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ISO成功法

ISOと継続的改善を両立させよう。ISOは継続的改善のための、基盤整備に役立つ。基盤整備と継続的改善のコツを整理したい。

5Sの次のS

2006-02-24 | 高シナジー経営
整理、整頓、清潔、清掃、躾、が5Sだが、その次があるらしい。

最近 面白い会社にいった。
アイディアマンの工場長は次々に工程に手を加えるため現場が雑然としていた。
1年前から始めたISOも凝り過ぎたシステムで文書の構成が煩雑で理解しにくいものであった。

工場長が自信満々で受けた審査で、現場の整理整頓のことを厳しく指摘された。
工場長は腹が立ったが、しばらくして審査員を見返してやれと思い、5Sを徹底することにした。

何事にも真剣に取組むと先が見えてくる。
現場の5Sに取組んだついでに、多少審査員をいじめてやれと思い、ISOの5Sということを考えついた。

ISOの整理整頓をするため、まず文書の体系を検討することにした。その結果、いまの実力からは不要な文書が多いのが、見えてきた。

現場もきれいになると通路も広く取れるようになった。
始めは工程の中にあった不良品置き場も、無くし、不良品はあえて広くなった通路の真ん中に置くようにした。
広い通路に邪魔な不良があると誰の目にも無駄に見える。
これを無くすことが、清潔、清掃である。
この意識を現場の皆で共有することが、躾である。
審査員に対する工場長の5Sの回答である。

しばらくたってこの工場長に電話してみた。
今新しいSに取組んでいるとの事。
潜在的問題という見えないSだそうである。
会う約束もさせられたので、近く、工場長の自慢話を紹介できると思う。
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責任権限の裏側

2006-02-23 | 高シナジー経営
責任とは達成すべき目標であり、権限は目標達成のための条件である。
この定義は非常に明快である。

責任の重要性を知るには、責任権限の委譲について考えればよい。
たとえば「誰も手が空かないので穴埋めに頼む」という仕事と「君の能力を見込んでこれを頼みたい」というのでは、責任の重さが違う。責任の受け取り方が違うのである。

誰でも普段見せないが、大きな可能性、潜在的な力を持っている。
俗に言うところの「火事場の馬鹿力」である。

火で思い出したことがある。
人間には、「現実には程遠く、困難な、はるか離れた微かな光を、情熱の炎に燃え上がらせることができる」という能力がある。

ほんの少しの思いやりと動機付けで、人の能力を引き出すことができる。
このためには、人の気持ちを感じそれに答える能力が要求される。
応答(Response)できる能力(Ability)、RESPONSIBILITY(責任)である。

部下に責任を持つということ。
上位者に責任をはたすこと。
自分自身に責任を持つことを考えたい。
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継続的教育

2006-02-22 | 高シナジー経営
組織は信頼と安心でできている

ISOは経営の基盤整備が目的である。
何のための基盤かは、品質方針で経営者から示され組織に展開される。
組織にどのように展開され実践的活動となるかは、常日頃の教育訓練と信頼感や安心という、双方向で決まる。

この双方向は効果が出るまでに時間がかかる。
ただし、一度成果が出てそれが維持されると、組織の文化、伝統となり継続され、引き継がれていく。ただしそのためには、継続的教育と継続的改善が必要となる。

このようなことを十分できる組織かどうかを判断するには、時間が要らないが、そのような組織になるには時間がかかる。
そのため教育訓練は継続しにくい。

教育訓練に対する投資は当然のことながら将来に対する投資である。
短期的な業績のみ気にしていては、投資のタイミングを逃すことになる。
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経営革新マニフェスト

2006-02-20 | 高シナジー経営
ISO規格は経営革新のマニフェスト(宣言)である。
マネジメントシステムをISO規格にしようという発想は品質管理で高度成長を実現した日本にもない発想である。
ないというよりも及びがつかないことであった。

品質管理の普及を目的とする組織では、それぞれ自分の組織の目的にあわせた事業を推進している。
日本規格協会のJISの普及、日本科学技術連盟のデミング賞、日本生産性本部の品質経営賞などである。
ところが日本では普及を目的とした賞が企業の差別化の看板になってしまう。

ISO規格のすごいところは、企業の目的を問い直したところである。
ISO9001では、利益中心の企業の目的を品質にしたこと、14001では環境重視の経営を奨励したこと。

これらは経営者が社会に対してコミットメントを行うことを要求している。
心ある経営者にとっては、「経営革新のマニフェスト」のお手本がISO規格であることが、理解できるだろう。

さて、現実的に考えた場合、利益が経営者にとって最優先の目的になることが多い。
ただし、何のための利益かを問い直す必要がある。利益を得て何をするのか、どう金を使うのか、この先に目的がある。

ISOマニフェストでは、品質を目的とした経営を宣言し具体的活動として実施することを要求している。このことの重要性をもう一度問い直したい。
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ボトムアップ

2006-02-19 | 高シナジー経営
「ボトムアップ」ということを誰が言い出したんだろう。
トップなのか、ボトムなのか.

もし、トップだとしたら、自分で現場を歩き回って自分の思いが現場に行き渡ってないのを知り、本当の気持ちを知りたいと思った、心あるトップに違いない。
もし、ボトムだったら、上意下達の一方交通にいらいらした誰かが、上位者に気がついてもらいたくて、発見した言葉に違いない。

上が求めるのは、生産性や効率など数字で表せるものであることが多い。
それに対して現場が求めるものは、働きやすい職場、生きがいを感じる仕事である。
そのようなものを、トップは客観的に把握しているのだろうか。

以前、利益はお客様の満足料という言葉を聞いたことがある。
それを言ったトップは恐らく哲学的な意味をこめて言ったと思われる。
しかし、組織の階層の中でそれが伝達されるうちに、だから、ともかく、利益をあげることだと理解された。

言葉により真実の意味を伝達するのは本当に難しい。
一方交通だけでは、言葉が暴走する。
両方向のコニュニケーションを大切にしたい。
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再び みるということ

2006-02-18 | 高シナジー経営
 「あなたがたは、目があるのに見ず、耳があるのに聞かず、口があるのに真理を話さない」。
聖書の言葉だったと思う。
日本の「見ザル、言はザル、聞かザル」と比較すると対称的である。

さて、ものごとを正しく見るのはきわめて難しい。
 心理学者のE・フロムによると人は「自分の属する文化のパターンと両立しえない思考あるいは感情を自覚することができず、それらを抑圧することを余儀無くされる」とのことである。

自分のめがねでものを見るということだろう。
以前「バカの壁」という本が評判になった。
壁、フィルター、シャドー(影)などのパターンをパラダイムという。
このパラダイムが邪魔をして真実が見えないことが多い。

純粋に物事を捉える見方には、いくつかの方法がある。
正しく見る技術を身につけること。
その技術を超えてトータルに見ることである。

以前読んだ文章に答えがあった。そうできればよいのだが。
「少し目を覚ましなさい。自分の言語パターンから目を覚ますのだ。言葉に酔いしれるのはやめなさい。・・・・そうすればものごとはとても簡単になる。ものごとは本当に易しい。ものごとは非常に単純だ。真理は単純そのもの、あなたが複雑なだけだ。真理は今ここに在る。あなたが遠く離れ、言葉、経典、理論、体系、哲学のなかに我を失っているだけだ。」   

道は近くにあり而してこれを遠きに求む
事は易きにあり而してこれを難きに求む
               孟子
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見る、観る、診る、看る、みる (1)

2006-02-17 | 高シナジー経営
ものごとを正しく見ることは、難しい。
小さい子どもに笑いかけるとその何倍もの純粋な気持ちで笑い返してくれる。
心の中まで見られた気がして恥ずかしくなった経験がある。
真っ直ぐにものごとを見るというのはあんなことを言う。

大人になると、目が曇って来る。
自分の思い込みや経験で見るから本当のものが見えないことが多い。

そのため、見方に工夫がいる。
インドでは、第三の目でみるという見方がある。
仏教には「五眼」という見方があるそうだ。
完全に理解してないうちに説明するのはおこがましいが、つぎの「五眼」である。
「:」から先の解説は私がつけたので、間違いがあれば訂正していただきたい。さて
 
肉 眼 : 肉体の目で「見る」こと
 天 眼 : 科学的に観察し「観る」こと
 慧 眼 : 善悪にこだわらずものごとの真の関係を「診る」こと
 法 眼 : 澄んだ心で全体を「看る」こと
 仏 眼 : 全てを兼ねそなえた慈悲のこころで「みる」こと
これが、「みる」ということのようだ。
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見る、観る、診る、看る、みる (2)

2006-02-17 | 高シナジー経営

また、ものごとの真相を理解するときの心得に「十如是」というのがある。
  如是相   相:姿、形
  如是性   性:性質
  如是体   体:大きさ、寸法
  如是力   力:重力、重さ
  如是作   作:作用
  如是因   因:直接的な原因
  如是録   録:間接的な原因
  如是果   果:直接的な結果
  如是報   報:間接的な結果
  本未究竟等  :全てがつきつめれば同じこと
この「五眼」と「十如是」を組み合わせると次のようになる。
① 相、性:多くの現象の中から解決すべき問題を発見する。・・・課題、テーマの選定
② 肉眼:問題の事実をどう捉えるか考え現象を「見る」。・・・問題解決の計画作成
③ 体、力、作:問題とデータと事実で見る。・・・現状把握と目標の設定
④ 天眼:因果関係を把握しながら「観る」・・・要因の解析
⑤ 因、果:解析結果から因果関係を整理する。・・・解析のまとめと対策の検討
⑥ 慧眼:解析結果を診断する。・・・対策の実施と効果の確認
⑦ 録、報:問題が解決されたか、他に影響がないかみる。・・・歯止めと標準化
⑧ 法眼:標準にそって実施し、問題がないか「看る」。・・・維持管理
⑨ 仏眼、本未究竟等:全体をトータルに「みる」・・・今後の展開


以上のプロセスは品質管理の問題解決、QCストーリーといわれるものと同じである。問題解決の極意は昔からあったのが理解できる。
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パラダイムシフト

2006-02-16 | 高シナジー経営

危機のときこそ前に進む活動の指針がほしい。
過去において何度もこのような状況を切り抜けながら、混沌のなかで何も手が出せないでいる。
迷路のような穴に入り込み出口の光が見えないのだ。

少しの光でもあればそれを希望に前に進める。
黒船以降の外圧に対する日本人の対応を集団ヒステリー症といった人がいるが、集団でのパニック、そんな状態が続いている。

さて、日本は従来、外から新しいものを取り入れる必要性にせまられると、二者択一をして過去を切り捨ててきた。
あまりにも簡単に、新しいものを選び、古いものを捨てる。

歴史や文化を粗末にする国は一流国といえない。
国際化の今こそ、従来築き上げた文化の誇りと自覚の上で多様性を認めることが大切と思う。

中国には、古いものと新しいものを融合させる「与古為新」、古きにあずかり新しきを為す、という言葉がある。
また、日本にも、与古為新の精神を活かす「師の跡を求めず、師の求めたるところを求めよ」という弘法大師の言葉がある。この言葉は、芭蕉が弟子達に与えた言葉だそうである。

さて、いまこそ、日本が一番元気だったときの成果とその時代の先輩たちの「求めたるところ」と新しいものを融合しつつ現状打破すべき時である。
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「勝つべくして勝つ」

2006-02-15 | 高シナジー経営
スポーツなどの勝者を賞賛する「勝つべくして勝つ」という言葉がある。
勝つために、今何をすべきかという目標が明確で全員が理解して実行してなければならない。
このために現状把握をして、強い点を正しく自覚することが大切である。

自覚してないなら、どのような事が強い点か示せばよい。
これが方針である。ただし、方針は強い点を引き出し欠点を取り除く戦略がなければならない。
長所が出て短所が出なくなれば、どうなるか予測して目標を決める。
このように、方針には目標、方策が含まれてなければならない。

つぎに、組織で勝つためには、強い点を育て、勝つための訓練を繰り返すことが大切である。方針の展開とはただ伝達するだけでなく、強い点を日常の活動となるように、教育訓練することである。
この教育訓練も方策に含めるとよい。

以前、品質管理の米調査団の報告書に、「アメリカの監督者は監理監督をするが、日本の監督者は教育者である。」といった内容があった。

最近、このすばらしい日本の文化がなくなっている。
よい点を学ぶことを心掛けて、悪い点は学ばないことである。
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