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ISO成功法

ISOと継続的改善を両立させよう。ISOは継続的改善のための、基盤整備に役立つ。基盤整備と継続的改善のコツを整理したい。

システム破り

2006-03-19 | 高シナジー経営
システム工学の権威から「システム破り」という言葉を聞いたことがある。
ISOの審査用に作ったシステムは実施できないような無理なものが多い。
現状把握が不十分で対策をたてるから無理が出る。
このような要求や指示に対抗するため「システム破り」は有効である。

事の起こりは、労働争議の順法闘争にあるらしい。
合法的にかつ効果的に対抗する手段として優れている。
優れた管理者にもシステム破りの常習者が多い。
仕事を早く進める方法としてインフォーマルな人脈を使う場合がそうである。

「システム破り」をしないとどうなるか考えてみたい。
理不尽な要求に対抗するため、弱者の立場で実行できるのは、「さぼる」ことと、「うそをつく」ことである。順法闘争と違い顕在化しないためにリスクが大きい。
最近、多く発生するリコール隠しなどは、上位者からの過大な要求と弱者の攻防とに原因があるように思える。

ISOのシステムの順法闘争をしてみると、本質的なシステムの必要性が理解できるだろう。組織にとって本当に役立つ必要最小限のシステムを追求するのがISOの目的である。

「システム破り」を理解し正しく使えるスタッフの養成が急務である。
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強い文化を創ろう

2006-03-18 | 高シナジー経営
最近多くの企業で人件費の削減のために、外国人労働者や派遣社員を使う寄せ集めの組織が多い。量的拡大のみを目的にする場合は売上に応じた人件費のコントロールをすればよい。ただし、経営者が組織を人件費で見るようになると、従業員も収入のみで組織を見るようになる。

海外生産の品質が高まり、コスト、品質共に競争に勝つためには、組織全ての人の質がよくなければならない。とりわけ、第一線で従事する人の質が重要である。
ISO9001の要求事項では、製品品質に影響する仕事に従事する要員は必要な力量を持つことが要求される。製品品質に影響しない仕事はないはずであるから全ての従業員の力量が問われることになる。

心理学者のE.フロムは「人間というシステムは物質的な欲求だけが満たされて、生理的な生存が保証されても、人間独特の欲求や能力-愛、思いやり、理性、喜びなど-が満足させられなければ、本来の機能を発揮しない。」ことを強調する。

さて、職場において人間本来の機能を発揮するためには、職業生活の質(Quality of Work Life:QWL)が確保されてなければならない。
このための職場環境の整備、仕事の与え方、教育などは当然のこととして、QWLを高めるための動機付け、QCサークル活動などを検討する必要がある。

そしてそれらの根底に企業の方針、ビジョンがある。
E.フロムの言葉を借りるなら、ビジョンは、愛、思いやり、理性、喜びなどが得られるQWLについての指針である。

教育、動機付け、ビジョン等が継続的に実践されて、組織の文化ができる。
文化のない組織は未熟である。内部からのゆらぎ、外部の環境変化に対応できない。
強い文化を創ることが組織の最終的なねらいである。
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システム整備のポイント

2006-03-17 | 高シナジー経営
ISOのような組織全体の基盤整備に関係するシステムを整備するポイントを整理しておきたい。

1. ありきたりの目標で着手しないこと。「総論賛成、各論反対」という言葉がある。いかにも日本的なコンセンサスのとり方であるが、社是、ビジョン、方針にはこのようなものが多い。経営者の個性がにじみ出るような目標で進めないと中途半端な基盤整備におわることになる。

2. Think big start small ヒューレット・パッカード社は日本流の品質管理を取り入れていることで有名である。中でも方針管理を徹底している。HOSINはそのまま日本語を使っている。.その会社が新しいプロジェクトに取組むときの心構えが、大きく考えて、できることから着手しよう、という言葉である。方針が展開され末端になるほど具体的になっている。

3. 目的追求、問題追及であること。経営とは絶えずゴールを見すえて前に進む活動である。目的はわかるが、その達成のために何が問題か、何が障害かを明確にすべきである。

4. システムと運用は成果をあげる2っの側面。 ISOのような海外から導入されたシステムは何かにつけ文書化である。当然、普及させるためには文書が必要であるが、文書が実践と結びつかなくては、要をなさない。このため運用を十分考えた文書にすべきである。もっといいことは、まず運用して成果のあったことから文書化すべきである。

5. 細心大胆が大切。度胸と要領は必要だが、甘い考えでは無謀になりかねない。多くの人が関与するシステムは多くの人に信頼されるシステムであるべきである。そのためには、重点思考と問題思考が細心に考えるため大切である。
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責任と愛

2006-03-16 | 高シナジー経営
責任とは達成すべき目標であり、権限は目標達成のために与えられた条件である。

責任の重要性を知るには、仕事の与え方について考えればよい。
たとえば「誰も手が空かないので穴埋めに頼む」という仕事と「君の能力を見込んでこれを頼みたい」というのでは、責任の重さが違う。

責任を自覚させ目標の遂行のため能力を引き出すのは、上位者の責任である。
誰でも、大きな可能性、潜在的な力を持っている。

ほんの少しの思いやりと動機付けで、人の能力を引き出すことができる。
このためには、人の気持ちを感じそれに答える能力が必要である。
応答(Response)できる能力(Ability)が責任:RESPONSIBILITYである。

言葉は使い方によっては大きな間違いを冒す。たとえば「自己責任」という言葉、海外で自分の信念と愛のため生命を落としたジャーナリストにむけて「自己責任」という言葉が使われた。投げ捨てるように使われたその言葉に自己責任も愛も感じられない。

さて、責任の本質を考える主体は、「わたくし」にある。
「あなたはそれで責任を感じないのか、仕事に対する愛がないのか」とは、上司が部下に要求する言葉ではなく、自分自身に問いかける言葉である。

言葉はコミュニケーションのツールであるが、本当に使いたいとき、言葉は無力であり、時として不要である。
責任はシステムであるが、動機付け、情熱、愛は行動である。
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殻をやぶる自分

2006-03-15 | 高シナジー経営
最近、自立してない大人が目立つ。
一見、個性的で一人前の批判をする。
狭い世界で群れを作り、自分が守られているときは自信にあふれてみえる。

自分が勝てる範囲内で勝負をするが、リスクを冒してまで戦おうとはしない。
「井の中の蛙」はじっとして自分の空を見ている限り被害は無いが、自分勝手な価値観でエゴを通そうとするから、「コップの中のあらし」よろしく問題がおきる。
まことに迷惑である。

もっときれいな表現をしよう。
スペインの哲学者オルテガは「少年の長所は、願望であり、あこがれ夢みることがその役割である。しかし成年の長所は意欲であり、なすこと、実現することがその役割である。」と述べている。

少年は確実に手に入る目標にのみ執着してリスクを冒さずそれを手に入れる。
少年と成年を分けるのは、今まで自分が守られてきた、ぬるま湯から外に飛び出して、リスクに立ち向かう行動である。
たとえ成功の保証は無くとも、大きな目標に向かって突き進むことによって、成長した自分になると共に、最後には目標を手に入れることができる。

さて、組織が大人になるためには、少年を愛情もって育てることが必要である。
技術教育のみでなく強い文化を創る教育が必要である。
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総合力

2006-03-14 | 高シナジー経営
部分と部分の和以上の力を出すことを総合力という。
シナジー効果、相乗効果は総合力である。

人間の体を考えると、手足がばらばらに動くのでなく一つの目的のために動くので大きな力を出せる。
渡り鳥の見事なV字型の飛行は、群れ全体の空気抵抗が少なく、飛行スピードのでる形だそうだ。海の中の小さな魚の群れも、全ての魚が群れの意味を理解しているような動きをする。犬そりも犬の組み合わせ方で集団の力が変わるそうだ。

さて人間が集まる組織、総合力を出せる組み合わせになっているだろうか。

ある会社の品質管理の担当グループが自社の現状を見直すにあたり、優れた会社の条件を調査した。アンケートだけでなく訪問調査をするうちに、優れた会社に共通する条件がみえてきた。

1. トップの方針が確立され、末端まで展開実施されていること。
2. 問題指向型、重点指向型であること。
3. 責任と権限が明確になっていること。
4. 上下、左右の部門間の壁がないこと。
5. 真の原因系に対する改善を着実に行っていること。
6. PDCAの管理のサークルがよくまわっていること。
7. データが解析され、それがアクションに活用されていること。

これらの条件を総合力の秘密といってよいだろう。
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システムと人間性

2006-03-13 | 高シナジー経営
混沌の中にあっても、自分の求めるものを見失わず
自分の大切な問題を先延ばしする卑怯者でなく、
自分の光を灯し続けるかぎり、
解決は自分に近づいてくる。

ISOの品質管理は文書であり、システムであり、標準である。
人間性のないシステムはどこか冷たい。
本来、経営というものは、人間的側面の解決に役立つシステムであるべきである。

マネジメントの意志が社内メールのみで伝達され、顔の見えない指示に対応するためのストレスが蓄積される。問題を起こしながらリスクマネジメントをするように、ストレスを生むシステムをそのままにしたストレスマネジメントはどこかおかしい。

システムは問題の予防に役立たなければ意味は無い。
人間中心の問題解決、継続的改善活動、システムを考えるべきである。
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新しい自分になるプラクティス

2006-03-11 | 高シナジー経営
もうだいぶ前のことである。
小澤征爾の子供向け音楽番組で、子供たちからゲストのモダンジャズの巨匠ウイントン・マルサリスに対して質問があった。
「どうすれば音楽がうまくなるの」
それに対してマルサリスは、「それには練習が大切だよ。」と答える。
「ただ、練習/PRACTICEはモンスターにチャレンジするようなもの。ただし、繰り返し練習すれば、楽しくなる。楽しくなれば人を感動させ、自分もやってみようという気になる。そのためには、プラクティスが必要だよ」
なんとも愛情のあるやり取りに、質問をした少女の顔が明るくなったのをよく憶えている。

これに続いて、クラシックとモダンジャズのジョイントセッションがあり、小澤征爾が子供に変わって質問を繰り返す。
そのときマルサリスはプラクティスを12のポイントに分けて紹介した。

1.助言を求める人をさがす。
2. 毎日プラクティスをする基本練習の予定表を作る。
3. いつどこまで進むかという進歩の目標を決める。
4. 集中する計画をたてる。
5. じっくり練習する。リラックスしてあわてない。
6. 苦手な部分は反復する。
7. 全力をかたむけて全ての音を歌わせる。しらけた考えをしない。
8. 失敗を気にやむな。失敗から学ぶ。
9. ひけらかさない。受けねらいは底が浅い。
10.自分で工夫する。もっといい方法がないか考える。
11.楽観的になる。明るく考えれば楽しい。
12.共通点に注意、皆の力が出る。

ここには、音楽だけでなく全てに共通する向上や進化(深化)の方法がある。
マルサリスがPDCAを知っているかどうかは定かでないが、こんな見事なPDCAに始めてお目にかかった気がした。

さて、蛇足しておく。
PDCAという活動は他の人も巻き込んでいく。
「自分もやってみようという気になる」というわけだ。
これが組織全体に広がると、シナジー効果を生むことになる。
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ビジョンと希望

2006-03-10 | 高シナジー経営
ビジョンをトンネルの出口の光りと表現した人がいる。
暗闇の中から見える光りは、どんな僅かでも光に向かう勇気を我々に与えてくれる。
光りが暗闇から出るための希望だからである。

人を表現する言葉にホモ・サピエンス(考える人)は一般的だが、考えることは人間だけの特性ではないことが、最近の科学で分かっている。
希望する人(ホモ・エスペランス)こそ、これからの人間にふさわしい定義である。

ビジョンに要求されること。
考えろではすでに時代遅れである。
面白いことを求め、楽しい人生を送ろうでは、時代や世相に迎合しすぎる。
混沌の中にあっても希望を失わないことが、これからの人には期待される。

さて、組織に関与する全ての人の希望という観点から、組織のビジョンを見ると株主や経営者の説明にしかなってない。
ビジョンの実現に向けて実践する人々の動機付けとは程遠い。
ビジョンは人を動機付け、士気を鼓舞するものでなければならない。
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混沌の出口

2006-03-09 | 高シナジー経営
量的目標と質的目標のギャップが混沌を生む。

自分はこうありたいと考える以上に自分の外側からの力の影響を受ける場合、自分の位置が確保できなくなる。量的目標はいつも自分の実力以上に欲張りである。自分がうすうす感じていることを先回りされると本当に辛く腹が立つ。

そのような、過度の緊張(プレッシャー)や不安を感じたとき、心臓が高鳴り、肩で呼吸をするようになる。皮肉にも、恋をしたときの症状と似ている。

プレッシャーが緊張を生み、放置しておくと混沌がくる。
混沌の次に、パニックがくるか希望がくるかは、その人の心のあり様に左右される。
スポーツ選手の勝敗の分かれ目は、この心のあり様にかかっている。
瞬時に結論の出るスポーツとちがい、仕事や人生は結論を出す時期の先延ばしが、し易いだけ難しい。

「いま、ここで」という決断をするのは本当に難しい。
決断すべき時に決断を,先延ばしする癖をつけると決断するのが難しくなる。
我々の多くは決断恐怖症にかかっているといえよう。

さて、混沌の出口である。
もし可能なら、混沌から飛び出し、混沌の全貌を眺めてみる。
つぎに混沌の渦の中に戻ってみる。
始めにそこにあったのはなにか考える。
整理できてない現状、量的目標と質的目標、
これを組み立て直すことから始めたい。

道は近くにある。しかし、これを遠くに求める。
ものごとは易しい。しかし、難しさを求める。
                  孟子
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