さくらんひめ東文章

指折って駄句をひねって夜が明けて

御名残四月大歌舞伎 第二部

2010年04月03日 | さよなら歌舞伎座
御名残四月大歌舞伎初日第二部を拝見した。

さすがに最後の興行の初日とあって、それぞれの俳優さんの奥様方や
着物姿のご婦人方がロビーに溢れていてそれはそれは華やかであった。

「寺子屋」

幕が上がると武部源蔵が営む寺子屋。
「高麗屋!」と声がかかる。
村の子供たちが手習中、涎くりの高麗蔵丈と菅秀才の金太郎丈。
思案にくれて花道から登場する武部源蔵は仁左衛門丈
それをむかえる女房戸浪は勘三郎丈
菅秀才の首をとりにやってくる玄蕃は彦三郎丈
首をあらためる松王丸は幸四郎丈
松王丸女房千代は玉三郎丈
最後に登場する菅秀才の母、園生の前は時蔵丈

あらん限りの御馳走が並んだテーブルのような舞台だ。

武部源蔵は戸浪と不義をおかして菅丞相から勘当された経緯があるのだが、
仁左衛門丈と勘三郎丈が緊張感のある場面の中でも
固く信頼し愛し合っている夫婦愛をみせてくれる。

「三人吉三巴白浪」

大川端庚申縁の場のみであるが、
お嬢吉三の菊五郎丈、
お坊吉三の吉右衛門丈
和尚吉三の團十郎丈

これまた錦絵のようですな。
お嬢吉三の「月も朧に白魚の…」の名科白で
「待ってましたぁ!」「たっぷり!」と沢山の声がかかる。
よくよく考えれば、彼らは皆盗賊なのに、
まるで正義のヒーローのようにかっこよく思えちゃうのが
黙阿弥さんの素晴らしさなんでしょう(笑)

最後は藤十郎丈の舞踊「藤娘」であるが、
とにかく愛らしくて、色気があって
華やかな舞台であった。

名残の歌舞伎座 -23-

2010年04月03日 | 名残の歌舞伎座
歌舞伎座さよなら公演カウントダウン時計

昨日、いよいよ本当に最後の御名残四月大歌舞伎の初日が幕をあけたが、
この時計もとうとう残り30日をきってしまった。

昨年の5月1日に歌舞伎座前に設置されたのが、
昨日のことのように思い出す。
まさに光陰矢のごとし。

3桁が2桁となってだんだんと数を減らしていく時計をながめながら、
切ない想いをかんじていたが、とうとう最後の興行の月となってしまった。