「哲学カフェ・ワークショップ」が5月20日、日曜日の昼下がり、長野市役所前のビストロ・リバティーで開かれました。
「芥川賞と石原都知事発言問題」をテーマに長田洋一さんが1時間講演。珈琲タイムの後、参加者全員で約1時間余り談話会を行いました。
長田さんは純文学の新人作家に与えられる芥川賞の選考や他の文学賞との比較、芥川賞を取らなかった名作、受賞後の第2作を書く難しさなど、今年の受賞者・田中慎也さんを例に語りました。
なかでも圧巻だったのは、30年前、中上健次が「千年の愉楽」で受賞した時の話です。河出書房新社で編集者だった長田さんは、中上のテンションが上がるまで大酒呑みの彼と連日のように午前様で付き合い、「故郷の和歌山へ行きたい」との申し出に早速、車を飛ばし新宮市の旅館で缶詰状態に。そこからは食事も取らず2時間ごとに7・8枚のペースで書きまくったという、中上との壮絶な付き合いぶりに驚かされました。
最近の作家で個性的なキャラクターがあるのは、西村賢太ぐらいでしょうと。
談話会では、芥川賞の賞金は? 純文学と大衆文学の違いは? 日本で私小説が多い理由は? 印税は? 好きな作品は? など多岐にわたる意見交換がなされ、濃密な時間を共有することが出来ました。
参加者のお一人は「おもしろかった」と次回(6/24)参加を約束。芥川賞作品は全て読んだという人はFaceBookに感想を書いてくれました。信毎の5月22日付文化欄にも取材記事を掲載していただきました。
次回は6月24日(日)午後2時~娯楽性のある大衆文学の作家に与える「直木賞」をテーマに開きます。編集者として、多くの作家たちとも交友のある長田さんならではのトークショーにご期待下さい! (K.M)
★★☆速報;哲学カフェ2012「松本健一氏 司馬遼太郎の世界 7.7」チケット販売佳境へ★☆★