NPO・999ブログ    本を読んで 考える力を養おう

「自分のできることを できる時に できる処で」
市民的知性の地平を拓くNPOふおらむ集団999

いま、[本]の可能性を考える 高橋源一郎×島田雅彦 対談と談話会 を開催します!

2013年04月30日 | 哲学カフェ
創立15周年記念哲学カフェ《対談と談話会》のごあんない




[講師プロフィール]

高橋源一郎(たかはし げんいちろう)氏
1951年広島県尾道市に生まれる。小説家。明治学院大学国際学部教授。1981年、『さようなら、ギャングたち』でデビュー、「群像」新人長編小説優秀賞受賞。88年、『優雅で感傷的な日本野球』で三島由紀夫賞受賞。2002年、『日本文学盛衰史』で伊藤整文学賞受賞。12年、『さよならクリストファー・ロビン』で谷崎潤一郎賞を受賞。他に『官能小説家』『君が代は千代に八千代に』など多数。小説、文芸評論の他に、詩、翻訳も手掛け、また、競馬評論家、ラジオ、TⅤなどでも活躍。日本を代表するアヴァン・ポップ文学の担い手としても注目されている。

島田雅彦(しまだ まさひこ)氏
1961年東京都に生まれる。作家。法政大学国際文化学部教授。84年東京外国語大学外国語学部ロシア語学科在学中の83年、『優しいサヨクのための嬉遊曲』でデビュー。92年、『彼岸先生』で泉鏡花文学賞を受賞。2006年、『退廃姉妹』で伊藤整文学賞を受賞。08年、『カオスの娘』で芸術選奨文部科学大臣賞受賞。他に『天国が降ってくる』『自由死刑』など多数。小説の他に、戯曲、オペラ台本、随筆、作詞、作曲など幅広く活躍。奇抜な語彙を用いつつ、軽妙な筆致の作風で、新世代の作家として注目されている。

◇◆◇◆◇◆◇◆

高橋源一郎さんがNHKラジオの「すっぴんと」いう番組に出演されていて、なかなか面白いですよ」との情報をいただき、4月19日(金)朝ドラ「あまちゃん」を見ず、ラジオに耳を傾けました。

この日のテーマは「初恋の思い出」。初めて肉声を聞きましたが、軽妙なトークとセンスの良い音楽が流れ、「源ちゃんのゲンダイ国語」のコーナーでは、高橋さんが読み解く言葉の秘密が溢れていました。

近著「国民のコトバ」(毎日新聞社)を読みましたが、「萌えな」「官能小説な」「相田みつをな」「VERYな」「洋次郎な」「オトナな」など、どの章も「日本語を読む」ことを生涯のテーマとしてきた“高橋ワールド”に、すっかり魅せられ一気に読みました。

島田雅彦さんとの対談、長田洋一さんとの談話会を、今からワクワク楽しみにしている私です。(責任担当者)

第15回記念信州岩波講座基本テーマ

2013年04月26日 | 信州岩波講座
第15回記念信州岩波講座基本テーマ:岐路に立つ日本――決めるのは私たちです
日本国内のみならず世界中に大きな衝撃を与えた東日本大震災と東京電力福島第一原子力発電所の事故から2年あまりが経過しました。「3.11」直後には、これを機に、戦後の(あるいは日本近代の)あり方を総点検し、新しいスタートにしなければ、という言説が多くみられました。価値観が変わった、暮らしのありようを見直したという人も少なくなかったはずです。果たして、「3.11」は新しいはじまりになったのでしょうか。
「3.11」後初の国政選挙となった昨年末の総選挙は、日本の進路にかかわる重要な選択の機会でした。しかし、原発、TPP、消費税、基地問題など、多くの重要課題について議論が深められることはなく、結果は「民意」が反映されたとはいいがたいものでした。そして今、改憲勢力は国会の多数を占める状況となり、東アジアの隣国との関係も深刻な事態に直面しています。私たち今、戦後最大の岐路に立たされていると言っても、あながち的外れとは言えないでしょう。
政治の不毛は、国民の声を受け止めきれていない政党や政治家の側にこそ大きな問題があるとはいえ、私たちの側にも、政治に不満があっても声に出さない、黙って受け入れてしまうというような傾向がありはしなかったでしょうか。背景には、言っても無駄、どうせ変わらない、面倒くさいといった気持ちがあるのかもしれません。しかし、私たちの未来は、主権者である私たち自身が決めるべきです。「このままではいけない」「何とかしなければ」という思いを抱く人は決して少数ではありません。「3.11」後各地で取り組まれるようになった反原発デモのように、新しい社会運動の形も芽生えています。
社会を覆っているさまざまな問題を「他人事」として見過ごすのではなく、自らに引き寄せて考え、自分にできるやり方で意思表示をしていく(なかなか勇気と根気のいることですが)――そうした努力を積み重ねるなかで政治が身近な存在に変わり、「民意が生きる政治」の実現に近づいていくことでしょう。信州岩波講座が、「行動する市民の力」になることを願います。