ISO成功法

ISOと継続的改善を両立させよう。ISOは継続的改善のための、基盤整備に役立つ。基盤整備と継続的改善のコツを整理したい。

6.確約、確保、確認

2006-12-11 | 継続的改善52

ISOでは品質保証と顧客満足を別にとらえているが、顧客満足のない品質保証はない。
また、顧客に向かって要求を満たすだけのシステムを作っても企業内部の役に立つシステムでないなら、実践できるシステムにならない。最近、顧客をだますような程度の低いうそが蔓延するのは、品質保証と顧客満足を分けて考えるからである。顧客も供給者も共に満足するためには、顧客と供給者が同等の関係でなければならないが、顧客のみの満足を考えたシステムは供給者側から考えると無理の多いシステムになる。
従来の日本の品質文化では顧客満足と品質保証を矛盾なく一つのシステムに組み込んで運営していた。欧米流の品質管理が日本に何をもたらしたか考えてみれば、欧米流の契約社会の限界がわかるはずである。

品質保証とは、顧客の要求のうち出来ることを約束(確約)し、それを開発のプロセスや製造工程でつくりこみ(確保)、検査で確約されたことが実現したか確認するプロセスである。この確約、確保、確認の全体を品質保証という。
また、品質保証は多くの活動で成り立っているが、一つ一つの活動に、確約、確保、確認がある。また、目的により結び合わされた活動の全体を品質保証体制とよぶ。日本の品質管理は品質保証を品質管理の目的と考え、品質保証体制の整備をおこなってきた。

品質保証体制は品質保証のフローチャートで表現するが、品質保証活動の相互関連を理解するのによいが、個々の活動の前後関係や活動の詳細であるインプットとアウトプットの関連などは、一覧表にまとめるとよい。これを品質保証活動一覧表とよぶ。
また、インプットとアウトプットは具体的帳票にしたほうが情報の受け渡しの漏れがなくなる。この品質保証に役立つ帳票、品質表、QA表、QC工程表、作業標準書などを関連付けることを品質展開:QFDとよんでいる。当然要求品質の展開だけでなく、技術の展開も同期化しておかないと、目標とする品質の達成はできない。

このように考えていくとシステムが膨大になり実行に無理が生じる。
技術的にも全くの新規を開発する場合と簡単なマイナーチェンジの場合とでは、品質保証活動は区別すべきである。基本とするシステムを製品にあわせてどのように運営するか決め、品質保証計画を作成する。またこのような品質保証のパターンを決めたものを「スキップ標準」などとよんでいる。新製品開発は大きなプロジェクトだからその総合管理のために「PERT/QC」と呼ばれる手法が使われることがある。
このように考えただけでもシステムは複雑になるが、企業、開発の実態にあわせて実行可能なシステムを検討すべきである。

コメント    この記事についてブログを書く
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする
« 5.関係性の回復 | トップ | 7.診断と治療 »

コメントを投稿

ブログ作成者から承認されるまでコメントは反映されません。

継続的改善52」カテゴリの最新記事