仁左衛門日記

The Diary of Nizaemon

アメリカ上陸作戦

2012年09月10日 | ムービー
『アメリカ上陸作戦(原題The Russians Are Coming, The Russians Are Coming)』(1966年/ノーマン・ジュイソン監督/アメリカ)を見た。
物語は、「東西冷戦時代。アメリカの小さな島・グロスター島に近付き過ぎたソ連の潜水艦が座礁してしまった。艦を沖まで曳航するボートを調達するため、ラザノフ(アラン・アーキン)をはじめとする乗員9人が島に上陸したのだが・・・」という内容。
乗員達が初めて接触したアメリカ人は、夏の間だけこの島に滞在している小説家ウォルト・ウィテカー(カール・ライナー)と妻エルスパス(エヴァ・マリー・セイント)、そして彼らの小さな男の子だったが、怪しくは思ったもののその場をやり過ごして事なきを得ようと考えたウォルトを息子が焚きつけて、結果、ラザノフが拳銃を取り出すに至るまで彼を追い込んでしまう。
物事を直線的にしか捉えることが出来ない子供の知恵というのは何とも浅はかだ。
まぁ、いい所を見せようとそれに乗ってしまう父親が事を大きくしてしまったという展開でもあったのだが・・・。
今のように携帯電話でどこにいても簡単に連絡がつくような時代の話ではないし、ダイヤル直通どころか交換手を介しての連絡になるので、どんどんと情報がゆがんで伝わっていく所も面白い。
これが悲劇的な結末になるのか、喜劇として笑いのうちに終わるのかの分水嶺は、人種云々でもイデオロギー云々でもなかった。
人間の本能的な部分が解決への道筋を見つけ出してくれたので、"ブラックコメディー"の枠で収まったのだろう。
余りにも突き詰め過ぎると、洒落では済まない悲劇へと発展したに違いない。