NPO・999ブログ    本を読んで 考える力を養おう

「自分のできることを できる時に できる処で」
市民的知性の地平を拓くNPOふおらむ集団999

5/20 ワークショップで「芥川賞」のアレコレ楽しみました!

2012年05月28日 | 哲学カフェ


「哲学カフェ・ワークショップ」が5月20日、日曜日の昼下がり、長野市役所前のビストロ・リバティーで開かれました。
「芥川賞と石原都知事発言問題」をテーマに長田洋一さんが1時間講演。珈琲タイムの後、参加者全員で約1時間余り談話会を行いました。
 長田さんは純文学の新人作家に与えられる芥川賞の選考や他の文学賞との比較、芥川賞を取らなかった名作、受賞後の第2作を書く難しさなど、今年の受賞者・田中慎也さんを例に語りました。
 なかでも圧巻だったのは、30年前、中上健次が「千年の愉楽」で受賞した時の話です。河出書房新社で編集者だった長田さんは、中上のテンションが上がるまで大酒呑みの彼と連日のように午前様で付き合い、「故郷の和歌山へ行きたい」との申し出に早速、車を飛ばし新宮市の旅館で缶詰状態に。そこからは食事も取らず2時間ごとに7・8枚のペースで書きまくったという、中上との壮絶な付き合いぶりに驚かされました。
 最近の作家で個性的なキャラクターがあるのは、西村賢太ぐらいでしょうと。

 談話会では、芥川賞の賞金は? 純文学と大衆文学の違いは? 日本で私小説が多い理由は? 印税は? 好きな作品は? など多岐にわたる意見交換がなされ、濃密な時間を共有することが出来ました。
 参加者のお一人は「おもしろかった」と次回(6/24)参加を約束。芥川賞作品は全て読んだという人はFaceBookに感想を書いてくれました。信毎の5月22日付文化欄にも取材記事を掲載していただきました。

 次回は6月24日(日)午後2時~娯楽性のある大衆文学の作家に与える「直木賞」をテーマに開きます。編集者として、多くの作家たちとも交友のある長田さんならではのトークショーにご期待下さい! (K.M)

 ★★☆速報;哲学カフェ2012「松本健一氏 司馬遼太郎の世界 7.7」チケット販売佳境へ★☆★

沖縄と福島

2012年05月17日 | おすすめ本
沖縄の本土復帰から40年。5月15日に宜野湾市で行われた記念式典に元沖縄県知事の大田昌秀さんは、「沖縄の実情はお祝いできる状況ではない」として出席しなかったと新聞が伝えていた。日本にある米軍基地の74%が沖縄に集中している。その沖縄では今、「痛みを体験しないとわからないのなら、基地を本土に移して」という考えが広がっているという。こうした報道に接したのと同じ時期に、『犠牲のシステム 福島・沖縄』(高橋哲哉著、集英社新書)を読んだ。高橋氏によれば、福島と沖縄は「戦後日本の国家体制に組み込まれた二つの犠牲のシステムを表している」というのだ。経済成長や安全保障といった共同体の利益のために、誰かを犠牲にするシステムは正当化できるのか?と問いかける。今年1月に出た本なので既に読んでおられる方も多いとは思いますが、もしまだでしたらお薦めします。原発や基地問題を他人事としないためにも。(999会員 K.M)

第14回信州岩波講座2012プログラム確定

2012年05月17日 | 信州岩波講座
第14回信州岩波講座2012実施要項ならびにプログラムスケジュール
■主催者:信州岩波講座実行委員会(構成団体―須坂市/同教育委員会/同文化振興事業団/岩波書店/信濃毎日新聞社/信毎文化事業財団/NPО法人ふおらむ集団999)
■後 援:須坂商工会議所/須坂市高等学校校長会/上高井教育会/須坂市PTA連合会/上高井郡市PTA連合会/須坂新聞社/須高ケーブルテレビ/諏訪市立信州風樹文庫
■協 賛:桜井甘精堂/オリオン機械/長野県酒類販売
■協 力:ひまわりの会/草月流小林孝子教室/長電バス/峰の原高原観光協会
◎聴講券―①3講座つづり券(前売りのみ)2,500円②1講座券(前売り)1,000円(学生500円)③当日券1,200円
◎プレイガイドー信毎事業部、平安堂県下各店など県内有名プレイガイド6月3日一斉発売。
◎事務局:須坂市墨坂南4-5-1須坂市メセナホール内(須坂市文化振興事業団)

第14回信州岩波講座2012プログラムスケジュール
講座Ⅰ:8月11日(土)《新しいライフスタイル》
    14:00  開講挨拶 実行委員長
    14:05  講演①(60分)田中優子氏(法政大学社会学部教授)
『グローバリゼーションの中でどう生きるか』
    15:05  休憩(10分)
15:15  講演②(60分)鎌仲ひとみ氏(映像作家)
     『自分自身が「解決」となるために』
16:15  休憩(10分)
16:25  対談(60分)田中優子氏×鎌仲ひとみ氏
17:25  終了
17:30  サイン会
 講座Ⅱ:8月26日(日)《「3.11」から学ぶこと》
    14:00  メセナジュニアオーケストラ演奏(15分)
    14:20  講演(90分)池澤夏樹氏(作家)
         『文明の渚』
15:50  休憩(10分)
16:00  図書贈呈(15分)
16:15  質問に答えて(70分)
     池澤夏樹氏×進行/信濃毎日新聞記者・畑谷史代氏
17:25  終了
17:30  サイン会
講座Ⅲ:9月 8日(土)《経済社会のビジョンを描く》
    14:00  講演①(60分)浜矩子氏(同志社大学大学院ビジネス研究科教授)
『終わりは始まり~幼稚さとの決別の時~』
15:00  休憩(10分)
15:10  講演②(60分)中野剛志氏(評論家)
『レジーム・チェンジ:恐慌を突破する逆転の発想』
16:10  休憩(10分)
16:20  対談(60分)浜 矩子氏×中野剛志氏
17:20  閉講あいさつ 副実行委員長
17:25  終了
17:30  サイン会

第14回信州岩波講座2012基本テーマ:新しいはじまり――3.11後をどう生きる
天災と人災の複合災害となった東日本大震災。その衝撃はあまりにも大きいものでした。とりわけ東京電力福島第一原子力発電所の事故は人々を放射能汚染の不安に陥れるとともに、日本社会が抱える様々な問題を表面化させました。「成長」や「豊かさ」を追い求めるなかで、私たちはいつしか物事を深く考えることや真実と向き合うことを怠っていたのかもしれません。
「3.11」を機に、社会には様々な変化が生まれてきています。「絆」が時代を象徴する言葉になったように、人と人とのつながりに目が向けられるようになりました。生きることの意味を問い、生を全うすることの大切さが説かれるようになりました。過剰な消費社会を反省し、持続可能な社会を模索する動きも広まっています。また、これまで組織された運動の外にいた「普通の人々」が声を上げ、行動するようにもなりました。それらはたとえ小さく緩やかなものであったとしても、明らかに「3.11前」とは異なる動きです。
これと対照的なのが政治の世界です。旧来の価値観から抜けきれず、この困難な状況をどう乗り越え、将来に結び付けていこうとしているのか、「3.11後」を生きる上で必要な思想も哲学も見えてきません。日本の政治は機能しているのだろうか? 政治への不信感が募るなかで、「民主主義」の意味についても改めて考えてみる必要がありそうです。
私たちは、未来世代にどんな社会を引き渡すことができるのでしょうか。3.11後をどう生きるかは、私たち一人ひとりに向けられた問いかけであるとともに、この国の将来にどう関わっていくかという課題でもあります。「新しいはじまり」の入り口に立っている私たちは、再び「知らなかった」「騙されていた」と繰り返すことがないように、そして「あのとき何もしなかった」と悔やむことがないように、自ら深く考え、明確な意思表示をしていく――それこそが「3.11」から学ぶ教訓ではないでしょうか。叡智を集め、希望ある未来を切り拓きましょう。

哲学カフェ2012松本健一氏「司馬遼太郎の世界」を語る

2012年05月02日 | 哲学カフェ
哲学カフェ2012 プログラム
松本健一氏「司馬遼太郎の世界」を語る
なぜ司馬は佐久間象山のことを
書かなかったのか

■日 時:7月7日(土)午後1時30分(開場午後1時)から
■会 場:長野市問御所「トイーゴ」4F生涯学習センター大会議室
■参加料:1、000円(前売り)
■タイムスケジュール
13:00開場
13:30講 演:「司馬遼太郎の世界―なぜ司馬は佐久間象山のことを書かなかったのか」        松本健一氏(評論家/麗澤大学教授/元内閣官房参与)
14:30休 憩:(コーヒータイム「質問・意見(付せん)」回収
14:45対 談:松本健一氏/長田洋一氏(元河書房新社「文芸」編集長)
15:05談話会:参加者全員で座談 〈司会〉松原京子〈進行〉中島忠生(付せんに書かれた意見などをボードに貼り、集約して進める)
15:45終了
■16:00から松本氏著書サイン会
■松本健一氏著作を主に書籍販売があります
(注)お車でお越しのお客様は、昭和通り向かいの「トイーゴ駐車場」をご利用いただいた場合1時間分(200円)の割引がございます。

主催:NPО法人ふおらむ集団999 共催:信濃毎日新聞社/平安堂
特別協力:須高ケーブルテレビ/アスク「月刊ほっとパル」
協賛:桜井甘精堂/信毎販売センター
後援:信州岩波講座実行委員会/長野県カルチャーセンター/週刊長野新聞社/篠ノ井有線放送虹色朗読会/朗読・たんぽぽの会

▼チケットのお求めは――
 信濃毎日新聞・長野事業部(電)026-236-3366・松本事業部(電)0263-25-2153/平安堂・長野店(電)026-244-4550・川中島店(電)026-286-4545・東和田店(電)026-244-4545・若槻店(電)26-243-4545・須坂店(電)026-246-4545・更埴店(電)026-274-4480・上田店(電)0268-22-4545・上田しおだ野店(電)0268-29-5254/長野県カルチャーセンター(電)0260224-2233/須坂市メセナホール(電)026-245-1800

《問い合わせ》NPО法人ふおらむ集団999事務局 長野市北条町24-4㈱アスク内(土谷)TEL026-244-1931