さくらんひめ東文章

指折って駄句をひねって夜が明けて

菖蒲田

2014年06月16日 | 植物



今、皇居東御苑の菖蒲田が見ごろを迎えている♪









手入れの行き届いた花たちは凛としていて


紫から白へのグラデーションが何とも言えなく風情がある。








また一株ごとに優雅な名前がつけられていてそれを観てまわるのも楽しみのひとつ。





花の色競う菖蒲田風渡る



楝と卯の花

2014年05月22日 | 植物



今日散歩の途中に植物園によると栴檀の花がだいぶ散っていた。


比較的原形をとどめている花を拾い集めてみた。





センダン科の落葉高木


高木なのでミニ双眼鏡で観るとまだ枝には花が残っていて、そして万葉集の歌が。





妹が見し楝の花は散りぬべしわが泣く涙いまだ干なくに  (山上憶良)


大好きな「夏は来ぬ」の歌詞にもある

この楝は栴檀のことだそうだ。


楝ちる 川べの宿の
門遠く 水鶏声して
夕月すずしき 夏は来ぬ~♪


五月やみ 蛍飛びかい
水鶏鳴き 卯の花咲きて
早苗植えわたす 夏は来ぬ~♪













卯の花 ウツギ


アジサイ科の落葉低木


センダンとウツギで思い出すのは2008年だったか住吉大社に詣でたおり、


ちょうど駅前の公園のセンダンが満開で、住吉大社の卯の花苑にある色とりどりのウツギがとても美しかった♪♪♪


昨日は小満 蛍もとびかう時期となり、もう季節は夏に入っていることに今さら納得している今日この頃。




花橘

2014年05月04日 | 植物
五月になってずっとたちばなの花が咲くのを待っていた。


2日まではつぼみだったが、今日植物園に行ってみると花が咲きだした♪


花橘といえば芭蕉の詠んだ


駿河路や花橘も茶の匂ひ と言う俳句があるが


やはり古来より日本人が愛した花橘の奥ゆかしい香に


過ぎ去った日々や想い人をイメージした和歌の方が似合う植物だ。







かへりこぬ昔をいまと思ひ寝の夢の枕ににほふ橘  式子内親王







夕暮はいづれの雲のなごりとて花たちばなに風の吹くらむ  藤原定家







誰かまた花橘に思ひ出でむ我も昔の人となりなば  藤原俊成







そして


五月待つ花橘の香かげば昔の人の袖の香ぞする  よみ人しらず

ムベとアオイの花

2014年04月23日 | 植物



今朝植物園に牡丹を観に行った際に、日本庭園によってみるとムベの花が咲いていた。


アケビ科の常緑つる性の植物 別名トキワアケビ


天智天皇がこの果実を食して「むべなるかな」と言ってその名がついたという不老長寿伝説の植物





アケビは冬に葉が落ちてしまうが、このムベは常緑、アケビの実は熟すと割れるが、ムベは割れない。


雌花・雄花の区別があるらしいがそれは良くわからなかった。


下の写真がムベの実








そして植物園で出会ったおじいさんが「花が咲いているよ!」と教えてくれたカンアオイの花





カンアオイ ウマノスズクサ科


花のように見えるのは花弁ではなく3枚の萼片らしい。







「ではフタバアオイも花咲いてますか?」とたずねると


「ヤブイチゲの隣に今いっぱい咲いているよ!」と。


以前から葵祭に使われるフタバオイの花を観てみたいと思っていたので


おじいさんに御礼を言って早速野の花が沢山さいているその所に行ってみると


咲いてる!いっぱい咲いてる!





こちらも不思議な面白い花。


フタバアオイ  ウマノスズクサ科






ちなみに隣に咲いていたヤブイチゲの可愛い花たち、これも春の妖精の仲間。






素敵なおじいさんとの出合いに感謝♪感謝♪

羅生門蔓

2014年04月22日 | 植物



長年散歩の途中による植物園でも、初めて出会う花がいくつもある。


先日も林の傾斜地に沢山の紫の花がさいているのをみつけた。


シソ科の多年草でラショウモンカズラというそうだ。





なるほど葉っぱはシソに良く似ている。





羅生門蔓なんてロマンを感じる命名にしらべてみると


花冠はさきが唇形で内側に紫の斑点があり、筒のような部分が太く毛が生えているので


羅生門で渡辺綱が切り落とした鬼女の腕にみたてたそうだ。


そう言われて横から観ると鬼が爪をたてた腕にもみえないこともないし


垂れさがる斑点模様がなんとなく日本人の感性からすると心地よいものではないのかもしれない。


2009年の春に羅城門址をたずねてみたことがあるが、


小さな公園内に羅城門跡という石碑がぽつんとたっているだけだったのを思い出した。



ニリンソウ

2014年04月06日 | 植物



そろそろ見ごろとなってきたニリンソウを赤塚公園に観に行った。








この公園の丘陵地を覆う自然林には都内最大のニリンソウの自生地がある。


キンポウゲ科イチリンソウ属の多年草


セツブンソウやイチゲなどと同じ可愛らしい春の妖精の仲間だ。













ニリンソウの傾斜地のそばには桜も咲いていて風が吹くたびに花びらが舞い落ちてくる。

ツッピーとシジュウカラも鳴いているしスミレも咲いていて

都内とは思えない自然が未だに残っているのが嬉しい♪♪♪











ヒメコブシ

2014年03月31日 | 植物



翻る裳裾のごとき姫辛夷





モクレン科の落葉高木で別名シデコブシ


細長いリボンのような花弁が注連や玉串の四手(シデ)に似ていることからついたの名とのこと


花びらの反り具合が面白く心惹かれる花♪


写真は新宿御苑で撮ったもの。





辛夷の毛に被われた部分は苞と呼ぶらしく、芳香の強いものや6弁のものなどもあり、


蕾や咲きはじめ及び秋の果実の形状が握りこぶしに似ているから「コブシ」となったらしい。


辛夷の花が咲く頃が農作業の目安になるようで


タウチザクラ・タウエザクラ・イモウエバナなどと呼ぶ地方もあるとのこと。



春一番

2014年03月18日 | 植物



春一番が吹き荒れる中植物園に散歩に行った。








雪割草が盛りを迎えていて、10日ほど前には咲いていなかった

キクザキイチゲが咲き出した。








アセビも花をつけていて





日本庭園のそばにはトサミズキやダンコウバイの黄色の花々











丘に登る傾斜地にはカタクリの花





河津桜はもう終わっていたがシナミザクラが満開だった。





1月に北野天満宮で頂いた「思いのまま」の梅と同じ種かどうか判らなかったが、

一つの木から紅白の花をつける梅を見つけた♪






セツブンソウが芽を出した♪

2014年02月13日 | 植物



植物園のセツブンソウが芽を出し始めた♪


春の儚い夢のようにわずかな時しか愛でることができないスプリング・エフェメラル


まだ先週の雪が残る中でもこのセツブンソウのエリアだけは雪が取り除かれていて

そばに寄ってみるとムクムクと沢山の芽が頭をもたげている♪♪♪





でも明日からまた雪になると・・・


きっとなにか囲いをされるのであろうが・・・





セツブンソウ短き興行無事祈る



昨年の写真であるが、花が咲くとこんな感じ









夕顔

2013年07月17日 | 植物



10日前に我が家に仲間入りした夕顔がグングン成長している♪





鉢をひとまわり大きいのに植え替えたのでそれも良かったのかもしれないが
毎日1~2輪の花を咲かせて楽しませてくれている。




15時頃 まだ蕾は閉じられた日傘のよう




それが16時過ぎになると徐々に開きはじめる。





20時過ぎ、昨晩は上弦の月であったので外に出てみると闇の中に真っ白な花が1輪咲いていた♪





上弦の月待ち開く夕顔よ







半夏生

2013年07月02日 | 植物
老眼をかけて半夏をさがす朝


山本健吉編「最新俳句歳時記-夏」によると

雑節で七十二候の一、夏至の第三候にあたる。
すなわち夏至から十一日目で、太陽の黄経が100度の日であり、7月2日ごろにあたる。
半夏(からすびしゃく)という毒草が生じる意である。

とあった。

からすびしゃく???

ということで今朝植物園に「からすびしゃく」なるものを探しに行った。

しばらく探しても見当たらず、ちょうど園内の手入れをされたおられた職員の方に咲いている場所を教えて頂いた。


ありましたぁ!「からすびしゃく」♪ コブラの鎌首みたいな植物でした。

サトイモ科の多年草










畑などに生ずると駆除が困難な植物らしい。

「中はずらせ、半夏は待つな」と云う諺があって、半夏までに田植えを終えないと
収穫が半減する「半夏半作」になると言い伝えられているようだ。



こちらはお馴染みドクダミ科のハンゲショウ♪










白と緑に染め分けるぼかし加減が絶妙です!


つりぼかし匠の技やハンゲショウ








セイヨウニンジンボク

2013年06月27日 | 植物



梅雨冷に着てゆく衣迷う朝


今朝は20℃を下回って寒かった。
午後からは晴れてくるような予報もあるがまだ外は雲が厚い。


ところで、我が家の庭木の中に、先日までずうっと名前のわからない木があった。

3~4年前、ホームセンターの片隅に名札もなく咲いていた紫の花に惹かれて購入したもの。

肥料などあげなくても、グングン枝葉を伸ばすのでバッサリと切っても切っても毎年夏になると花を咲かせてくれる♪


そんな健気な花の名前を知らなくては申し訳ない気がしてきて

先日一枝切って植物園に持って行って名前を教えて頂いた。



セイヨウニンジンボク クマツヅラ科ハマゴボウ属

地中海沿岸原産、日本には明治中期に入ってきて、
葉の形がチョウセンニンジンに似ていることからついた名のようだ。


ネットで検索してみると


英名はチェストツリー(chaste tree)
チェストベリーとかモンクスべりーとかモンクスペパーなどとも呼ばれ、
紀元前から薬として使用されているらしい。

成分が性ホルモンの分泌に作用するらしく、ヨーロッパでは女性生殖器系疾患の治療や
修道士の性欲抑制のため(修道士の胡椒 monk's pepper)に使われていたと。

また最近ではバストアップにも効果ありとか。


なかなか凄い植物だったことにビックリ!!!












しゃぼん草♪

2013年06月08日 | 植物



しゃぼん草薄桃色の花かさね


昨年名前が判らず、そのまま忘れていた花がまた満開になった。

今朝、別の花の名前を調べていたら偶然この花の名前も判明した♪


しゃぼん草

ヨーロッパ・西部アジアの原産で撫子科
サポニンを含んでいるので葉を水で揉むと泡立つそうだ。

繁殖力が強いらしく、なるほど昨年はカシワバアジサイのそばに数本咲いていただけだったが、
今年は倍以上に花の領域が広がった。


「シャボン」という言葉の響きが好き♪♪♪

父は野口雨情作詩・中山晋平作曲の唱歌「シャボン玉」が好きでときどき突然口ずさむ時がある(笑)

ちなみにシャボン玉は春の季語らしい。




キョウガノコ♪

2013年05月29日 | 植物



木漏れ日のスポットライトきょうがのこ





キョウガノコはバラ科シモツケソウ属の多年草

下の写真はシモツケで、比べてみるとやはり佇まいが異なる。







もう昔になるが、初めてこの野草に出会った時の感動はいまでもずうっと胸に残っていて
毎年この花を愛でるのを楽しみにしている私。

木陰にひっそりと咲いていても、その優雅な風情は観る者を惹きつけて止まない。
町娘の鹿子絞りの手柄のような花と雅に咲く姿に「京鹿子」とはよく付けた名前だと思う♪


おりしも歌舞伎座5月大歌舞伎第3部「京鹿子娘二人道成寺」も本日千穐楽を迎える。


玉三郎丈と菊之助丈が幻想的で夢のように美しい♪


「梶原平三誉石切」はやはり吉右衛門丈が絶品!!!