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先生からの【子育てinformation】vol.34   

2013-01-10 | 先生からの【子育てinformation】

 こんにちは。

乳児チーム主任兼りす組(0.1歳児)担任の土居美由紀です

 

 

 

今回はどもの脳の育ち方についてします。

 

今、「脳」とか「能力アップ」といった言葉が巷にあふれています。

〝頭脳パン〟なる食品を目にしたこともあります。

子育てにもキーワードとして「知育」や「脳を鍛える」といった言葉が

とり上げられていますが、脳は〝知力〟のみではなく〝心〟もコントロールしています。

〝知力〟を伸ばしたいならば、まず〝心〟を育てなければいけないということが、

近年の脳科学の進歩によって明らかになってきました。

心が豊かに発達するということは、言い換えれば脳が豊かに発達する、

ということでもあるのです。

 

〈胎生期の脳の育ち方〉

人の脳は、受胎後18日目頃からすでに形作られ始めます。

心臓ですら出来始めるのは25日頃です。

脳が人間にとっていかに重要で複雑な臓器かがわかります。

〈出生後の脳の育ち方〉

人は、他の動物と比べてごく未熟な形で生まれてくる動物です。

それが生後1年ほどの間には発語があり、立ち歩けるようになり、

家族をしっかり認識して目を合わせて笑えるようになります。

さらに2~3年も経つうちに、何でも食べ、しっかり走り回り、

自分の意思を人に伝えられるようになります。

 

これは、全て生まれた後に脳がその内部の神経を増やして

どんどん育っていった証拠なのです。

この脳内の神経の発達は、生まれる前からの素因(遺伝子)で決められている

部分も多くあるのですが、実は、最近それ以上に大きく影響するのは、

回りの環境からの刺激、特に“楽しい刺激”であるということがいわれはじめています。

 

 また、“楽しい刺激”以外にも、子どもの脳が育つのに重要な役割を持つと考えられている

“セロトニン”という物質があります。

セロトニンは、「神経伝達物質」といわれる脳内物質の仲間で、

脳のあらゆる部分に広く存在し、睡眠や食欲などといった

人間が生きていく上で基本となる働きもコントロールしている大事な物質です。

また、不安や恐怖の感情をおさえ、穏やかな気分にしてくれる働きがあるため、

「癒しホルモン」などとも呼ばれています。

セロトニンは体内で遺伝子から作られるわけではなく、食事から摂取されるアミノ酸から作られます。

偏りのないバランスのよい食事をきっちりとることや、太陽の光を浴びること、

早寝早起きの規則正しい生活をすること、適度な運動、ストレスの少ない生活が

セロトニンを増やすのにとても重要であると考えられています。

 

乳幼児期早期から知力トレーニングを詰め込まれた子どもよりも、

いつもニコニコと楽しく、健康で食事を楽しむことができる「当たり前の生活」を

している子どもの脳のほうがうまく育ちやすいということは、脳科学の研究成果からも明らかです。

子どもを育てる=脳を育てる=知力と心のバランスをとっていくことを心がけましょう。

心を豊かにすることを意識して育てた脳は「知力」にも溢れます。

 

参考文献:芽ばえ社  「子どもの脳は食から育つ」

            成田 正明、成田 奈緒子、小川 雄二