１１月の終わりのことでした。
竹田まで仕事に行くのに町で荷物を乗せ
私が運転で男性ふたりを乗せて町を走っていました。
狭い路地から車の往来が激しい通りへ。
車が切れた瞬間、同乗者のゴーサインも出て通りへ。ゴー！
そう思ったのは私だけではありませんでした。
自転車に乗ったおばあちゃんも車の切れ目を狙っていました。
気づいて車を止めたのは道路の中央あたり。
でもおばあちゃんの乗った自転車はそのまま私の車へ突っ込んできました。
そしておばあちゃんは自転車ごと倒れました。
あっという間の出来事でした。
すぐに男性ふたりが車から飛び降りおばあちゃんを抱き起こし、自転車ごと路地へ。
私も路地に車を入れておばあちゃんの元に駆け寄りました。
おばあちゃん、大丈夫？
おばあちゃんは
ああ、信じられん！信じられん！を連発するばかり。
おばあちゃん、怪我ない？病院行かんでいい？
ああ、あんた信じられん人や…。
怪我がないかと言われても服を着てるからわからん！
ああ、信じられん人や。
言われても仕方ありません。車の私が気をつけなければいけないのですから…
ああ、とうとうやってしまった…気持ちはオロオロしています。
おばあちゃんは、もう行くと言います。
でも今は大丈夫でも後で何かが起こるかもしれません。
名刺を渡し、名前、住所、連絡先を聞いて一旦別れました。
そんな後の運転って実にイヤなものです。気持ちを引き締めんといけん。
あ～でもおばあちゃんにその後何かあったらどうしよう…
一日、安定しない気持ちで過ごしました。
夜、戻って来てから連絡を入れると元気な声で
ああ、あんたもういいんで、心配せんでいいんでとおばあちゃんは言います。
でも今から挨拶に行きたいと言うと、家の前に出て待っていてくれました。
今な、風呂に入ったんやけど、怪我も何もしてなかった。心配せんでいいで。
あん時、あんたが先に車を止めてくれたけん良かったんやわ。
私があんたの車にぶつかったけんな。
おばあちゃんは、ちゃんと分析までしていたんです。
胸をなでおろしました。
お見舞いのお菓子を渡すと、
ああ、もうあんた、そんなことせんでいいのに…
いやいや、それですんだから良かったのです。
それにいいおばあちゃんでよかった…
お互いにこれから気をつけようねと言って別れました。
後で気づいたのですが、朝、確かにあった
携帯のパワーストーンのストラップが
不思議なことになくなっていました。
身代わりになってくれたのでしょうか…
本当に運転は気をつけて慎重にしなければ…と肝に命じる出来事でした。
おばあちゃんがいつまでも元気で生活できますように…！
