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【101206】減りゆくハンター 免許所持者維持へ県が講習・試験数増

2010年12月26日 | 獣害-対策:全般

~ 転載 ~

 1976年度に9千人を超えていた県内の狩猟免許の所持者数が近年は5千人台で低迷している。同時に高齢化も進んだ。県は農作物や林業への被害を減らすため、有害鳥獣の捕獲数を維持しようと免許の講習会や試験の回数を増やすなどしている。

 県森との共生推進室によると、狩猟免許の所持者は1976年度は9370人だった。年々減少し98年度に5605人と5千人台に。09年度は5094人にまで減った。特に火薬銃を使って捕獲できる第一種銃猟免許の所持者は76年度の8567人から09年度は2634人にまで減少した。

 このため県は07年度から、県猟友会が主催する狩猟免許の初心者講習会の経費を年25万円補助。講習会の開催回数を08年度の4回から今年度は7回に増やした。8~10月の平日だった免許試験を土日に開くと共に回数も1回増やして3回とした。その効果もあり、76年度から徐々に増加傾向にあった網・わな猟の免許所持者数は、昨年度は2418人となり、一種免許所持者数に迫っている。県は「捕獲数を増やすためには、免許所持者数を維持しなければ。若い人や農家にも免許を持つ人が増えてほしい」と話している。

 県によると、イノシシが作物を掘り返したりシカが木の皮をはがしたりする有害鳥獣による被害金額は99年度で約4億5千万円。その後、2000年の約5億4600万円をピークに徐々に減りつつあるが、毎年数億円あまりの被害が発生し、09年度は約3億1300万円だった。

 県や市町村、農家は、電流が流れるさくやネットを畑の周りに整備するなどしている。だが例えばシカの跳躍力にはかなわず、それだけで被害をなくすのは難しいのが現状だ。県は「有害鳥獣を元から減らすためには、予防と捕獲を同時に進めなければならない」と話す。

 ■有害鳥獣、食べて有効活用 食肉加工所を訪ねてみた

 杵築市山香町内河野の食肉加工所「山香アグリ」を訪ねた。臭みのないジビエ(野生の鳥獣肉)を提供して消費拡大につなげようと代表の鶴成宏さん(67)が2009年4月、県から補助約2千万円を受けて設立。イノシシやシカの捕獲、解体、販売を一手に請け負う。ほかの猟師が捕獲した有害獣の解体を引き受けることもあり、年約500頭を食肉に加工している。

 鶴成さんは猟銃を使う一種とわな猟の狩猟免許を持つが、販売する獣肉はすべてわな猟でとらえたもの。「わなでとらえてすぐに血抜きすれば、肉の臭みが全くなく、軟らかい肉になる」と話す。

 県によると、イノシシとシカのモモ肉は牛や豚に比べて高たんぱく低脂肪でコラーゲンや鉄分も多く含まれるという。鶴成さんは「女性にはぴったりの食材」と太鼓判を押す。しっかりした販路はまだできておらず、大分市や別府市のホテル、県内の物産店などに出荷している。イノシシとシカのモモ肉スライスは小売価格100グラム500円程度。

 山香アグリは今秋、大分市のショッピングセンターで開かれた地産地消フェアで、里芋やニンジンなどとイノシシ肉をみそで煮込んだシシ鍋500人分を無料で振る舞った。約40分でなくなる人気ぶりで、大分市の主婦(60)は「イノシシ肉は硬いイメージだったけど、軟らかくておいしい。臭みも全くない」。

 県はイノシシとシカの肉を使ったコロッケやワイン煮、カレーなどのレシピを作成し、県のホームページで公開している。鶴成さんは「もっと多くの人にジビエ料理のおいしさを知ってもらい、農業を守るためにも消費と捕獲を進めたい」と話している。山香アグリの問い合わせは0977・75・0367。

朝日新聞


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