、クイズを通してたくさんのひとたちと分かち合ったもの、(それは、彼らは気がついていないけれど)あれこそが活字文化だったのです。
 高校生が高校生のために運営する講演会。そんな兆しの見えた信州岩波講座・高校生編でした。
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第4回ふるさと・内山塾 テーマ「教育を問い直す」

2018年08月21日 | ふるさと・内山塾
内山節先生の『ふるさと・内山塾』は、去る7月7日(土)に開催されました。




 今回は85名ほどの参加者がありました。遠く新潟県上越市からの参加者もありました。
 内山さんは、明治(近代)になって教育は国家による教育に大きく変わったと言います。

≪内山さんの講演要旨≫
◎共同体による教育から、国家による教育へ
 近代以前(江戸期)の教育は共同体による教育だった。つまり、家庭内教育や寺子屋教育で、親から子へ、先輩から後輩へ、日常生活に必要な技や技術を伝承させていた。例えば、鎌や鍬の使い方、鋸の目立て、炭焼きの技術、祭りや伝統行事の作法、共同で行う用水の管理、山林の手入れ、火事や水防の対処等々地域共同体の中で、先輩後輩の関係をとおして生活の知恵を伝える共に生きる教育だった。識字率は1900年ごろ日本は50%ほどあり、フランスは10%ほどだった。たたら製鉄は日本各地で行われていて日常生活に必要な刃物などの製造に10万人もの人が従事していた。これらのことを明治政府は、古いもの、遅れているものと排除して、西欧のものをゼロから積み上げることにしたのである。漢方医学は西洋医学に、たたら製鉄から大砲や軍艦を製造できる溶鉱炉を持つ製鉄所建設に切り替えたのである。
 これは国家の求める人材をつくる教育(国家による教育)の推進だった。国家の役に立つ人材育成、勝ち抜ける個人を育成する教育を推進した。勝ち抜ける個人を育成する教育は少数のエリートを育成し、多数の「エリートに従う人」をつくるもので、言わば階層社会を成立させるものである。その階級社会を安定することが国家の安定になり、「優秀なエリート」による強い国家の建設を目指したものである。

◎近代教育はなぜ行き詰まっているのか
 しかし、この国家に役に立つ人材育成、勝ち抜ける個人を育成する教育は現在さまざまな問題を引き起こしている。勝ち抜かなければならないという意識が個人を圧迫しているし、勝ち抜けない人達が下層へと追いやられているのである。また、勝ち抜ける個人の育成は、勝ち抜ける個人の利益を目指したものであり、他の個人は使い捨てられていくことになる。個人を基盤とした社会は、個人主義的、自己責任型社会をつくることになり人々に豊かな「生」を与えることにはならなかった。こうした近代社会のあり方が投影した教育は、世界中でうまくいっていないものになっており、すでに破綻している、行き詰まっていると言える。
 近代社会(明治150年)は成功だったのか、世界中で考える時(=考える問題)である。
関係が自己をつくるという視点から多様な関係をつくりだす教育を
目指すべきは、共同体とともに生きる力の教育である。この共同体は昔の共同体とは違うものである。自然と結び合う、人々と結び合う、共に生きる社会である。その共に生きる社会の中で、役割を持つ人をつくる、そういう教育が必要である。それは伝統回帰することだ。ヒントは過去にある。近代の問題点が発生する前に戻るということ、江戸期にヒントがある。寺子屋的な教育である。それは地域の人から教えてもらう、人は教える立場に立てば学ぶものだから教える立場に立つ人を多数つくる、世代の違う人と遊び、世代の違う人から学ぶことだ。そして子が子に教える教育、地域社会の大人が教える教育をすることだ。
 つまり、様々な人と様々な関係をつくりだす教育をすることだ。教育制度は一つでなくてよい。教育は子が学ぶ場であり、大人も学ぶ場にすることだ。多様な教育の場をつくるのがいい。
 内山さんは、近代教育が行き詰まっている今、豊かな「生」を取り戻すために多様な関係をつくりだす教育を主張しました。

談話会では活発な質問!!

≪講演の後の談話会≫
今回は自分の生活の中での実践に基づく質問が多く出され、時間が足りないほどでした。内山さんの回答要旨は次のとおりです。
Q:ボランティアとして行事をしながら学習支援をしているが、学校教育との板挟みを感じている。どう調整したらよいか
(内山)今の教育は追加のみだ。追加して学んだら次に一つ減らすことだ。やらなくてもよいものまでやっている。例えば小学校でのパソコン教育や英語教育。これらは小学校では必要ない。小学校の先生達は抵抗すればいい。検討して見直すことが必要。

Q:既存のものを改めるのは難しい。どうすればいいか
(内山)現在のきまりを疑ってみる。そして、必要なもの、不要なもの、今やるもの、後でもいいもの、などに分けて考えてみる。

Q:森の幼稚園をやっている。今の学校、子供が子供に教えるものが無い
(内山)子供は工夫の余地があるものをおもしろいと感じる、それが楽しい記憶になる。現在は工夫できるものが無くなっている、工夫できるものを考えることだ。

Q:教育の中で人を評価することが難しい、自分の視点をどこに置いたらよいか
(内山)評価は難しい。ある一面のみで評価しているに過ぎない。
19世紀の教育は、マスターできるかどうかで評価した。できるようになればそれでOKだった。例えば、お稽古事や運転免許を取るのと同じ。日数が多くかかっても短くてもよい、技術をマスターすればよいのだ。20世紀の教育は、時間内でマスターすることが必要となった。時間内にマスターすることに価値を求めたのだ。例えば、入試で60分以内に解けば○で、62分かかって解けば×になる。時間を有効に使う効率化を「善」とする市場経済の考えそのものになってしまった。

Q:普通の生活とそれ以外の生活は
(内山)国が必要とする学力にとらわれ過ぎている。昔の人は役割をこなしただけだ。役割は関係のなかにある。自然との関係、家族との関係、地域との関係、仕事上での関係、そういう関係のなかでの役割を持つのである。例えば、専業主婦は肩身が狭いとか自立していないこと、仕事を持つのが自立だ、と考えるのは考え方の違いに過ぎない。どんな関係のなかでどんな役割を持つか、関係のなかでの役割をこなす、このことは人によって違うのは当たり前、どっちが「真」であるかは関係のあり方の違いだけ。近代化としての、目的をもって実践することや経済的側面のみを重視するのは間違いである。
 関係をうまく作れない人、例えば、新幹線内の殺人事件の犯人などがそうだ。個人がホッとする場所=ゆるい関係の場、成果を出さなくてもいい場が必要だ、こういう場が少なくなった。こういう場を多くつくることがいい。
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第20回記念 信州岩波講座2018

2018年06月12日 | 信州岩波講座
第20回記念 信州岩波講座2018
基本テーマ 今、くにのかたちは─歴史と向き合う



チケット6月9日(土)発売開始!

会 場/須坂市メセナホール TEL.026-245-1800
聴講料/1講座券 各1,000円(学生500円) 当日券各1,200円
    3枚つづり券 2,500円 ※前売りのみ 高校生編には使えません

■講座Ⅰ 9月8日(土)13:30〜15:20(開場13:00)くにのかたち
   講演:丹羽宇一郎氏(元中国大使)
        演題:日本の国是と未来の姿
   ※講演後に図書贈呈を行う予定です。


■講座Ⅱ 9月15日(土)13:30〜17:00(開場13:00)憲法
   講演:① 樋口陽一氏(元東京大学教授)
        演題:「戦後日本」を「保守」することの意味
   講演:② 中島岳志氏(東京工業大学教授)
         演題:死者の立憲主義
   対談:樋口陽一氏・中島岳志氏
 

■講座Ⅲ 9月23日(日)13:30〜17:00(開場13:00)学ぶ
   講演:① 前川喜平氏(元文部科学省事務次官)
        演題:生きることと学ぶこと─個人の尊厳から考える
   講演:② 小島慶子氏(エッセイスト)
         演題:学びが世界を変えていく─日豪往復で考えたこと
   対談:前川喜平氏・小島慶子氏
 

■信州岩波講座・高校生編 8月25日(土)13:30〜15:30(開場13:00)
   講師:夏川草介氏(医師、小説家『神様のカルテ』作者)   
        演題:本はともだち─少年の日々、読書の日々─


〈講師プロフィール〉

丹羽 宇一郎氏(にわ ういちろう)
元中華人民共和国駐箚特命全権大使、元伊藤忠商事株式会社取締役会長、早稲田大学特命教授、公益社団法人日中友好協会会長、一般社団法人グローバルビジネス学会会長、福井県立大学客員教授。1939年愛知県生まれ。1962年3月名古屋大学法学部卒業。同年4月伊藤忠商事入社、主に食料部門に携わる。 1998年4月 同社社長、2004年会長に就任。2010年6月~2012年12月 中華人民共和国駐箚特命全権大使。現在、早稲田大学特命教授、グローバルビジネス学会会長、日中友好協会会長、福井県立大学客員教授。2006年10月~2008年10月経済財政諮問会議民間議員、2007年4月~2010年3月地方分権改革推進委員会委員長。
主な著書として『人は仕事で磨かれる』(文春文庫刊)、『汗出せ、知恵出せ、もっと働け!』(文藝春秋刊)、『新・ニッポン開国論』(日経BP刊)、『負けてたまるか!若者のための仕事論』(朝日新書刊)、『北京烈日』(文藝春秋刊)『負けてたまるか!リーダーのための仕事論』(朝日新書刊)、『中国の大問題』(PHP新書刊)、『危機を突破する力』(角川新書刊)、『人を育てよ』(朝日新書刊)、『人類と地球の大問題』(PHP新書刊)、『中国で考えた2050年の日本と中国北京烈日 決定版』(文春文庫刊)、『心 クリーン・オネスト・ビューティフル』(毎日新聞出版刊)、『習近平はいったい何を考えているのか 新・中国の大問題』(PHP新書刊)、『死ぬほど読書』(幻冬舎新書刊)、『戦争の大問題』(東洋経済新報社刊)、『日本の未来の大問題』(PHP研究所刊)など著作多数。

樋口 陽一氏(ひぐち よういち)
1934年仙台生まれ。憲法学専攻。仙台ー校、1957年東北大学法学部卒業。東北大学法学部、パリ第2大学、東京大学法学部、上智大学法学部、早稲田大学法学部などで教授・客員教授を歴任。日本学士院会員。 『近代立憲主義と現代国家』(勁草書房1973年)、『比較のなかの日本国憲法』(岩波新書1979年)、『自由と国家― いま「憲法」のもつ意味』(岩波新書1989年)、『近代国民国家の憲法構造』(東京大学出版会1994年)、『憲法と国家― 同時代を問う』(岩波新書1999年)『憲法 近代知の復権へ』(東京大学出版会2002年)、『国法学― 人権原論 補訂版』(有斐閻2007年)、『憲法という作為―「人」と「市民」の連関と緊張』(2009年岩波書店)、『抑止力としての憲法― 再び立憲主義について』(岩波書店2017年)など著作多数。

中島 岳志氏(なかじま たけし)
1975年大阪生まれ。大阪外国語大学でヒンディー語を専攻。京都大学大学院アジア・アフリカ地域研究研究科でインド政治を研究し、2002年に『ヒンドゥー・ナショナリズム』(中公新書ラクレ)を出版。また、近代における日本とアジアの関わりを研究し、2005年『中村屋のボース』(白水社)を出版。大仏次郎論壇賞、アジア太平洋賞大賞を受賞する。学術博士(地域研究)。著書に『ナショナリズムと宗教』(春風社)、『パール判事』(白水社)、『秋葉原事件』(朝日新聞出版)、『「リベラル保守」宣言』(新潮社)、『血盟団事件』(文藝春秋)、『岩波茂雄』(岩波書店)、『アジア主義』(潮出版)、『下中彌三郎』(平凡社)、『親鸞と日本主義』(新潮選書)、『保守と立憲』(スタンドブックス)、『超国家主義』(筑摩書房)などがある。北海道大学大学院法学研究科准教授を経て、現在、東京工業大学リベラルアーツ研究教育院教授。

前川 喜平氏(まえかわ きへい)
1955年生まれ.東京大学法学部卒業。79年文部省(現・文部科学省)へ入省後、宮城県教育委員会行政課長、大臣秘書官、大臣官房長、初等中等教育局長などを経て、2016年文部科学事務次官、17年退官。現在,自主夜間中学のスタッフとして活動。共著に『これからの日本、これからの教育』(ちくま新書)、『子どもの人権をまもるために』(晶文社)がある。

小島 慶子氏(こじま けいこ)
1972年生まれ.エッセイスト。東京大学大学院情報学環客員研究員。著書に『屈折万歳!』(岩波ジュニア新新書)、『るるらいらい―日豪往復出稼ぎ日記』(講談社)、『女たちの和平交渉』(光文社)、『解縛―母の苦しみ、女の痛み』(新潮文庫)、『大黒柱マザー』(双葉社)。小説に『ホライズン』(文藝春秋)、『わたしの神様』(幻冬舎)、共著に『不自由な男たち―その生きづらさは、どこから来るのか』(祥伝社新書)、『絵になる子育てなんかない』(幻冬舎)、『その「グローバル教育」で大丈夫?』(朝日新聞出版)など多数。家族と暮らすオーストラリアと仕事のある日本とを往復する出稼ぎ生活を送っている。

夏川 草介氏(なつかわ そうすけ)
1978年大阪府生まれ。信州大学医学部卒業。現在、長野県内の病院に医師として勤務。2009年,『神様のカルテ』で第10回小学館文庫小説賞を受賞し小説家としてデビュー。同作は第7回本屋大賞の候補作にも選ばれ、のちに嵐の櫻井翔主演で映画化(2011年、2014年)される。そのほかの著作に『神様のカルテ2』(小学館2010年)、『神様のカルテ3』(同2012年)、『神様のカルテ0』(同2015年)、『本を守ろうとする猫の話』(同2017年)がある。

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2017信州岩波講座Ⅱ 加藤典洋さんと内田樹さん

2017年09月11日 | 信州岩波講座
長野から東京へ-五輪につながる懸念
内田樹さん“文武両道”の投げかけ


 8月27日に登場した内田樹さんと加藤典洋さん。新幹線は別々で長野駅で合流。内田さんは見上げるような長身、上着のそでをまくりあげ、筋肉の盛り上がった腕で重いカートを引いて現れました。小柄でもの静かな思索家といった加藤さんとは対照的な印象。両氏は久しぶりの再会という。
 内田さんは神戸の女子大を退職し、今の名刺の肩書きは「凱風館 館長」。武道と哲学を両輪とする学びの本拠です。須坂に向かう車がエムウエーブに差しかかったとき「長野オリンピックの遺産はなにかな」との問いを発しました。かつて立ち寄ったスイス・ローザンヌの五輪記念館で「長野招致の功労者として開発企業トップが“ヒーロー扱い”されていましたよ」と話し「でも、長野の人たちにはいま、なにが残っているのかな」と、もう一度問いかけました。
 そして、語調を強めて「東京オリンピックは失敗しますよ」。暑さで記録は振るわず、財政負担が重く残るだけというのがその理由。なにより原発事故の放射能不安を「アンダー・コントロール」の一言で押しのけ、国と企業の思惑がらみの“上からの招致・準備活動”に疑問を示しました。

 「『帝国』化する世界・『中世』化する世界」がテーマの講座本番。内田さんは締めくくりに「人口減少の社会に成長は望めない。“信頼”や“友情”が資産となる」と、文武両道を地でいくアプローチで世界のゆくえを展望。そのうえで「東京は失敗」とする、車中での予測を繰り返しました。
 なぜ長野の過去にこだわったのか…東京の今につながる日本社会の問題を鮮明に線引きして見せた場面でした。
2部はお二人による対談

聴講者からは
・「現実」というものにいかにかかわるか。それは「理想」というものをいかにとらえるか、ということにも通ずるかと思う。その意味で、お二人の論客の示唆するところは大きかった。(70代男性)
・加藤先生のお話が面白かった。「一階」部分で「戦争はいやだ」と叫ぶ力はどの程度のエネルギーを必要とするのか。日本の8月の年中行事のように「戦争だけは嫌ですね」という声はどうすれば「一階」の力となるのでしょうか。(70代男性)
・幕末と太平洋戦争(第二次大戦)との照らし合わせの話はたいへん面白く、なる程と感じました。帝国時代に変っていく、戻っていく話。隙間帝国は大賛成です。人も地球の生物も、西へ西へと流れるコスモ的本能があるとの話も面白かったです。(60代女性)
・内田先生の人間、助け合わないと生きてゆけないという話に感銘を受けました。同感です。安倍首相は地球的外交と称し、百十数か国を訪問したが、肝心の韓国、中国への公式訪問なしという外交汚点を残しているのではないか。(70代) など多数の声が寄せられました。
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2017信州岩波講座 Ⅰ 寺島実郎さん「激変する世界をどう読むか」

2017年09月10日 | 信州岩波講座
「信州のきょうの聴講者はちがう!」
         講座3度目の寺島さん感嘆


 8月5日、メセナホールには3度目、ことしの講師陣のトップを飾った寺島実郎さん。翌朝のテレビ出演のため、東京にとんぼ帰りの慌ただしさでしたが、講演、会場との質疑応答、サイン会の約3時間半のスケジュールをこなし「きょうの会場の真剣な雰囲気は格別」と感嘆の様子でした。
 講演のテーマ「激変する世界をどう読むか」では、世界史と自らの外国体験をもとに、西欧-米国-日本の三角地点を軸に据えた独特の視点から鋭く指摘。併せて、最近は国内の「地域の未来」に関心を注ぐ。目先の景気に目を奪われ、政治や財政が高齢層に偏重する「シルバー・デモクラシー」が地域を荒廃させていくと懸念しつつも「第一次産業と三世代家族を足場にする信州や北陸はむしろ“宝の山”」と評価。沈みがちの会場の雰囲気を盛り上げました。
 講演に先立つ昼食会の席で、注目すべき最近の動きとして「新たな物流拠点として日本海沿岸の港の活況」を指摘。地域の人びとが時代の変化にどう対応するか、固定観念にとらわれず、自分の頭で考えることの大事さを強調しました。また、席上マンガで紹介された幕末の須坂藩主堀直虎が改革派の佐久間象山や赤松小三郎に自ら教えを請うた足跡に関心を示し、須坂の伝統と地域性を見直す口ぶりでした。                                
 聴講者の皆さんからは、
・さすがに話が面白い。眠気も吹っ飛び最後まで真剣に話を聞いた。思わず『シルバー・デモクラシー』(岩波新書)を買ってしまった。(60代男性)
・『世界』を40年購読していますが、直接話を聞くのは有効でした。(60代男性)
・「サンデーモーニング」を毎回見ています。今日は特に世界から見た情報を聞けて良かったです。(60代女性)
・グローバルで次元の高い内容のお話だと思いました。資料集をいただけたことはとても有難く嬉しかったです。(70代女性)などの声が多数寄せられました。
2部では会場からの質問を中心に、内容も多岐にわたりました。

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信州岩波講座2017 3講座とドキュメンリー映画 笑う101歳×2視聴

2017年05月31日 | 信州岩波講座
第19回信州岩波講座2017

基本テーマ:変る世界ー私たちはどう生きるか

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