ISO成功法

ISOと継続的改善を両立させよう。ISOは継続的改善のための、基盤整備に役立つ。基盤整備と継続的改善のコツを整理したい。

27.生産準備段階の品質の作りみ

2009-03-24 | 継続的改善52
規格7.5.1:製造を計画し管理された状態で生産すること。
その管理された状態とは次のような条件を満たす状態をいう。
製品の特徴、特質などを記述した情報が利用できること。作業手順が利用可能であること。
適切な設備が使えること。的確な監視機器、測定機器が使えること。規定された監視及び測定が実施されていること。次工程や顧客への引き渡しが決められたとおり実施されていること。などである。 

設計の最終プロセスが生産設計である。同時に、生産の入り口が生産準備段階である。日本製品の品質が良かったのは、生産準備段階の管理に力を入れたからである。
ISOではこの段階が極めて不明確である。 
75.1は製造における原因となる、機械、人、方法、材料などのいはゆる4Mといわれるものが正しく準備されているかの確認をすることを要求している。

設計の機能は要求品質の具体化であるが、企業にあっては経済的生産が可能でなければ意味が無い。品質に優れ、安定的生産が可能で、経済性が確保できた生産設計をするには、設計者が製造を熟知してなければならない。

設計と製造の橋渡しをするのは、生産技術であるが、この部門に十分なスタッフ力が必要である。

生産準備段階の目的は、品質と原価の目標を達成する設備、材料、人、方法の4つのMを管理された状態にするため生産工程の管理の方法を確立することである。
この管理の方法は「QC工程図」などに管理標準としてまとめられる。

この管理標準は、工程で品質を作りこむための設備の操作、保守点検の方法、作業標準などが作成され、品質と経済的生産の管理の方法を示したものである。これを量産に移行する前の段階で確立することにより、量産後の安定生産ができる。

デミング博士は管理図を書いてこのことを説明された。
「管理図の管理限界という幅については製造の管理者が責任を持ち、その範囲で生産するのは作業者の責任である。」
これは管理図による製造工程の管理についてデミング博士の哲学と理想を示したものであるが、このような工程にすべきである。

最近、現場の管理の集大成であるQC工程図が生産の準備段階でつくられることは少ない。
管理者が現場を見てないからであろうか。

この不足を補うため、自動車業界の規格ISO/TS16949である。
この名称は「品質マネジメントシステム――自動車生産及び関連サービス部品組織のISO9001:2000適用に関する固有要求事項」である。

7.5.1 製造及びサービス提供の管理には、多くの補足が加えられている。これはISO9001の生産準備段階の不足を補うものといえる。この要求は以下の項目である。生産準備段階の不足を補うために活用されたい。
7.5.1.1 コントロールプラン
7.5.1.2 作業指示書
7.5.1.3 作業の段取りの検証
7.5.1.4 予防保全及び予知保全
7.5.1.5 生産治工具の運用管理
7.5.1.6 生産計画
7.5.1.7 サービスからの情報のフィードバック
7.5.1.8 サービスに関する顧客との合意契約

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