きつねの戯言

銀狐です。不定期で趣味の小説・楽描きイラストなど描いています。日常垢「次郎丸かなみの有味湿潤な日常生活」ではエッセイも。

三狐神様のお告げ(3)

2012-04-18 20:58:46 | 日記
(このシリーズはフィクションです。実在の個人及び団体とは一切関係ありません。)

本日は銀狐稲荷にようこそお参りになられました。
私は巫女の葛の葉と申します。
貴女に三狐神様よりのお告げを承っております。どうぞこちらへ。

『私は我がままなんでしょうか?責任感が強いと言えば聞こえはいいですが、要は人に物事を任せられない性質(たち)なんです。何でもかんでも全部一人でできる訳でもないのに、あれもしなきゃ、これもしなきゃって思ってしまって。結果、全部中途半端になってしまって失敗することもありますし、見かねて手伝ってくれた人を恨めしく思ったりもします。どうしたらいいのでしょうか?』とのお尋ねでございましたね?

実際、現実的に一人の人間がこなせる作業量は限られております。貴女も十分おわかりのはずです。個人差はあるものの許容量というものがございます。
「なのにどうして自分は欲張ってしまうのだろう、いや、欲張っているつもりはないのに」と思われていらっしゃいますね?それは貴女が認められたい、誉められたいとう心の叫びなのでございます。

決していい格好しようという訳ではないけれど「ちゃんとした人だ」「仕事のできる人だ」と思われたい、むしろ「きちんとしていない」「できない奴だ」と思われたくない、という方が正解でしょうか?
貴女は自己評価が極端に低く、かつ自らに課した要求水準が極めて高いものとお見受けしました。それは貴女が常に「こういう自分でありたい」と思う理想の自分に向かって懸命に努力されてきたからでございましょう。それ自体は決して悪い事ではございません。そんな貴女を見て周囲の方は「真面目な人だ」「仕事が速いし良くできる人だ」「頑張り屋だ」などと評価してくれたに違いありません。ただ、貴女が一番誉めて欲しかった人だけが決して誉めてくれなかったのではありませんか?それは貴女ご自身ではないかと思われるのでございます。

まるで硝子の絶壁に爪を立てるが如き努力の末にやっと高みに昇りつめても、「まだそんなものか」「もっと上があるぞ」とどんどんハードルを上げるばかりだったのではございませんか?それでも貴女は次なる高みを目指してひたすら昇り続けて来た。いつの間にか自分自身で、いくらやっても「まだ足りない」と思い込む癖が染み付いてしまわれたようでございますね。

しかし、貴女もおわかりのように何もかもを完璧にこなすことは不可能でございます。山のように作業を抱えてどれもがどっちつかずになるよりは、人に任せる方が余程理にかなっております。
問題は貴女が貴女自身を許し、解放し、認められるかどうかということでございます。人に頼むと負けたような気がするのは単なる錯覚に過ぎません。むしろ貴女ならできると思って任せたのに結果的に不十分な出来に終わったとしたらどうでしょうか?貴女の評価は下がりますし信用も無くなります。貴女が苦労して築き上げて来たものも全て台無しになります。そんなことは貴女も望んでおられないはず。そう、理屈では全てお分かりですよね。

では、どうすればよいのかと申しますと簡単なことですが、なかなかすぐに実行するのは難しいかもしれません。それは「できなくてもいいんだ」と心から思うことでございます。「客観的に考えて、あれとそれは何とかできる。でもその上にこれも加わると明らかに無理だ。じゃあ、これは私じゃなくてもできそうだから他の人に任せよう。任せてもいいんだ。」そう心から思うことです。
もし貴女がいくつかの仕事を抱えていて次にしようとしていることを先に誰かがやろうとしてくれたとしたら、今まで貴女は不快になりませんでしたか?「私が今からやろうと思ってたのに何故先にやってしまうの?私は仕事が速いんだからすぐにできるのに。」とかんがえたりなさいませんでしたか?それでも、「私がするから邪魔しないで」などという訳にも行かず内心モヤモヤしておられたのではございませんか?そんな時「その作業は私でなくてもできる。ならば誰でもやればいいんだ。」と思いさえすればよろしいのです。
「私は今、私しかできない大切な仕事を任されている。他のことに気を取られて間違いがあってはいけないから、この作業に集中しよう。他の人ができることはその人がすればよいのだから。」と考えてみるのです。

量より質。「貴女に任せて良かった」と言ってもらえるような仕事をなさいませんか?「たくさん仕事を片づけたね」ではなく「丁寧で上質な仕事ぶりでしたね」と言われてみたくはございませんか?
貴女はご自分への評価が気になっておられるようですが、他人はさておき、ご自身が冷静で公平な目で評価なさっておられるでしょうか?自信過剰はいただけませんが、客観的に見て評価すべきは評価してよろしいのですよ?適正な仕事量を適切に的確にこなすことはごく当たり前のことなのですから、できないことがあって何の後ろめたいことがございましょうか?

もし次に貴女がまた明らかに許容量を超える仕事を抱えてしまいそうになったら、客観的に見つめ直してごらんなさいませ。焦らず少しづつでも慣れて行かれればよいのですから。

お役に立てましたでしょうか?お告げは以上でございます。
またのお参り心よりお待ち申し上げております。

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