「あちこちに彼岸花が…」と言いたいが、ここだけにしか咲かない。妖艶に咲く赤い花、私が子どもの頃には「きつね花」と言っていた。
清楚な白い彼岸花は、白花曼珠沙華(しろばなまんじゅしゃげ)ともいうそうだ。私も白色が好き!
9月の台風14号はこれまでで一番大きかったように思う。家の中にいると風の音はまったく聞こえないくらい静かなのに、ベランダへ出ようとしたら戸が開かなくて困った。色女でもないのに「カネと力は無かりけり」だ。こんな時には「男はいらないが、男手が欲しい」よ。
新聞を取りに行こうと玄関の戸を開けたらすごい風。エレベーターまで行くのに通路の外壁につかまりながら歩いたが、吹き飛ばされそうになって何度も立ち止まった。まあどっしり重めの老体だから飛ぶわきゃあないけどネ!
早いものでもう10月、朝晩は秋の気配を感じる。台風シーズンはもう終わりだろうか? 台風14号で汚れたベランダのガラス戸、見るたびに憂鬱になる。1枚ずつでも掃除しようと思うものの、なかなかその気にならない。いつになったらやる気になるかな? そうこうしているうちに年末の大掃除の時期になったりして…。
先日、久しぶりに以前のウオーキングコースを歩いた。枝が折れてぶら下がっている樹々や、すっかり枯れ木になっているものがやたら目立つ。これも台風14号のせいなのかな?
マンションの住人で、前の山の平地に家庭菜園を作っている男性が「台風14号で畑の野菜が全部枯れてしまった」と嘆いていた。90歳近いのに元気で、「採れた野菜はみんなに食べてもらうのが楽しみ」と、毎日朝早くから精出していたのに…。
海の近くでは必ず起こるという塩害である。海から山へ塩分を含んだ潮風が吹き付けて野菜がダメになったらしいが、こんな事は今まで一度もなかったと言っていた。
台風14号が去ってから朝夕はすっかり涼しくなって、ウオーキングは長袖にベストを重ねてもまだ寒い日がある。エアコンは不要になったが、朝晩と日中との気温差にとまどっている。
昨今は異常気象とやらで四季の区切りがあやふやになっている。夏の季節は、大きく4つの時期に分けられるそうだ。
⦿初夏・・・5月半ばぐらいから梅雨入りまで
⦿梅雨・・・梅雨の季節6月中旬~7月中旬頃
⦿盛夏・・・梅雨が終わってから、お盆を過ぎるぐらいまで
⦿晩夏・・・夏の終わり頃
ところが最近、「晩夏」という言葉をあまり聞かなくなった。晩夏とは「暦の上では、立秋の何日か前が晩夏となるが、気象上では、処暑を過ぎた8月23日頃から9月1日頃とされている」とか。が、近年は残暑の厳しい年が多く、晩夏といっても暑い日が続く。長い残暑からいっきに初秋へ、晩夏という季節はなくなってしまったのか。「晩夏」という音の響きが好きなのだが…。
真夏の35℃前後の日々と比べたら30℃なんて、…。何と言っても吹く風の冷たさが違います。家中開け放っていると、時に昼間でも肌寒くなります。台風14号が去って以来エアコンは不要になりました。でもこの心地よい気温も今だけでしょう。
凡河内躬恒という歌人は知りませんでした。今の季節を如実に表したいい歌ですね。さすがshirousagi さんの博識には脱帽です!
夏の終わりは9月初頭では無くなったようで
「暑さ寒さも彼岸まで」の譬えも通りません
季節の変化を感性鋭く表現した「季語」も、段々ずれ始めてしまいましたね。
夏から秋へ移り変わる繊細な表現
凡河内躬恒の和歌 如何でしょう
夏と秋と行きかふ空の通い路は
かたへ涼しき風やふくらむ