ユーミンは、腐ってなどいなかった。
中尾ミエみたいで、カッコ良かった。
シャザーンのような、ロングのポニーテールが、
あれほど、似合う人はいない。
あきれるほど、キラびやか。
それでいて、こそげ落としたデコラティブ。
ライティングも、衣装も、派手さにムダが無い。
あのキャパでも、こだわりの演出は、さすが。
席は、左右からも、タテ横からも、ほぼ真ん中で、
ギリ、表情が見える、良い席だった。
隣の女性が、
「電話したら、チケット完売で、オークションで買った。」と、話しかけてきた。
20分でつながった私は、そうとうラッキーだったようだ。
思っていたより、男性が来ていた。
みんな、ハゲか白髪だ。(笑)
でも、小太りのオバさんが、両手を上に突き出して、
リズムを取っているのを見た時、
「ああ、この人は、私よりもずっと多く、ライブに来てるんだな。」と思った。
懐かしいと思って、見に来たのは、私だけで、
盆踊りのようなオッサンも、バブリーなままの人も、
ユーミン風にオシャレな女性も、
みんな、現役のファンなのかもしれない。
私は、知らない歌が、半分くらいで、
ハイテンションだったわけではないが、
これは、素晴らしいショーだと思った。
キャバレーのダンサーのような、キラキラ衣装で、
ももクロのように、股を広げても、
赤いタータンチェックの、ふくらんだワンピースも、
ユーミンなら、いくつになっても、何でも似合う。
ユーミンを見ていたら、オシャレしたくなった。
オシャレせねばならないと思った。
「シャレオツ」って、選ぶ力を失わない事だと思う。
(SMAPの「シャレオツ」は良い。)
経る時
ユーミンは、昔の歌でも、
今のアーティストとは、クオリティーが違うんだよ。
ああ、こんな歌も、あったっけ。
最初の、「~老夫婦が」で、
私は、静かに盛り上がった。
二度と来ない人の事を
ずっと待ってる気がするティールーム
…さびれた このホテルから
まさに、CLASSICOだね。
ここにいる人達は、
どれだけ、恋や経験を、重ねてきたんだろうと思うと、
涙が出そうになった。
ただ、いつまでも、見ていたかった。
聴いていたかった。
最近のユーミンは、ワールドワイドになってきた。
ユーミンも、それをめざしていると言う。
「シャンソン」は、松任谷夫妻の歌だと思った。
でも、私は、ユーミンには、
ずっと、個人の小さな悲しみを歌ってほしい。
ずっと、ペシミストを描いてほしい。
アンコールのアンコールで、
私も、「ユーミン!」と叫んでみたが、
手拍子とコールで、かき消された。
キーボードは、FNS歌謡祭でも、よく見かける、
少しハゲたオッサンだ。
あの人、有名なスタジオミュージシャンなんだろうな。
あなたは 私の 青春そのもの
ユーミン、あなたに、その言葉、そっくりお返しします。
私は、その夜、ユーミンの夢を見た。
体は、ついていかなくても、
頭の中では、コーフンしまくっていたのだろう。(笑)