さくらんひめ東文章

指折って駄句をひねって夜が明けて

夏越大祓

2013年06月30日 | 日記



水無月の夏越しの祓する人はちとせの命のぶというなり









江戸総鎮守の神田明神の夏越大祓


友人の舞踊の会が浅草であり、神田明神についた時は15時からの儀式がすでに始まっていた。

参拝者は長い列を作り神官の先導により茅の輪を8の字にくぐり、最後に本殿内で大祓いを受ける。





神田明神に参拝したのは初めてだったが、茅の輪くぐりの長い列が、

末社や銭形平次の碑がある境内をくまなくまわるので、かなり時間がかかったが楽しかった♪

明ちゃんという可愛い神馬もいた♪





早いものでもう1年の半分が過ぎてしまった。






新宿末廣亭 六月下席

2013年06月28日 | 劇♪場♪



噺家の背からするりと夏羽織

新宿末廣亭の六月下席へ

子供の頃よく父に連れて行ってもらった寄席、それ以来もうずいぶんとご無沙汰だったが、
日経の夕刊に小三治師匠の「百川」の記事が掲載されていたので急に行ってみたくなった。





もちろん小三治師匠ご出演とくれば大入りだろうと昼の部から入って席を確保することに。
そんな思いは皆同じで、13時前に入ったがすでに椅子席は満員。
とりあえず昼の部は桟敷席、夜の部になってなんとか椅子席を確保できた。

今のご時世は新作ばかりだろうと思っていたが、
馬生師匠の「干物箱」をはじめとして知っている話がいくつかあった♪
馬桜師匠の団十郎や歌右衛門の声色も面白く、
嬉しかったのは正雀師匠の「豊竹屋」と馬の助師匠の懐かしい芸「百面相」♪

川柳師匠がとにかくお元気で「ガーコン」のあとにソンブレロとサラッペのいでたちで「ラ・マラゲーニャ」♪
円生さんとの思い出話も。

そしてお目当ての小三治師匠がトリでお出ましの夜の部は立ち見も超満員
「待ってましたぁ~」と多くの声がかかった。
座布団に用意されていた合引が不具合だったようで、そんなトラブルも笑いに替えて、
お身体の事、お医者の事から「やかんなめ」へ
深い間合い、独特の語り口で「小三治の世界」に引き込んでゆく「話芸」は本当に見事♪♪♪

昼夜約9時間、笑いに浸って、下がり気味の口角が上がりっぱなしの1日であった。





セイヨウニンジンボク

2013年06月27日 | 植物



梅雨冷に着てゆく衣迷う朝


今朝は20℃を下回って寒かった。
午後からは晴れてくるような予報もあるがまだ外は雲が厚い。


ところで、我が家の庭木の中に、先日までずうっと名前のわからない木があった。

3~4年前、ホームセンターの片隅に名札もなく咲いていた紫の花に惹かれて購入したもの。

肥料などあげなくても、グングン枝葉を伸ばすのでバッサリと切っても切っても毎年夏になると花を咲かせてくれる♪


そんな健気な花の名前を知らなくては申し訳ない気がしてきて

先日一枝切って植物園に持って行って名前を教えて頂いた。



セイヨウニンジンボク クマツヅラ科ハマゴボウ属

地中海沿岸原産、日本には明治中期に入ってきて、
葉の形がチョウセンニンジンに似ていることからついた名のようだ。


ネットで検索してみると


英名はチェストツリー(chaste tree)
チェストベリーとかモンクスべりーとかモンクスペパーなどとも呼ばれ、
紀元前から薬として使用されているらしい。

成分が性ホルモンの分泌に作用するらしく、ヨーロッパでは女性生殖器系疾患の治療や
修道士の性欲抑制のため(修道士の胡椒 monk's pepper)に使われていたと。

また最近ではバストアップにも効果ありとか。


なかなか凄い植物だったことにビックリ!!!












楊梅

2013年06月26日 | 日記



やまももに京の通り名思いだす


鈴なりに可愛らしい実をつけているヤマモモの木の前を通った。

ジャムなどにしても美味しいがすぐに浮かんだのは、京都の楊梅通、

京都検定を受験していたころは、テキスト掲載の寺社を貪欲に見てまわっていて

多い時は1年に11回も京都へ行ったこともあった(笑)

寺社の他に路地や図子などもウロウロと行き当たりばったりで

思いつくまま京都を歩いていた頃はじつに楽しかった♪

観光スポットからちょっと外れると昔ながらの京の街並みが今も残っていて

とくに生活感が感じられる早朝や夕方の街歩きが好きだった。













オディロン・ルドン 夢の起源

2013年06月25日 | アート♪



損保ジャパン東郷青児美術館のルドン展へ。




第1部 幻想のふるさとボルドー 夢と自然の発見

第2部 「黒」の画家 怪物たちの誕生

第3部 色彩のファンタジー



ルドンの石版画が好き、特にルドン39歳の時に制作された石版画集「夢のなかで」が大好き♪♪♪

でも今回ボルドー美術館からやってきた色彩画家としての作品の多くに心惹かれた。


「翼のある男、あるいは堕天使」

「編み物をする娘」

「サン=ジョルジュ=ド=ディドンヌの街路」

「アポロンの戦車」

「祈り、顔、花々」

「読書する女、あるいは読書」

「聖母」・・・


その中で一番素敵だったのが「深海の幻影」♪♪♪

絶妙な色遣い、まさに色彩のファンタジー!
小さい絵であるのに大海の深い深い無限世界に吸い込まれる様な魅力があった。


自然を愛し、自由で事象の本質を究めようとする独自の世界観がなんとなく若冲さんに似てるような気がした。








夏至の雨

2013年06月21日 | 音♪楽♪



家事などは放り出したり夏至の雨


秋のヨーヨー・マのソロリサイタルの先行予約日であったので、朝から予約が無事にすむまでは何も手につかず(笑)、

10時から電話をかけ続けて11時近くにやっとつながり、運よく希望の席を予約できたが、

そのあとも降ったり止んだりの雨の中、庭掃きしただけで家事を放り出してヨーヨー・マを聴いている。


今回のリサイタルは、2夜連続でJSバッハの無伴奏チェロ組曲他♪♪♪


夏至、雨もなんとなく特別なもののように思え、そんな雨にチェロの響きは実によく合う。

北斎と暁斎 奇想の漫画

2013年06月19日 | アート♪



過日、太田記念美術館へ

ヨーロッパでは、「暁斎は北斎の弟子」と信じられてきた一面があるそうだ。

というのは、暁斎存命中から、「暁斎漫画」をはじめとする絵本類がヨーロッパに渡っていて
北斎同様あらゆるものを描いたパワーに共通点があったからのようだ。

たしかに三井記念美術館で、「能画図式」を拝見した際、私も「北斎漫画」っぽいなとは思った。

しかし比較してみるとおのずと違いがみえてくるという企画展。


Ⅰ 奇想天外 二人の鬼才

Ⅱ 戯れる動物たち

Ⅲ 風景への観察眼

Ⅳ 妖怪神仏大集合

Ⅴ 躍動する身体

Ⅵ 知られざる画業~絵本と挿絵本


北斎と暁斎の違いが際立ってみることができるのは、動物たちの表現にある。

想像上の動物まであらゆる動物を画こうとした北斎にくらべ
暁斎は、動物たちが人間のようなポーズや表情をしているところだ。

また暁斎は特に人間の骨格や体自体にこだわっていたようで
まず裸体を描いてその上に朱で衣服を描いている作品があった。
ガイコツの作品が多いのも骨の構造の面白さに執着があったからではないだろうか?

北斎の「見立三番叟図」が素敵だった♪

暁斎の「暁斎楽画」が好き♪

また「美人観蛙戯図」もいい♪

団扇をもった美人がじっとカエルたちのお相撲にみとれてる図

カエルがお相撲をとっていて、蓮の茎をキセル替わりにしていたり、
美人の着物から想像すると季節は今頃ではないだろうか?
美人の心の内が伝わってくるような作品♪♪♪


勝手にカエルはヒキガエルということで(笑)

団扇持つ美人と蟇ぞ暁斎や


















新派百二十五年 新釈 金色夜叉

2013年06月18日 | 劇♪場♪



新派を拝見するのは5年ぶり。

ちょうど新派百二十年記念で仁左衛門丈と團十郎丈が特別出演で
「婦系図」と「鹿鳴館」を上演した時以来だ。

「金色夜叉」は未完のままとのことであるが、
熱海の海岸のイメージだけで、ちゃんと原作も読んだことがなかったので面白かった。


風間杜夫さんの貫一

波乃久里子さんの宮

水谷八重子さんの赤樫満枝

英太郎さんの老女 他

大理石と石膏彫刻で彩られた壁面、ステンドグラスがはめ込まれた天井♪

1927年当時デパートの中の劇場としては世界初だったという三越劇場が興味深かった。





帰りに二の丸庭園の菖蒲田によってみた。








菖蒲の盛りはすぎていたが、雑木林にはカワラナデシコやキキョウが咲いて、ハンゲショウも色づきはじめていた。








  

六月大歌舞伎 第3部

2013年06月17日 | いざ銀座歌舞伎座



「御存鈴ケ森」 十二世市川團十郎丈に捧ぐ「助六由縁江戸桜」


第3部は歌舞伎世界のイケメン大集合!


江戸一番の侠客であるかっこいいおじさま幡隋院長兵衛

美しい前髪姿の若衆白井権八

そして天下の色男助六


お召物も三者三様、実にCOOL♪♪♪

お馴染の台詞とともに観客もこの3部が良く笑って一番楽しんでいる感じだ。


幸四郎丈の幡隋院長兵衛に梅玉丈の権八はそれぞれはまり役♪
時代物の様式美でみせる「対面」に対し、こちらは世話物の様式美で楽しませてくれる。






幸四郎丈の口上で始まる「助六」
十二世の想いを受け継いで海老蔵丈の助六がいい♪
とにかく海老蔵丈ならではの勢いを感じてカッコイイのだ!

そして白酒売新兵衛の十郎、菊五郎丈が絶妙なバランスで助六を受ける♪

菊之助丈の福山かつぎもすっきりと爽やか♪

福助丈の揚巻も格があって良かったがそれに対する白玉の七之助丈も堂々としたもの♪

私にとっては、意休といったら左團次丈か我當丈が浮かぶが、
今まで拝見した意休の中で一番大きくて良かった♪

かんぺら門兵衛は吉右衛門丈♪ 大ご馳走! 3部すべてのご出演お疲れ様です。

歌舞伎座さよなら公演の際は十八世が演じた通人は三津五郎丈
大いに観客を沸かせながら早世された方々への想いもしっかり伝わってきた♪


「千も万もおめでとう」と寂聴さんが筋書に

名優たちの血が子へ孫へ延々と受け継がれることそれが伝統と祝辞を述べられておられるが

4月・5月・6月と拝見して「歌舞伎の未来は心配なし♪」とつくづく思った。


夏衣紫陽花模様似合う人



六月大歌舞伎 第2部

2013年06月17日 | いざ銀座歌舞伎座



筋書きの金注されたる七変化

六月の筋書
中島千波さん画く「七変化」葉に金泥を使ったガクアジサイが素敵♪

「寿曽我対面」 「土蜘」

仁左衛門丈の工藤に、菊之助丈の十郎と海老蔵丈の五郎が挑む「対面」
大薩摩から浅葱幕が振落されると、これぞ歌舞伎!
という面々が居並ぶ色彩豊かで華やかな舞台が広がる♪
さすが仁左衛門丈♪
清濁併せ呑む大きさを必要とされる工藤にピッタリ!とはまる。

和事の十郎に荒事の五郎 五郎の台詞まわしに注文はあるが、
美しいお二人はまるで絵のよう!

孝太郎丈の舞鶴は初めて拝見。

芝雀丈の大磯の虎はさすが♪ 最近お父様を彷彿とさせる。

七之助丈の化粧坂少将も美しく立派、最後に出てくる愛之助丈の鬼王が爽やか。






菊五郎丈の土蜘に吉右衛門丈の頼光

五世が黙阿弥に依頼した菊五郎家の家の芸、新古演劇十種の内
さすが菊五郎丈♪ 花道から智籌として出てこられたときから凄みがある。

お恥ずかしい話であるが、私は智籌(ちちゅう)のことを
土蜘だから地中で上手いな!と勝手に思っていたが(笑)、
蜘蛛(ちちゅう)の音読みからきていると、筋書にあった。

三津五郎丈の平井保昌・魁春丈の胡蝶とも素晴らしい。

番卒の翫雀丈・松緑丈・勘九郎丈のトリオがそれぞれの味わい深く、
昨年拝見した「土蜘」は勘九郎丈の襲名披露であり、
「その時の番卒藤内は十八世であったなぁ・・・」
と思いだしながらウルッとしてしまった。 

玉太郎丈の太刀持は凛々しく、大河丈の石神は愛らしくお二人ともご立派でした♪

六月大歌舞伎 第1部

2013年06月17日 | いざ銀座歌舞伎座



「鞘当」 「喜撰」 「俊寛」


勘九郎丈の名古屋山三がきれい♪
「雨に濡れ燕」の下に重ねられた襦袢のような衣裳は紫陽花の模様で
足を運ぶびに見え隠れしてなんともセクシーだった。



三津五郎丈の喜撰は、時蔵丈のお梶とも愛嬌・色気揃って秀逸♪
富十郎丈亡き後、「喜撰」といったら今は三津五郎丈。

14日「待ってましたぁ~」 「じゅう~だいめ」と綺麗な声で女性が声をかけていた。



何度拝見しても吉右衛門丈の「俊寛」は素晴らしいが、
船を見送ったあとの俊寛の佇まいが今までとはまた違った味わいだった♪
前回の2010年秀山祭の折は、

松が折れて崖にへたり込む茫然自失の俊寛。
吉右衛門丈の俊寛の目は、その茫然とした中にも万感の想いがあった。
船上の人々の無事を祈る気持ち
これで良かったんだという想い
亡き妻への哀惜
一人残った後悔・寂しさ・絶望感…

とブログに記してあるが、
今回は上手く言葉に表せないが幕切れの瞬間、
全てを超越した俊寛が微かにほほ笑んでいるように私には見えた。
人間の強さ・弱さ、心の内を掘り下げる近松作品
それを見事に表現してみせてくれる「人間国宝の俊寛」♪♪♪

仁左衛門丈の丹左衛門 左團次丈の瀬尾 梅玉丈の少将 歌六丈の康頼 芝雀丈の千鳥
役者が揃い、それぞれの立場での想いもしっかりとみせてくれる素晴らしい舞台だった♪

紫陽花を重ねて着たる山三かな





ほたる見♪

2013年06月16日 | 日記



今年も父の日にかこつけてのほたる見♪

実を言えば蛍を観たいのは私なのであるが(笑)

昨日は雨がなんとか降らないでもってくれそうなので、
「父の日ディナー」を急遽1日繰り上げた。


20時ごろまでは賑わっていた庭園も22時をすぎるとほたる見の人もまばらになる。


「いたいた!」

「あそこにほら光ってるよ!」

「ほたるいたぁ~!」

「おとうさん見つけたよ~!」


ゆったりと光るほたるより鑑賞の人の数の方が多く、橋の上は大混雑状態であるが、

子供たちがほたるを見つけた時の喜びの声はいつ聞いても楽しいもの♪♪♪


こどもらの歓声楽しほたる沢


食事のあともう一度静寂を取り戻した庭園に若冲の羅漢とほたるを観に行った。

世も盡きじ -三井家の能・暁斎の猩々-

2013年06月13日 | アート♪



暁斎親娘の能・狂言画に魅せられ、国立能楽堂資料展示室で公開されている

「世も盡きじ -三井家の能・暁斎の猩々-」へ


国立能楽堂開場30周年を記念する企画のようで、三井記念美術館・河鍋暁斎記念美術館の共催、
三井家の能道具と暁斎の「猩々」を中心に展示されれいる。

「世も盡きじ」とは能「猩々」の一節で、大酒のみであった暁斎は画号にしたり
「猩々図」を数多く残しているそうだ。

亀と相撲をとる猩々や水遊びをする猩々・・・

掛軸や錦絵・摺物・画帖などいろいろ展示されていたが
「猩々図屏風」が楽しげで豊か♪

暁翠の「百猩々図」も素敵♪

また全て重文指定である室町や桃山時代の能面もあり、

とくに伝増阿弥作「増女」が放つ美のオーラが凄かった!











紫陽花に天女の涙零れ落ち





河鍋暁斎の能・狂言画

2013年06月13日 | アート♪



三井記念美術館で公開中の「河鍋暁斎の能・狂言画」を拝見するまで
暁斎が幼少期から大蔵流の狂言を習っいて、実際舞台にも上っていたことを知らなかった。


どちらかと言えば、怖い絵や面白い絵を描く暁斎というイメージが強かったが、
今回の展示作品からまた違った正統派の暁斎の魅力を発見することができた♪

暁斎描く能・狂言画は、さすが自身が舞台に立っていただけあって
とくに「三番叟図」の演者の足に力が漲り、乾坤2冊からなる絵本「能画図式」は実にすばらしい。

また一番面白く迫力があるのは下絵群で、
後ジテが蛇体に変身する支度中の「道成寺図」(鐘の中)も面白かった。


暁斎の娘にしてに幼少期から絵を学んだという暁翠の作品も上品な色彩で素敵なものばかり♪

すっかり河鍋暁斎親娘に魅了されてしまった。








エクレール ラ・ヴァーグ

2013年06月10日 | 今日のおやつ♪




2009年夏に初登場した時はちょっと話題になった。

土曜日にお茶した折、初めて頂いた。


「神奈川沖浪裏」はゴッホやドビッシーや西洋の芸術家たちに多大な影響を与えたが

さすがの北斎さんも洋菓子になってしまうとは想像もしなかったであろう(笑)


少々冷やしすぎの感があり、
でもエシレバターの風味がなんとなく潮の香っぽいかも♪


北斎を食べてしまった仲夏かな