NPO・999ブログ    本を読んで 考える力を養おう

「自分のできることを できる時に できる処で」
市民的知性の地平を拓くNPOふおらむ集団999

「夏なら信州岩波講座」!  8/10からはじまります!

2014年07月24日 | 信州岩波講座
 未来へ人間らしく  ~希望の社会・そのつくり方~

 信州岩波講座  8/10(日)13:30~
 信州岩波講座  8/30(土)13:30~
 信州岩波講座 9/14(日)13:30~
 会場 須坂市メセナホール
 3枚つづり券¥2500 1講座券¥1000(学生割引¥500)好評発売中です!


「小布施文学散歩」素晴らしい着想「まちとしょテラソ」に感嘆!

2014年07月15日 | 哲学カフェ
「まちとしょテラソ」の「テラソ」とは「小布施から世界を照らそう(terrasow)」との意




タイトルの哲学カフェワークショップは13日、会員ほか11人が参加。小布施町立図書館「まちとしょテラソ」では2代目館長・関良幸さんから、大正12年に県下で9番目に開館した図書館の沿革から現在にいたるまでの経緯と今後の方向性について伺いました。

「学びの場」「子育ての場」「交流の場」「情報発信の場」の4つを柱とし、「交流と創造を楽しむ、文化の拠点」をコンセプトに建設された同館は、ワンフロアで天井が高く、開放感あふれる空間にはBGMが流れていました。工夫を凝らした施設のデザイン性もさることながら、何よりも本や文字により親しんでもらうための活動内容が素晴らしいと思いました。
創作活動を手伝う場として語り部や童話の書き方講座など各種ワークショップの実施。月ごとにテーマを決めた「テラソ選書百選」の企画展示コーナーを設け、7月は「星を読む」で星に関する百冊がスタッフ手作りのポップを添えて展示されていました。また、8月7,8日には開館5周年記念する「開館まつり」として屋外の芝庭園で「コーヒーを飲みながら芝生で読書はいかが」とのオープンイベトを開催予定。
開館時間は9時~20時、年末年始の休みもなく休館は火曜日のみで、今月17日に開館5周年を迎えますが来館者は6・5倍(13年度149,000人)に。その数は尽力された結果だと思います。現在、8月31日必着で「花の童話」(原稿用紙5枚以内)を年齢、居住地無制限で公募しています。(問合せ・026-247-2747同図書館)

関館長は電子書籍について否定はしないが、文芸書は紙から読んで“行間の思い”を感じて欲しいと。またペーパーナイフでページを切りながら読む本や見事な装丁の昔の本が披露され、一同「ホーッ」と歓声を…本は著者・編集者・職人の総合力で作られるものですが、最近は経済効率優先でこだわる余裕がなくて残念ですねと。本をこよなく愛する元出版社出身らしい館長の言葉に納得。熱い思いで語る姿に、図書館の“明るい未来像”を見た1時間半でした。

昼食は泉石亭の2階お座敷を用意していただきました。毎月20冊余り購入するという桜井会長から最近読んだ「平和のための名言」(早乙女勝元著)など数冊の読後感を聞き、種々歓談。美味しい蕎麦や栗ごはんをいただいた後は、「栗の木テラス」のモンブランと珈琲のサービスに女性陣は大喜びでした。苔むした美しい庭園と「栗の木美術館」で名画を鑑賞して身も心も大満足。

まちじゅう図書館見学は、まず「穀平味噌醸造所」へ。本屋で働いていたという経歴を持つ小山店主の食にまつわる専門書をはじめ東洋医学・宇宙など手前味噌な本が並んでいました。巨木のある皇太神社を通り抜け、ぶらぶら歩いて「かねいちくつろぎサロン」へ。明治時代に商家だったお宅には珍しい氷室があり、改装した室内には本好きな内山夫妻の蔵書がズラリ。子どもたちや地域住民たちのたまり場にもなっているそうで、海外生活が長かったという夫人からハーブティーを入れていただきながら交流を図りました。

小布施町は半径2キロ内外という県内で一番小さい面積の自治体ですが、現在、オープンガーデンが130軒、まちじゅう図書館は17店舗で100店舗を目指しています。住民の方が自ら観光客(年間120万人)をおもてなしする「外はみんなのもの、内は自分たちのもの」の考え方がしっかり根付いている。今回の文学散歩では、このことを実感させられ、学びの有意義な一日となりました。

哲学カフェワークショップ「小布施文学散歩」7月13日(日)開催

2014年07月01日 | 哲学カフェ
10時半に小布施町立図書館「まちとしょテラソ」に集合! 

 関良幸館長から「私が目指す図書館」について聞き、館内を見学 
 桜井甘精堂「泉石亭」で昼食後、「まちじゅう図書館」の「穀平味噌醸造所」と「かねいちくつろぎサロン」を見学 
 15時ころ現地解散予定
 参加無料 昼食代は実費 

 まちじゅう図書館は、町内の住宅や店などの小さなスぺースに本棚を設置。訪れた人が自由に手に取り、館長と会話を楽しむ“交流”の場で12か所あります。その他、見どころがいっぱいの栗の町・小布施に友人を誘って参加しませんか。

 申込は7月5日(土)まで。999事務局(アスク内)土谷☎244・1931または松原☎090・4935・5894

谷川氏と正津氏の詩談に時を忘れる その時、谷川氏に「詩仙」の境地をみた!

2014年07月01日 | 哲学カフェ
6/22に250名! 哲学カフェ2014「詩の朗読と対談および談話会」開催 



 朝方から心配していた雨も止んだ6月22日、教科書でお馴染みの国民的詩人・谷川俊太郎さんと、ねじめ正一さんが一番尊敬しているという無頼派詩人・正津勉さんを迎えての「哲学カフェ」に約250人が集いました。

 谷川さんはTシャツにジーパン姿で登場。「老いのレッスンー悼む言葉」をテーマに、第1部は正津さんが91歳で亡くなった母を悼む「骨の股」を。「生命のリアリティーがあって正津さんらしい」と評した谷川さんは認知症になった母を介護した時のSF詩「母を売りに」を朗読。「結婚した3人ともいなくなったでしょう」とプライベートな突込みに谷川さんは、最初の妻の岸田衿子さんや姉の岸田今日子さんと群馬県の学者村で小さい頃からのお付き合いだった思い出話を語り、「櫂」で同人だった茨木のり子さん、映画「東京オリンピック」で脚本を担当した時の市川昆監督、パナソニックの松下幸之助さんなどへの悼詩を披露。目を閉じて聴き入るファンの姿が印象的でした。

 途中、携帯のベル音が鳴りはじめ、誰?・誰?と思っていたら、谷川さんと仲良しの元岩波書店編集者の山田馨さんからでした。「僕、いま詩の談話会で長野にいるんだよ・・・」と。聴衆はしばし、ライブ感覚でその様子を聞くというハプニングも。(山田さんが戸隠に別荘を持っていた関係で、喫茶「ランプ」で故河合隼雄さんとも「詩と朗読と音楽の夕べ」を8回開いています)

 第2部の対談は、「83歳」と思い込んでいる正津さんに谷川さんは「82歳だよ」と何度も応酬する場面が。登山好きな正津さんは山にまつわる著書を多数書いていますが60歳過ぎてから詩の中身が変化してきたようだと。94歳で亡くなった谷川さんの父(有名な哲学者の徹三氏)は、イケメンでいつも女性の親衛隊が2・3人いて母を悩ませていたとのこと。臨終、通夜、喪主としての体験談を語り、長生きはDNAに関係しているかも。

 いま福岡県の介護施設で発刊している雑誌「ヨレヨレ」で10歳の天才画家・モンドくんと仕事をしているが、認知度を測ってみましょうと。その時、ウケねらいで答えたものだから「完全にボケています」と言われた。・・・終始そんなこんなのユーモアあふれる二人の「漫談」に会場は爆笑の渦でした。

 第3部の談話会は長田洋一さんがマイクを持ち、「作家や詩人たちの生の声を聞くことで、より理解していただき、そのことで本を読まなくなる現状が少しでも良くなるのではと、塩尻図書館の“本の寺子屋”もその構想で運営しています」と対談の妙について語りました。

 フロアからは主に谷川さんへ質問
 999会員の宮坂さんが「櫂」のメンバーのその後について、同じく会員の宮崎さんが「鉄腕アトム」と手塚治さんについて、谷川徹三総長時代に法政の学生だったという上田市の教師はポエムについて、とくに20代前半とおぼしき青年からの死の質問に対して「肉体を脱いで魂を残して蝶のように宇宙へ飛んで行くのが楽しみです」と。その他、3・11東北大地震に対する意見なども・・・。

 最後は私のリクエストに応えて「おならうた」を朗読していただき閉幕。サイン会も長蛇の列で人気の高さがうかがえました。
 
 詩の魂にじっくり向き合えたひとときを終え、17時からの市内大門町の粋な居酒屋での交流会には22人が参加。二人を囲んで美味しいお酒を飲み交わしながら2時間余、親睦を深め合い、全員で谷川さん作詞の「鉄腕アトム」を大合唱して散会。