ISO成功法

ISOと継続的改善を両立させよう。ISOは継続的改善のための、基盤整備に役立つ。基盤整備と継続的改善のコツを整理したい。

7.診断と治療

2006-12-12 | 継続的改善52
品質管理は数あるマネジメントの手法の中でも診断に重点をおいた実践的活動である。
ISO以前の品質管理の特色はトップ診断が実施され、経営者が自ら診断することにより、PDCAをまわしたことである。誰しも「自分の体のことは自分が一番良く知っている」と思っているが、「医者の不養生」の例えがあるように、過信は禁物である。
もともとマネジメントの専門家である経営者が科学的かつ客観的な診断をするので自社の実力を正しく評価することができる。
もとより「診断」は、自社の強い点や改善すべき点を明確にすることである。多くの経営者が自分のPDCAについて反省をし、「宝のもちぐされ」ともいえる自社の強い点を発見することができる。
当然のこと、このためには周到な準備と品質管理の手法が使われる。

品質管理の草創期には日本ではコンサルタントとよばれる人がいなかったから、大学の先生方が経営者の助言役になった。コンサルタントのプロでもない人が助言するので、遠慮もなく、日本の製品の品質をどう高めるかに重点がおかれた。デミング賞も大いに貢献した。
デミング賞の審査は、二つのスケジュールで運営される。
Aスケジュールとよばれる審査は受診側から品質管理による成果が発表され、その範囲での質疑が行われる。この発表は主に品質保証のような部門間連携の活動の成果を中心に発表する。組織の特色である強い点をアピールしてそれをより強くするためのアドバイスをするわけである。
もう一つの審査の方法は、Bスケジュールという方法で、これは審査側からの質問を中心におこなわれる。Aスケジュールが機能別であったのに対し、部門別に現状把握するのが目的である。

さて、ISOの監査である。経営者自ら審査するのでなく、内部監査員が監査してその結果を報告するしくみである。経営の実務を知らない監査員がISO規格を基に監査するので、経営という側面より、規格の解釈に追われる。注意しないと形骸化したシステムを作る可能性がある。

正しい診断がされて、正しい治療がされる。
診断と治療はバランスがとれてなければならない。
診断のみ名人になっても、治療が不十分ではよくならない。
診断の出来ない医者はやぶ医者である。ただし、治療があってこそ診断も役に立つことを忘れてはならない。

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