ISO成功法

ISOと継続的改善を両立させよう。ISOは継続的改善のための、基盤整備に役立つ。基盤整備と継続的改善のコツを整理したい。

39. プロセスの監視、測定

2009-04-14 | 継続的改善52
規格8.2.3:プロセスで計画した目標の達成を監視、測定すること。計画が未達成の場合は是正処置をとること。

品質マネジメントシステムは、品質方針・目標を達成するためのPDCAである。
ISOでは、次の各プロセスで品質マネジメントが構成される。経営者の責任(5章)、資源の運用管理(6章)、製品実現(7章)、測定、分析及び改善(8章)、このそれぞれがプロセスであり、それらの相互関係を明確にしたものが、品質マネジメントシステムである。
当然ISOには基本のみ示されているから、組織の現状や品質方針・目標の達成のために強化したいプロセスを決めて品質マネジメントシステムを追加修正すべきである。
ただし、あまり複雑なシステムにしないように、基本を大切にするのは、いうまでもない。
基本、基盤という土台の上に組織の目的や使命に合う家を建てればよい。
必要以上に土台を強化しても住みやすい家ができるわけではない。要はバランスが大切である。このバランスをとるため、日常から監視と測定が必要になる。

ISOでは、品質マネジメントシステムの重要なプロセス、製造工程、製品という3本柱について監視、測定することを要求している。
生産準備段階、量産開始後の安定生産移行可否の段階などは重要なプロセスであろう。
これらの段階で目標を達成するための生産準備ができたか、特に品質の安定が保証できない場合は原価に影響するため、工程能力調査をおこない品質の現状を評価すると共に、今後の工程の保証のために管理図などで安定状態を確認する必要がある。

どの段階で品質の現状を把握するか、その具体的手段として工程能力調査や管理図をどう使うか計画しておくとよい。
管理のための計画(コントロールプラン)は必要最小限で実行可能なことのみ決めておくべきである。
コントロールプランには製造工程の監視および測定の計画として、監視と測定の具体的方法や収集したデータの管理の方法を整理する。
必要に応じて、試作段階、生産準備段階、量産段階などで使い分けるべきである。

日本の自動車関連メーカでは既に50年前から、初期流動段階のQC工程表と量産段階のQC工程表を使い分けて成果を上げていた。
日本の自動車の新車での立ち上がりが良いのは、このような管理の努力によるものである。
最近この基本が忘れられたために、初期の段階での不良やクレーム、リコールなどが増えている。文書化でシステムのみ複雑になり、運用や管理が不十分なために発生する問題である。
「仏つくって、魂いれず」という言葉がある。
多くの仏様を作りすぎて、拝む暇もないようでは、ご利益も得られない。
そんなISOにならないようにすることが、大切である。

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