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さくらんひめ東文章

指折って駄句をひねって夜が明けて

グレート・ビューティー 追憶のローマ

2014年09月20日 | 映画♪



ジェップ・ガンバルデッラを演ずるトニ・セルヴィッロが素晴らしい。


歴史ある都ローマで大いなる美を探し求める男が


65歳を迎え、気力も衰え、残りの時間が少ないことを実感する日々。





歴史ある建造物や美術品の中で


コロッセオを見渡せる自宅での乱痴気騒ぎの中で


聖なる地で


ある時はダークスーツ、ある時は白いスーツ、そして赤や黄色のジャケットで内なる旅を続ける


いい感じに年を重ねたジェップおじさまがうっとりするほど素敵だった。





哲学的で詩的でそしてとても美しい映画である。

舞妓はレディ

2014年09月17日 | 映画♪




上白石萌音さんが初々しくて素晴らしい♪


普通の女の子が「花街」の中で育てられ成長して、やがて華ひらいていく過程がよく出ていた。


周防監督が20年以上あたためていた作品ということと


私の大好きな「マイ・フェアレディ」がベースになっているとのことでとても楽しみにしていた。



上白石萌音さん演ずる春子がイライザで


長谷川博己さんがヘンリー・ヒギンズ教授


岸部一徳さんがピッカリング大佐


富司純子さんがヒギンズ夫人


というところだろうか。



「京都の雨はたいがい盆地に降る」が唄われる先生のお部屋は


「スペインの雨」のシーンのヒギンズ教授の研究室を想わせる。


祇園の白川あたりに似せた街並みはセットらしいが、をどりのシーンは上七軒の歌舞練場だった。




「京都の花街は日本の文化」であることをさりげなく芯にして



唄って踊って笑いあり涙ありの心あたたまる楽しい映画であった。



イヴ・サンローラン

2014年09月11日 | 映画♪



サンローランを演じたピエール・ニネとピエール・ベルジェを演じたギョーム・ガリエンヌが


まるで本人たちがそこにいるように素晴らしかった。


そしてこの映画の醍醐味は、サンローランのパートナーであった



ピエール・ベルジェが全面協力して、サンローラン財団所有のアーカイブ衣装の貸し出しも行なわれたので、



その貴重な衣裳のサイズにあわせモデルたちも厳選され



溜息がでるほどゴージャスなドレスが次々とスクリーンに登場する。



クリスチャン・ディオールのアシスタントとして、モデルの黒いドレスに



白の布を割いてウエストにリボンのように巻いてみせたシーンと



クライマックスの「バレエ・リュス」を纏ったモデルたちがランウエイを歩くシーンが印象的であった。







マレフィセント

2014年07月18日 | 映画♪



アンジーの「マレフィセント」を観た。


ディズニーアニメの「眠れる森の美女」を観たのは小学生の時、


王子と踊るオーロラ姫のドレスがピンク・ブルーに替わるシーンも心に残っているが、


やはりその姿・そのイメージの迫力で勝るマレフィセントは、今でもはっきりと記憶に残っている。


子どもの頃から魔女好きだった私は、買ってもらったパンフレットみながら


マレフィセントばかり描いていたので角の反り加減にはいささかうるさい(笑)



さすがディズニー! 誕生日にマレフィセントが登場するシーンは


心に残っているアニメのシーンがすっかりと蘇っていて、


長くマントの裾をひいて王に迫るアンジーはマレフィセントそのものだった。



女性たちが実力を認められその才能を発揮している21世紀の今日、


「アナ雪」でも感じたが、夢の世界のディズニーでさえも


もう白馬の王子さまは必要としないというところだろうか(笑)




パガニーニ 愛と狂気のヴァイオリスト

2014年07月16日 | 映画♪




公開が待ち遠しかった「パガニーニ 愛と狂気のヴァイオリスト」を観た。


原題は「The Devil's Violinist」



乱れた女性関係やギャンブル・クスリに溺れながらも作曲家として並みはずれた才能を持ち



その超絶技巧は悪魔に魂を売り渡して手に入れたなどと評された稀代のヴァイオリストであるニコロ・パガニーニ。



そのパガニーニを現代のパガニーニといわれるデイヴィッド・ギャレットが



素敵にセクシーに演じているのであるからこれまであったような音楽家の映画とは迫力が違う!



どちらかというとこの方のほうが悪魔に見えるウルバーニを演じているジャレット・ハリスと


シャーロットのアンドレ・デックがいい!






パガニーニ(1782-1840)の生涯については詳細な記録が残っているらしいが、


映画では史実と伝説の部分を上手く絡み合わせているのでとても面白かった。


若冲さん晩年のころに生を受けたパガニーニ、この人もまさに奇想の系譜(笑)


ロンドン公演で英国国歌を凄いアレンジで弾くシーンに魂を抜かれてしまった。

ニューヨーク・アニバーサリーライブ サイモン&ガーファンクル

2014年07月12日 | 映画♪



もともと三日坊主で飽きっぽい性格の私なので3日ブログを更新しないでいるとすぐに更新が面倒になってくる(笑)


今週は2本の映画を観た。


水曜日に主人と観た「ニューヨーク・アニバーサリーライブ サイモン&ガーファンクル」


今年でデビュー50周年になるサイモン&ガーファンクル。


その彼らの再結成の場、1981年9月セントラルパークでのコンサートは公園緑地化運動のためのチャリティーで、



53万人もの観衆を集めニューヨーク市に多額の寄付をしたことが伝説となっている。



30年以上も前のアナログ時代の映像がとても懐かしく、



その翌年の後楽園球場での日本公演を主人と行った日のことがよみがえってきた。



2009年はドームも武道館も2回も行っているのにその時の記憶より



30年以上も前の記憶の方が鮮明なのは老人ボケの証拠だろうか(笑)



彼らの魅力の第一ははその美しいハーモニーであるが、



ポールの紡ぎ出す歌詞からは当時のアメリカの流行り物や時世などが伝わってきて



ほぼ同じ時代生きてきた私たちにとっては格別の感慨がある。



実力派のミュージシャンがバックを勤め40代そこそこのパワーあるステージは素晴らしかった。



とくに「Me And Julio Down By The School Yard」がメチャメチャかっこよかった!!!



今年の12月にはアート・ガーファンクルの来日公演が決まっている。










ナショナル・シアター・ライヴ 「ザ・オーディエンス」

2014年07月02日 | 映画♪




ナショナル・シアター・ライヴの中でも一番楽しみにしていた「ザ・オーディエンス」



期待通り最高の舞台だった!



映画「クィーン」でエリザベス2世を演じたヘレン・ミレンが、再び同役を舞台で熱演。


脚本は「クィーン」と同じピーター・モーガン


演出は「リトル・ダンサー」などのスティーブン・ダルドリー


題名の「Audience」とは謁見


毎週火曜日に女王は英国首相と20分のプライベートな謁見をする。


在位の中で、チャーチルから現在のキャメロンまで女王に謁見した首相は12人



時系列でなく12人の首相全員ではないが、過去現在が女王の心の中で行き来しそれぞれが登場する。


劇中に特に名前が出てこなくても、俳優たちが各首相の特徴を素晴らしく表現しているのと


女王とのその時世の会話等から誰かは自ずと想像がついた。


あくまでもフィクションということであるが、


女王がどの首相に心を許していたか?


どの首相が人間的に好きではなかったか?


などを勝手に推察できるのも面白い(笑)


休憩時にピーター・モーガンのインタビューが入るが、


「女王と首相の関係はセラピストと患者のようなもの」と言っていたが、


謁見で女王はとても聞き上手であり、状況に応じて、


優しく穏やかに、時にはピリッと首相の迷いを打ち消しているような感じもあった。


ラストが実に感動的である!


トーホーシネマズ日本橋では本日が最終日であるようだが、


最高に面白く素晴らしい舞台で何度も拝見したいので、近々またの上映を願っている。








インサイド・ルーウィン・デイヴィス

2014年06月14日 | 映画♪



「インサイド・ルーウィン・デイヴィス」を主人と観た。


ボブ・ディランが憧れたデイヴ・ヴァン・ロンクをモデルにした映画で


その主人公をオスカー・アイザックが演じている。


時代は1960年代初頭、グリニッチ・ヴィレッジにフォークが響いていた頃を描いていて


私はデイヴ・ヴァン・ロンクという人物を初めて知った。



主人公が大物マネージャーから男女3人のトリオをやらないか?と誘われるシーンがあるが


このトリオはのちのピーター・ポール&マリーだったり、


ラストはボブ・ディランと思しき人物(声はボブ・ディラン)が歌っている。


全編に流れるフォークソングの懐かしさ。


学生時代主人はPP&Mのコピーバンドをやっていたので


なおさら懐かしかったであろう。


素晴らしい歌声とギターを聴かせてくれるオスカー・アイザック


ジュリアード卒業というのに納得!


なかなか味わいのある映画であった。


猫がからむ映画なので猫好きの方にはお勧めかもしれません。




アナと雪の女王

2014年06月07日 | 映画♪



世界中で大ヒットの記録を更新中の「アナと雪の女王」を観た。


原案は「雪の女王」のようであるが、私たちが幼い時に読んだ物語とは違う


予想外の現代的なストーリーが面白く大人も子供も楽しめる作品になっている。



個人的にはディズニーの手描きアニメが好みであるが、


CG技術を駆使した氷の世界の映像は素晴らしく美しかった。


やはり一番のクライマックスは「Let It Go」が歌われるシーン。


音楽も映像も力強くて氷の冷たさよりもむしろ熱いエネルギーを感じることができるのが


大ヒットの要因であろう。


雪だるまのオラフ・トナカイのスヴェンなどがディズニーの王道で楽しく愛すべきキャラクター。



ニューヨーク・アニバーサリーライブ ポール・マッカートニー

2014年05月27日 | 映画♪




ニューヨーク生誕350周年を記念してニューヨークで行われた伝説のライヴを上映するという企画


第一弾はポール・マッカートニー


メッツの本拠地シティ・フィールドで行われた2009年のライヴ映像


老朽化したシェイ・スタジアムの隣に新しくできたスタジアムのまさに杮落公演。


1965年にザ・ビートルズとしてシェイ・スタジアムにたったその映像から始まる。


約3時間、アンコールまで全然休みをとらなかった


パワフルでチャーミングなポールが最高に素敵だった!!!


昨日日本を発ったらしいポール、韓国公演も中止になって


体調は改善されたのか?とても心配である。


一日も早く良くなって元気な姿でまた日本に戻ってきて欲しいと願うばかり。







映画 中村勘三郎

2014年05月02日 | 映画♪



オンデマンドで「映画 中村勘三郎」を拝見した。


歌舞伎座も新開場になってまる一年過ぎたが、


通して観てきてやはり十八世のいない歌舞伎はなんか物足りなかった。


大看板の至芸や花形の舞台もそれぞれに充実したものであるのだが、


十八世持ち前の「果てしなき挑戦」とか「奮闘」とかのあのパッションが今はとても恋しい。


もちろん十八世が先代十七世に追い付け追い越せと


お互いがライバルのように力を尽くしてこられたように、


今は勘九郎丈や七之助丈が同じように力を尽くしておられることは嬉しいこと♪



そしてその中村屋スピリットはしっかりと七緒八君にも受け継がれ


そのご成長もとても楽しみなことである♪


でも在りし日のお姿を拝見するとやっぱり今でも胸がつまった。







勘九郎日記のあとがきには、


「私の後半の人生を記録する『勘三郎日記』は、まだまだはじまったばかりである。」と・・・



2014ナショナル・シアター・ライヴ フランケンシュタインBバージョン

2014年04月07日 | 映画♪



映画館でイギリス演劇界最高峰の舞台を観る♪


ベネディクト・カンバーバッチとジョニー・リー・ミラーが交替で博士とクリーチャーを演じた

ダニー・ボイル演出『フランケンシュタイン』を観た。


Bバージョンはベネディクト・カンバーバッチがクリーチャーでジョニー・リー・ミラーが博士。


久しぶりで魂が震えるような感動を覚えた♪♪♪


観たばかりの「それでも夜は明ける」で複雑な心の動きをみせた


ベネディクト・カンバーバッチのクリーチャーが素晴らしかった!!!


観た目は恐ろしい怪物であるが心は無垢で自然を愛し


人間たちにも愛情を注ぐが受け入れられないクリーチャーの悲しみや苦しみが迫ってくる。


演出も面白く舞台美術も音響も非常に効果的に使われていて


現在のイギリス演劇界のレベルの高さに圧倒された。


最近は古典芸能分野の舞台しか観ていないのは、


観客に媚びているような演出が多く、


一昔前までは実に面白かった演劇がなぜかとてもつまらなくなったからだ。


日本ももっと頑張って深いテーマを正当に演じて観客の心をつかむような舞台是非みせて欲しいと願っている。











ワンチャンス

2014年03月30日 | 映画♪



新しく日本橋に出来たシネコンで「ワンチャンス」を観た。


9つのスクリーンがあるらしいが、この「ワンチャンス」は最上階の9スクリーンの上映で


ラージスクリーンTCXというのが際立ってクリアな映像で


オペラの名曲が流れる映画に相応しいシネマ音響「ドルビーアトモス」というのも迫力があった♪


座席も充分なゆとりがあってこれからも映画をみるならここで観たいなと思った。


さて映画の方も実在のオペラ歌手ポール・ポッツの実話に基づいたハッピーエンドなお話なので


観終わったあとの気分も爽快になる♪





主人公を演ずるジェームズ・コーデンの笑顔は福の神みたいで癒された。


妻を演ずるアレクサンドラ・ローチが可愛らしく明るく献身的な奥さんで


メリル・ストリープ演じたサッチャーの若い時代のあのサッチャーとは気がつかなかった。


やはり一番光る存在だったのは、「リトルダンサー」や「ハリーポッター」のジュリー・ウォルターズ♪♪♪

母親役で彼女の後押しがなかったら現在はなかったろうという役回り。


そして変な人だけど実はいい人という上司の役のマッケンジー・クルックも重要な役回りで


「パイレーツ・オブ・カリビアン」や「ヴェニスの商人」のように存在感を放っていた♪♪♪





ちょうど日本橋は桜まつりでビルがピンクにライトアップされていて素敵だった!!!



それでも夜は明ける

2014年03月27日 | 映画♪



アカデミー作品賞をとってブラット・ピットがプロデューサー及び出演した映画なので観ておきたかったが、

予想していたとおり、初めから終わりまで観る者にはかなり辛い映画であった。


家畜のような扱いで虐待され続けた主人公を演じたキウェテル・イジョフォーの

怒りと絶望感の中にも決してあきらめない意思を感じる表情が忘れられない。


そして主人公ら黒人奴隷を所有物としてしかみていない白人たちの中で

唯一の理解者としてブラット・ピットが現れた時は、私自身も彼が神さまのようにみえた。


体調不良で満身創痍のように感じている時に観る映画ではなかった。

ウォルト・ディズニーの約束

2014年03月26日 | 映画♪



エマ・トンプソンが大好きなので公開をたのしみにしていた「ウォルト・ディズニーの約束」

子どもの頃観たジュリー・アンドリュース主演の「メリーポピンズ」のように

さぞかし楽しい映画だろうと思っていたら予想に反して

重いテーマと胸に迫るシーンが沢山あって涙なくしては観られなかったが

主人はとなりでしっかり寝ていた(笑)


50年以上も前に、私たち年代の子どもたちが観ていたテレビ番組の「ディズニーランド」♪

毎回冒頭にウォルト・ディズニーが語りかけるあの表情は今もしっかりと記憶に残っていて

トム・ハンクス演ずるウォルトもその思い出を損なうものでなく好感が持てた♪


頑固な原作者パメラ演ずるエマ・トンプソンが複雑な心の動きを見事に表現していて

特に着用しているトラッドなお洋服たちがすごく素敵だった♪


原作者の回想シーンのコリン・ファレルとアニー・ローズ・バックリーも素晴らしかった♪


偶然にごく最近、映画「メリーポピンズ」の制作に係わりアカデミーを受賞したシャーマン兄弟のドキュメンタリーも観たが

楽しく夢いっぱいのディズニー作品でもその制作過程はいろいろと深いものがあることを

いい年をして今さら知ったが、いい年になったからこそわかることもあるのかも。