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ISO成功法

ISOと継続的改善を両立させよう。ISOは継続的改善のための、基盤整備に役立つ。基盤整備と継続的改善のコツを整理したい。

量的目標と質的目標

2006-03-08 | 高シナジー経営
「正しい目標を目指す意識のシナジー効果が新たな光をつかむ」と書いた。

仕事は目標で成り立っている。
組織から期待され要求される目標と自分が達成したい目標で成り立つ。
組織から期待され要求される目標は売上や利益のように量的目標であることが多い。いつまでに、なにを、どのくらいという数字で表せる目標である。
それに対し自分の目標はいかに仕事に意義を見出し、楽しくするかという仕事の質的側面に関係するものである。

この両目標にギャップが無くバランスがとれる範囲で仕事が成り立つ。

しかし、組織は量的に成長し過ぎることがある。
いい顧客や市場に恵まれ製品が受け入れられると努力以上に成長する。
成長しすぎるというのは、量的成長と質的現状にギャップができることで、体は大きいが精神は未熟と同じように、外的な環境変化に対応するのが難しく、不安定な状態である。
「無駄飯食い」や「粗大ゴミ」は組織の内部崩壊の原因となる。

そのようなことがおきないために、組織は絶えず質的目標の達成に向けて経営の基盤整備が必要である。教育訓練、ISOや継続的改善はその手段である。
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パラダイムシフト

2006-03-07 | 高シナジー経営
価値観、世界観、人生観などをパラダイムという。
企業では伝統、企業風土、企業文化などがパラダイムである。技術開発や成果が表彰されたと言う組織の英雄、これには触れてはいけないというタブー、ルール、規則、制約、文書などもパラダイムといえる。

科学史家のトマス・クーンが科学上の偉大な発明、発見をまとめているうちに、従来の考えや公式から新たな考えにたどり着く時、パラダイムの変換があったことに気が付いた。
クーンのパラダイムは科学の分野を超えて、多くの分野に受け入れられた。
解説書によるとクーンは著書の中で127通りのパラダイムと言う言葉を使っているそうである。後にパラダイムの転換を示す、パラダイムシフトという言葉も生まれた。

クーンの著書には、多くの発明、発見の例が紹介されている。
あのアインシュタインが相対性理論を確立する少し前「もう何が起こっているのかわからない。このようなことを考えるのでなく、喜劇役者にでもなったほうがましと思う」と悩んだそうである。

前回紹介したモネの文章から、モネがルーアン大聖堂の石の壁から、従来描けなかった光の発見をしたのがわかる。芸術の世界でのパラダイムシフトである。

現状打破、経営革新などのパラダイムシフトをどのように起こすことができるのだろうか。
結果としておきることであり、おこすことではないかも知れぬが、その瞬間、その変曲点を見届けたい。

組織は人の意識の集合体である。
正しい目標を目指す正しい意識のシナジー効果(相乗効果)が新たな光をつかむことを期待したい。
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能力開発

2006-03-04 | 高シナジー経営
6,2:良いものを作るための能力開発をすること。

人を動機付けるにはどうしたらよいだろうか。
動機付けにより、人はどのような力を出すのだろうか。
本来人はどのような能力を持っているのだろうか。

「実現には程遠く、困難な、はるか離れた微かな光を、情熱の炎に燃え上がらせることができる」という能力を人間は持っているという。
このためには、人の心に直接語りかけ、感動を覚えさせ、士気を鼓舞するようなビジョンや方針がなければならない。

能力開発のプロセスを考えよう。
*教育訓練は実用上最低限の知識及び能力を身に付ける手段である。
*自主的に自分で学ぶ方法が解析や改善である。経験から多くを学び、目標や課題により能力を向上させることができるのは、人間が機械と違うところである。
*この上の段階の能力開発は、従来の枠や制約を飛び出して新たな能力を身につけることである。

同じ仕事を繰り返すだけでは、開発や生産技術の仕事はできない。
品質管理という人間との接点の多い技術は、決まりきったルーチンワークから先をみる管理技術の開発が大切になる。

これらの3段階は日本で古くから、技を学ぶ方法である「守破離」である。
まず、お作法を身につける。
つぎに、改革する。
そして次のステップは、創造的破壊という「離」である。
これを繰り返すことが、能力開発といえる。
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経営資源の提供

2006-03-03 | 高シナジー経営
6.1:品質マネジメントシステムの継続的改善をすること。顧客要求事項を満たし顧客満足を向上すること。このために、経営資源を提供すること。

成果をあげるためには、それなりの活動に取り組む必要がある。積極的に経営資源を投入することである。といっても、金をかけることだけではない。有効な方法は、まず、しなくていいことを決めることである。

リスクをとるという積極性のある組織では、「成果を先にとる」「省人化でなく少人化」という方法をとる。

たとえば成果があがれば3人分の仕事が低減できるという目標を立てて改善を進める場合には、実際に3人減らしてみて改善案を検討する。このようにすれば、3人減らした場合どのような問題が出るか、それをどう解決するかを具体的に検討できる。

無駄や不良があるから改善する。
「不良による損失金額は、改善のための予算である。」と考えた経営者がいた。この会社では経営者が改善活動に積極的な支援をしたため、得られた成果も大きいものであった。

改善を進める原動力になるのは、改善した結果をどこまでイメージできるかで決まる。
想像力である。改善には7つ道具といわれる手法がある。手法も想像力があるから有効に使うことができる。

経営資源の提供というのは「金をかける」ということでなく「豊かな職場」「意義ある仕事」を提供することである。
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マネジメントレビュー

2006-03-02 | 高シナジー経営
5.6:品質マネジメントシステムが有効に機能しているかを、顧客からの情報、内部監査の結果等をもとに確認することは、経営者の責任である。その確認により経営者は、システムの改善、製品の改善、および経営資源投入の必要性を明確にしなければならない。

企業の社会的責任は外部に対して責任を果たすこと、という理解では十分ではない。
経営者が考えるべき社会には内部の組織も含まれる。
顧客という範囲でさえ、従業員、協力会社まで含めて考えるべきである。

経営者のする仕事の大部分が営業であることから、外を飛び回ることが多くなる。
外での会食やパーティーで多くの情報や将来についての戦略を学ぶ。
同時に自分(自社)がどう評価されているか理解する場でもある。

外部の客観的な目は正しいことが多いが、所詮、外部の目である。
現象は正しくとらえても、その原因までとらえている訳ではない。
その原因をとらえる場として、内部監査とマネジメントレビューほど役に立つことはない。

ただし、経営者がどこまで本気になっているかによる。
本気という意味は、経営者が内部監査、マネジメントレビューの必要性と意味を経営層にいかに指導しているかである。
本物の内部監査であるか、形式的な内部監査であるかは全ての従業員の理解するところとなる。

外部はもとより、組織の内部、内部の顧客に経営者の意思を伝達する場でもある。
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コミュニケーションと責任権限

2006-03-01 | 高シナジー経営
5.5:責任権限を組織に周知すること、および、内部コミュニケーションを良くすることは経営者の責任である。

責任権限を明確化することと、コミュニケーションを良くすることは、別々にとらえられていることが多い。責任権限を明確にして組織に周知することは、他の協力を得るために必要である。

このことを理解するために、部門間の壁が厚く、部門間連携の悪い組織を思い浮かべてみるとよい。何か聞こうと思っても、どこに聞けばいいかわからない。聞いても、たらい回しにされる。重要な問題の責任者はいつも不在である。

システムを長い間放置しておくと、責任権限を必要以上に細分化して自分の責任を曖昧にする組織になる。システムの官僚化である。ISOは本来このようなことをなくすために、システムの継続的改善が要求される。

システム作成段階から、成果のあがるシステムを考えるべきである。
1+1を2にするならシステムはいらない。部分の和より全体を大きくするためにシステムが必要になる。シナジー効果をあげるのがシステムの目的である。

たとえば中小企業、少ない人員で仕事をオーバーラップしているから、うまくいく。
組織が複雑になり、責任権限が細分化されたのでは、うまくいくはずはない。こんなあたり前のことが理解されてない。

ISOで文書化のみ考えて、取り付かれたように文書を作ると、硬直化したシステムになる。システム作成は両刃の剣であることを忘れてはいけない。
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方針管理

2006-02-28 | 高シナジー経営
ISO9001:5.3 5.4:経営者は品質方針、品質目標を設定し、各部門、階層に展開すること。
また、方針、目標が実施され、成果をあげるプロセス全体を管理すること。

 方針は組織の方向を示すものであり、経営者の力の入れ方を示すものである。
また、人を動機付け、発奮させ、経営に参画する意識を植え付けることによって総合力を引き出す力になる。

方針が当り前のスローガンであり、目標がいつも未達成なのになにも手が打たれてないようなら、方針や目標をすぐに撤去すべきである。
方針や目標は、ないよりある方がいいというものではない。
ある方が悪い場合が多い。
組織を混乱させる負の効果になる。このことに気付くことは大切である。

逆にわずかな希望であっても、前に進んでいることが実感できる場合は、人はその方向を目指そうとする。
人は正しい道が示され、動機付けられると「実現に程遠く、困難な、はるか離れた微かな光を、情熱の炎に燃え上がらせることができる」のである。

このためには、方針、目標の設定のため現状を良く見極め(現状把握)、強い点を引き出す実行計画に展開されなければならない。このような全体のPDCAのプロセスが方針管理や目標管理といわれるものである。
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顧客重視

2006-02-27 | 高シナジー経営
ISO9001:5.2 顧客重視とは顧客要求事項が満たされ、顧客満足が向上していることを経営者が確認している状態をいう。

顧客重視は大切だが、顧客の言いなりになることではない。
買い手と売り手は契約により同等の関係が守られている。顧客の要求に対して約束できる範囲を決めること、確約することが契約の第一歩である。

注文が決まってから納入するまでの短期間では、技術開発する時間は十分ではない。
短期間にできることは、精々保有する技術を組み合わせること、品質確認・品質保証に十分な時間をとること、等である。
当然こちらの都合だけ主張していて注文は取れない。
最近無理して注文をとるための不良やクレーム、リコールが多い。
短期的な利益優先の弊害であろうか。

そのような品質問題を防ぐため、顧客や市場の変化を予測して、要求に答えられるように技術開発の時間を十分とって検討すべきである。

個別受注生産のM造船では、受注から引渡しまでの管理を番船管理とよび、それを支援する技術の開発や改善を部門別管理とよび、両管理を区別して運用していた。
番線管理の課題はいかに短期間に品質問題の無い船を作れるかという品質保証を中心とする体制である。
なお、品質問題の多くは、品質情報の伝達に問題があることをつきとめ、品質機能展開を開発した。
また、部門別管理は方針管理を活用して、従来発生した品質問題の解析により、品質改善や生産技術の改善などに取組んだ。

 さてISOは顧客側から企業に要求できる範囲に限定しているため、内部の体制まで踏み込んでないことが多い。
ISOを基盤に事業の重点や特色を考えた管理技術とシステムを開発すべきである。
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事業を品質で見直す

2006-02-26 | 高シナジー経営
事業を品質で見直す意義を考えてみよう。

事業で利益を追求するのは当然のことであるが、なぜ利益が必要かを考えてみる必要がある。利益は手段であり、配分されて目的と結びつく。
最近の事件を考えてみよう。
本来手段であるべき利益が目的となり、得られた利益は事業の推進に結びついてない。

ISOでは資源の運用管理という項目がある。
人的資源と作業環境・インフラが運用管理の対象であるが、品質方針の達成のため、質の高い運用管理をめざすべきである。

ものづくりの事業活動の最終的結果として利益が得られるが、この利益を生むプロセスの管理を品質で行うのが品質管理である。
ついでISOでは、顧客の利益としての顧客要求を重視したシステムである。

品質で事業を見直すことにより、今まで見えてなかった「宝の山」が見えてくる。
利益は定量的に処理できる便利な指標だが、結果の指標である。
品質は事業や製品の原因に近い指標で代用特性または利益の先行指標として優れている。
これらが品質で事業を見直すのに便利な点である。
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友から学ぶ

2006-02-25 | 高シナジー経営
「その人のことを知りたければ友達をみよ」と言う。
協力会社は友達、あるいは、子供かもしれない。
「親の顔が見てみたい」と思われるくらい、自分の良い点、悪い点を引き継ぐ。

製造での問題の80%は、設計段階の問題といわれるのと同じく、協力会社や関連会社の問題の80%は親会社の問題である。

親が自分の良い点、悪い点を理解するのに、これくらい良い教材はない。
また、どこまで愛情を持って育てられたか、子供を見ればすぐ分かる。

会社を訪問する。応接に通され壁には、感謝状がはられている。
現場には親会社から指導され成果をあげた跡が見える。
作業している人も外来者に対する対応が良い。
こんな風景、いまはなくなっている。

時代が変わったのであろうか、人に余裕がなくなったのだろうか。
まことに殺伐としている。現場に活気が無い。
作られる製品の質がどうなのか、聞くまでも無く想像できる。

親が子供に対しての責任を回避する時代である。生んでおいて世話ができない親が多い。
ものづくり日本の復活のために、人間性の見直しが大切である。
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